『We Best Love 2位の反撃』歐陽ママとお勉強ちゅう♡ #7

中国語映画・ドラマの翻訳や、日本で開催されたアジアBLドラマイベントMCなどに携わり、アジアドラマをこよなく愛する歐陽ママが、注目するドラマの台詞をきりとり、読者の皆様に中国語の表現の面白さなどをお伝えする「歐陽ママとお勉強ちゅう♡」。

全話配信が終わったWBL、金曜日の配信が待ち遠しかった皆さん、いかがお過ごしですか? 今日はドラマの内容を踏まえながら台湾での“同婚”(ㄊㄨㄥˊㄏㄨㄣ|tóng hūn)をテーマに話をしてみたい。2019年の5月に同性婚がアジアで初めて認められた台湾。それから一年の間に4000組ほどが結婚したそう(5月に結婚して6月に離婚したカップルがいたのは内緒よ)。あたしが住んでいた頃から考えると信じられないほどのスピードでの変化だったけれど、感情の部分である「結婚したいかどうか」と法的に権利を持ったうえで「結婚できるかどうか」は別問題よね。

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同性婚の「嫁に行く」「嫁を迎える」、プロポーズとは?

 第五話ではシードーがシューイーパパに「自分の持てるものすべて」を差出し、「お義父さん」と呼ぶシーンがあった。あの「お義父さん」の言い方ずるいわよね。二人の会話の中にはアジアらしい結婚が家と家とのつながりであることをにおわせるセリフがあったわ。それから第六話にはシードーとシューイーの脇を固めてきたビンウェイのプロポーズシーン! この二つのシーンから読み解いてみましょ!

作品紹介

We Best Love 2位の反撃

シードーの会社華聲は誠逸グループと合併することに。そこへ誠逸の担当者として副社長のシューイー、法務のビンウェイと秘書のジャーユーが現れる。

シードーの会社華聲は誠逸グループと合併することに。そこへ誠逸の担当者として副社長のシューイー、法務のビンウェイと秘書のジャーユーが現れる。いきなりシードーのほほを殴るシューイー。商談現場は静まり異様な雰囲気に…。一方、シューイーの感情的な態度から、華聲の技術長のジェンシュエンは、シードーとシューイーに何か確執があると見抜く。温和そうにみえるジェンシュエンだが、ある日店を閉まろうとするショーイーをみかけ、子供のように走っていく…。シードーを故意に困らせる態度を取り続けるシューイー。5年の間に2人に何があっただろうか。そして、ジェンシュエンとショウイーの関係とは?!

出演:リン・ズーホン(ツーホン/SpeXial)ユー(YU)エヴァン・ルオリー・チーレイ・チャン(ブライアン・チャン/張睿家)シー・チーティエン
監督:ジャン・ルイジー
脚本:リン・ペイユー

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シューイーパパ「親不孝な奴め」→「お義父さん」

“你這不孝的傢伙!” 訳:親不孝な奴め

第五話でシードーが突然シューイーパパを「お義父さん」と呼ぶわけなんだけど、これにも会話の流れがあるのよね。シードーが自分の持てるものをすべて示すと、パパは“娶我的兒子”(息子を娶る)のつもりかと返す。この“娶”、普通は「男性が女性を妻として迎える」っていう意味が基本なのよね。日本でも古い言い方で「嫁とり」なんて言ったけど、基本はそういう意味。男性が男性を配偶者として迎えるという意味の言い方ってないのよね。
その後まま会話があってシューイーパパの“你(ㄋㄧˇ|nǐ)這(ㄓㄜˋ|zhè)不(ㄅㄨˊ|bù)孝(ㄒㄧㄠˋ|xiào)的(˙ㄉㄜ|de)傢(ㄐㄧㄚ|jiā)伙(ㄏㄨㄛˇ|huǒ)!”。ポイントは“不孝”で、この孝は孔子のとなえた「孝順」のことで子から親に対する徳目、つまり親孝行の意味。それに「不」がついているから「親不孝」になるわけ。“傢伙”は「野郎、やつ」の意味で「這傢伙」は「この野郎」ね。そう、そこでシードーは「あれ、僕が親不孝ってことはシューイーの結婚相手として認めた?」という発想になって「お義父さん」につながるのよ。

“你願意嫁給我嗎?” 訳:結婚してくれますか?

シードーとシューイー、ショウイーとジェンシュエンの2CPはいままで見てきたけれど、その脇を固めてきたジョーユーとビンウェイのCP、第六話で『We Best Love』のエンディングを飾るのはなんとこのCPのプロポーズシーン。ショウイーの店で、ショウイーとジェンシュエンの「普通のやり取り」も見られたし(台湾のレモンって緑色なのよね)、ハッピーな雰囲気のまま大団円へ。この回のビンウェイ、すこぶるイケメンに見えたわ。“你(ㄋㄧˇ|nǐ)願(ㄩㄢˋ|yuàn)意(ㄧˋ|yì)嫁(ㄐㄧㄚˋ|jià)給(ㄍㄟˇ|gěi)我(ㄨㄛˇ|wǒ)嗎(˙ㄇㄚ |ma)?”、お決まりのプロポーズと言っていい、クラシックな言い方よ。“願意”は「自ら進んで~する」という意味で“嫁”は“嫁給〇〇(人)”の形で「〇〇(人)に嫁ぐ」、「僕に嫁いでくれますか」だから「結婚してくれますか?」。「はい」と返事するときの返答は“願意”よ。これも男女のプロポーズの言い方が男性同士に援用されている形よね。プロポーズ、いいなあ。 ※CP=カップリング

最後に

日本人と台湾人の同性カップルは結婚できる?

台湾で同性婚が認められて二年。日本人は台湾人と結婚できるのかというと、現状では結婚相手が、同性婚が制度として認められている国の国民でないと許されないので、残念ながら日台カップルに機会はない。ただ今年の一月には国際結婚の制限撤廃に向けて司法当局が動いているというニュースも出ていたし、ひょっとすると遠くない未来、日台カップルの結婚を巡るストーリーがみられるかもしれないってわけよ。『We Best Love』もひとまず終わっちゃったし、新しいBLの企画にいいかもね。ふふふ。

執筆者情報

歐陽(オウヤン)ママ

早稲田大学大学院修了。論文のテーマは台湾の文化。
2012年から2013年にかけて台湾で生活、日本語の先生などしてふらふらする。
新宿二丁目では新型コロナの影響もありあたふた。今は新しいお店をオープンしようと画策中。


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