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『成化十四年~都に咲く秘密~』歐陽(オウヤン)ママの注目作品紹介

『成化十四年~都に咲く秘密~』歐陽(オウヤン)ママの注目作品紹介
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今月はあたしのご紹介記事では初めて、中国ドラマを取り上げるわ。タイトルは『成化十四年~都に咲く秘密~』。内容ももちろん、俳優陣や、他にも歴史の話なんか面白い要素がいっぱいだから、あたしなりにちょっと角度を変えて紹介してみるわね!
目次

作品紹介

成化十四年~都に咲く秘密~

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明王朝時代のシャーロック・ホームズとワトソンが平和と秩序のために活躍する推理物語ー“武術”と“知恵”を駆使し幾多の試練を乗り越えた2人はその友情を深めていく!

明朝、推官の唐泛(演:官鴻)はとある事件の解決を命じられていた。一方、秘密裏に任務を行う武官の隋州もとある皇室がらみの事件を捜査する。その過程で二つの事件が接点を持っていることに気づくと、二人はそれをきっかけに協力して事件を解決していく。唐泛には明晰な頭脳と推理の能力があり、隋州は危険を察知する能力や危機を脱するだけの武術、経験を備えており、互いに互いの欠点を補いながら二人は最強のコンビとして信頼を深めていく。
とにかく脚本が面白くできてるわよね。通奏低音のように大きなテーマが伏線としてちょくちょく出てきて、いつ回収されるんだろうって期待させてくれるし、次々に起こる事件も一つひとつがテーマを持って描かれるから、長いのに飽きない、とにかく「おもしろい」ドラマになってるわ。

出演:グアンホン、フー・モンボー、リウ・ヤオユエン、アリッサ・チア、ワン・マオレイ、マオ・イー
監督:グォ・シュアン、ヤン・ホアン

『成化十四年~都に咲く秘密~』第一話は無料で視聴が可能。視聴はこちら

長い長い歴史の中国の、長い長いドラマ

舞台となった「成化十四年」っていつだ?

舞台の明朝は、中国史では最後の漢民族王朝。前の元朝はモンゴル人だし、続く清朝は満州族だものね。最近の中国の“古裝劇”(いわゆる時代劇)は清朝を舞台にしたものが多かったから、明朝の雰囲気が出てるのは新鮮に感じるわ。視聴者のみんなにも馴染みがあると思うんだけど、清朝の例えば辮髪とかあのキョンシーみたいな官帽とかさ、ああいうのを思い浮かべると本作に出てくる唐泛は全然違った服を着てることに気づくはずよ。唐泛は推官という国の役人だから作中で着てる服は基本的には「制服」だもの。
そしてタイトルでもある「成化十四年」は1478年、日本は室町時代で大体が銀閣寺を建てた足利義政のころで、応仁の乱が終わったころだそうだから、結構昔の話なのね。

驚きの話数を誇る中国ドラマ

本作の話数はなんと48。普段せいぜいが12話ほどのBL沼に生きるあたしにとっちゃとんでもなく長く感じるわけよ。ところが、そうそう、2017年に中国の武漢ってとこに遊びに行ったんだけど、そこで誰の家に行っても『月に咲く花の如く』(那年花開月正圓)がテレビで流れてたのよ! 友達の家でも、その友達の家でも、食堂のテレビでも。それで俄然興味を持ったあたし、帰ってきてから見ましたよ。ころっとハマったわ。74話をあっという間に見終えたの覚えてるもん。
それに続いて『瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』(延禧攻略)も2018年に放送された。これも70話あったけど更新されるの待ち構えてみんな見てたわ。特に二丁目の中華系組合員たちが「宮廷もの」好きってのもあると思うけどさ。
本作は宮廷ものでも清朝のものでもないけど、間違いなくこういった「長さを感じさせない」中国ドラマの系統に名を連ねる良作よ。まあ次々事件が起こるからわかりやすいっちゃわかりやすいんだけど、それにしてもテンポよく進んでいくからストレスなく次へ次へと話数があっという間に進んでいくでしょうね。

俳優に役者にBL要素に見どころはいっぱい!

二人の主人公と準主役の言葉

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本作の主人公、唐泛と隋州を演じるのはそれぞれ官鴻(唐泛)に傅孟伯(隋州)と、二人とも台湾の俳優。二人の主人公がいて二人とも台湾の俳優っていうのは結構珍しいんじゃないかしら。官鴻は『流星花園~花より男子で見たことがある人がいるかもしれない。もうね、女装するシーンあるけど羨ましいほど美しいわ。寡黙な役どころの傅孟伯はルックスと役がマッチしてると思うわ。ボソッと言うことが大事に聞こえたり、なぜか料理するシーンに萌えたり。
それに加えて準主役みたいなところで宦官の汪植がいて、それを演じるのは劉耀元、彼は浙江省の杭州の出身だそう。
そうすると、主人公二人が台湾訛り(特に傅孟伯)で準主役が普通話(中国での標準語)ということになって、言葉に差が出てくるんじゃないかと思ったんだけど……実際のところネットでは厳しいご意見も散見されました。やっぱそうなるよねえ。まあドラマの本筋とは関係ないから、視聴者のあたしたちはそんなに気にすることないと思うんだけど、中国語勉強してる人は対比も面白く見られるんじゃないかと思うわ。

古裝劇の見方 史実と創作が溶け合う世界観

日本でいういわゆる「時代劇」のことを中国語では「古裝劇」という。ただ見ただけだと「昔の服を着た劇」という意味だから、時代考証とかしないのかなと思うと意外としっかりしてたりするから、バランス型なのかしらね。でも日本の時代劇だって大河ドラマだって、ドラマの内容が歴史的な事項とそのまま合致するわけでもないだろうしね。
本作でいうと「あんな感じ」の唐泛も恐ろしい試験を潜り抜けて来たエリートでこれは創作、笑った顔がはじけて可愛いあたし好みの汪植は(残念ながら)宦官という宮中の役人で、この汪植は実際にいた人物。本当に皇帝からの信任厚く「西廠」のトップになるなど、それなりに大きな権力を持っていたよう。中国のドラマでうまいなあと感じさせられるのはここよ。史実を織り交ぜながら創作の部分を大胆に加えて、史実と創作の境界が曖昧に溶けてゆく。普通は「はいはい、ありえない」って思って終わりになりそうなところが、脚本の完成度、画面の美しさ、衣装、俳優の演戯なんかのおかげで気持ちよく引きつられて行く感じかしら。

原作はBLドラマ?

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本作の原作は夢溪石の同名小説。それはもうばっちりBLなんだそうだけど、大人の事情ね、ドラマではそのCP感は消されてしまって「義兄弟」としての物語が描かれるわけ。だ・け・ど、そういうふうに「もとはBLなんだ」って頭で見ているからなのか、ヒゲをはやした隋州がキレイな顔した唐泛を見る視線とか、すごい身体さらしてお風呂入るシーンとか、そういう細かいところになにか感じてしまう。あたしは原作読んでないし、見てて感じただけなんだけど、たぶん気持ちは隋州から唐泛に向かってるね。それで唐泛もそれに気づいているのか気づいていないのかわかんない感じでいるし、なんか結構ずるいんじゃないかって思えてきたり。だって、あからさまに嫉妬してるのに無視したりさあ、なんか手玉に取ってるように見えるのよねえ。んでそこに汪植が加わると、「なに? あんたも混ざりたいの?」って、汪植と誰かが何かあるんじゃないかと期待に似た気持ちを持ったり……これも性ね。

古裝劇のBLが見たい

なんかね、たぶん「BLとしての要素」を削られてしまったからなんでしょうね、幻のシーンをいろいろ想像してしまうわけよ。隋州が疲れた体を床に横たえて、目をつぶって静かに考え事かなんかしてるわけ。外は暗くて月が照ってるくらいの感じね。隋州、体は疲れてるんだけどもちろん寝てない。そこへ隋州の気持ちを知っている唐泛が音もなく入ってきて、何も言わずに隣に横になるとかさ。この時は隋州の胸の上に手置いてもらうくらいはあってもいいわね。それでも二人は一言も発さないとか。或いは誰も知らない地方へ行くときは途中一匹の馬に一緒に乗るとか、食いしん坊の唐泛が腕を怪我しちゃって隋州がご飯を食べさせてあげるんだけどまんざらじゃないとか、どうです?見てみたい気がしてこない?あたしは、そういうの、見たいです。

執筆者情報

歐陽(オウヤン)ママ

早稲田大学大学院修了。論文のテーマは台湾の文化。
2012年から2013年にかけて台湾で生活、日本語の先生などしてふらふらする。
新宿二丁目では2021年10月から新しいお店「美麗島」をオープン予定。

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中国ドラマ 歐陽ママ
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