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時代のうねりに翻弄される王子と、その主人公を演じるリウ・ハオランに注目

時代のうねりに翻弄される王子と、その主人公を演じるリウ・ハオランに注目
(C) Jetsen Huashi Media Co.,Limited

シリーズ化している架空の歴史世界“九州”を舞台に描く、スペクタクル英雄叙事詩『九州縹緲録(ひょうびょうろく)~宿命を継ぐ者~』。今作は大ヒットドラマ『海上牧雲紀〜3つの予言と王朝の謎』の700年前の時代が舞台で、主人公の阿蘇勒(アスラ)は生まれながらにして過酷な運命を背負う青年だ。

真顔部の首領の息子として育った阿蘇勒は、北陸青陽大君の世子として生まれるが災いをもたらす星の下に生まれたと言われ、出生後すぐに養子に出された。だが、その真顔部に青陽部の軍が攻め込み、阿蘇勒の養父や仲間が惨殺される。青陽部に囚われた阿蘇勒は、そこで初めて自らの出生の秘密を知るのだった。その後、阿蘇勒は真顔部の仲間を救うために、東陸の下唐国に人質に出される。そして、そこで姫野(キヤ)と羽然(ウゼン)と出会う。

姫野は貴族の子だが、婚外子ゆえに父親に冷遇され、愛を知らずに育った男。そして、羽然は羽族の王女だが国を滅ぼされ、下唐国に身を寄せていた。境遇は違えど、不遇の人生を歩んできた三人は次第に固い絆で結ばれていき、その中で姫野と羽然は惹かれあっていく。しかし、姫野が危機に陥り、その命を助けるためには阿蘇勒が羽然と政略結婚をせねばならぬ事態に。戦乱の世と、彼の宿命が三人の友情を引き裂いてゆくのだった。

第1話から人智を超えた力を発揮する阿蘇勒を演じるのは、注目度ナンバーワンのリウ・ハオラン。中国版エミー賞10冠を獲得したシリーズの続編であるドラマ『琅琊榜<弐>~風雲来る長林軍~』で、期待の新星として一躍注目を浴びた1997年生まれの若手俳優。2017年には染谷将太が主演したチェン・カイコー監督の映画『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎』や、中国版『深夜食堂』などの話題作に出演。

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その後、妻夫木聡も出演する映画『唐人街探偵』シリーズに出演し、東京を舞台にした『唐人街探偵 東京MISSION』は今夏、日本で公開。それが好評を博し、『-東京MISSION』よりも先に製作された『唐人街探偵 NEWYORK MISSION』も11月12日(金)から公開されることとなった。時代劇とはまた異なる顔が見られるので、見比べてみるのもいいかもしれない。この映画では少々頼りない学生探偵を演じているが、『九州縹緲録~宿命を継ぐ者~』では強いなまざしが印象的な王子を熱演。リウ・ハオランは2015年の『琅琊榜<弐>~風雲来る長林軍~』で初めて武術に挑戦したそうだが、今作ではさらに精度を上げたアクションを見せている。

壮大なスケールの中で描かれるこの作品は、構想に3年、撮影に9カ月かけられた。湖北などの広大な土地での撮影や1万点を超える特注衣装など、すべてにこだわり、かかった総製作費は83億円。冒頭から圧倒的なスケールでの戦闘が繰り広げられ、物語の中に吸い込まれていく。

その中で青陽大君の世子となり、心身ともに成長していく阿蘇勒。歯を食いしばり、厳しい自然の中で自らを律していく姿を見ていると、リウ・ハオランの愛らしさも手伝って、思わず応援したくなるだろう。しかし、どれほど強くなっても阿蘇勒には試練が降りかかってくる。いばらの道である宿命のなかで、彼はいったいどんな場所に辿り着くのか。最後まで見届けてほしい。

(文・及川静)

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コラム 九州縹緲録~宿命を継ぐ者~
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