
シリーズに引きつけられる二大要素の一つが“ファミリー”。ヴィン・ディーゼルが演じる主人公のドニミク・トレット(通称、ドム)。そしてドムの近くで活躍する“ファミリー”と呼ばれる人物を知ることで、シリーズをより深く楽しむことができる。
ドムの恋人で、後に妻となるレティ・オルティス(ミシェル・ロドリゲス)も運転技術だけでなく、戦闘能力も高い。途中、記憶を失い、死亡したことになったりしていたが、記憶を取り戻してからはファミリーの主力として活躍している。
ローマン・ピアース(タイリース・ギブソン)はムードメーカーだが、ビビリ体質でいじられキャラでもある。テズ・パーカー(リュダクリス)は電子機器に強い修理工で、ローマンとはいいコンビ。ラムジー(ナタリー・エマニュエル)は、“神の目”として知られる最強の追跡装置を作った天才ハッカー。
ミア・トレット(ジョーダナ・ブリュースター)はドムの妹。まさしくドムと血のつながりのあるファミリーとなる。20年にわたるシリーズなので、登場人物が多いが、ドムを含めた個性の強い“規格外”のファミリーたちは押さえておきたい。
そしてもう一つの要素は、なんと言っても“車”。初期の作品がストリートレースに焦点を当てた内容になっていたこともあり、その後のシリーズでもカーチェイスシーンは見る者を熱くする。
ドムの愛車として“ワイスピ”ファンにもおなじみのダッジ・チャージャー。彼がこの車にこだわるのは、父親の形見だから。レティが乗ってきたのは、日産シルビア、クライスラーのプリムス ロードランナー、シボレーのコルベットスティングレーなど。
ローマンは三菱エクリプススパイダー、ランボルギーニのガヤルド スーパーレジェーラなど、目立つ車が大好き。テズはメカニックなので運転シーンは多くないが、アキュラNSXやルクラLC470など、セレクトから車好きらしさを感じる。高価でレアな車から、カスタムが施されパワーアップした“規格外”のモンスターカーまで、登場する車を見るだけでも、マニアックなファンも楽しめる作品となっている。
その二大要素は、最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』でも健在。ファミリーとしては、ハン・ソウルオー(サン・カン)のカムバックという大きなトピックが。ドムと中南米に逃亡していた時に出会いファミリーとなったが、デッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)の復讐に遭い、死亡してしまう。…が、まさかの復活にファン歓喜。その存在感と安心感はファミリーにとって大きな味方となっている。
“仲間”という意味のファミリーではないが、今作にはドムの弟・ジェイコブ(ジョン・シナ)が登場。兄弟が対立している原因、父親の死の真実など、ドムに関する重要な物語が描き出される。
そして“車”。地雷源やつり橋の上を爆走したり、ついには空へと飛び出していくという、まさに規格外、予想を超える展開がアクションシーンで堪能できる。磁力を使う特殊な車にも注目だ。ファミリーの絆、予想できないカーチェイス、そしてドムの過去。“ワイスピ”シリーズの魅力が凝縮された最新作となっている。
(文・田中隆信)
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