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高IQ探偵と“ヤクザの右腕”の警察官がバディとなって活躍する異色のミステリー『同居人は名探偵~僕らの恋は迷宮入り~』

高IQ探偵と“ヤクザの右腕”の警察官がバディとなって活躍する異色のミステリー『同居人は名探偵~僕らの恋は迷宮入り~』
(C) BEIJING IQIYI SCIENCE & TECHNOLOGY CO., LTD.

革命によって長きに渡る王朝国家が終わり、1912年に共和制国家の中華民国が成立。社会構造がガラリと変わったことから始まる激動の時代であるが、一方で西洋文化が流入し、町並みやファッションも変化を遂げた。そんな中華民国期といわれる時代を舞台に、男性2人がバディを組むオシャレなミステリードラマ『同居人は名探偵~僕らの恋は迷宮入り~』の魅力に迫る。

同作の舞台は、1925年の中国・上海租界。イギリスのケンブリッジ大学に留学していた路垚(フー・イーティエン)の圧倒的な知識量と鋭い観察力からくる推理能力を見込んで、ヤクザの右腕にして警察の巡査部長である喬楚生(チャン・ユンロン)は捜査協力を依頼する。バディとなった2人に、ヤクザの父を持ち、正義感が強い新聞記者の女性・白幼寧(シアオ・イエン)も加わって、さまざまな難事件に挑む。

数話で1つの事件が解決されていくスタイルで、クスっと笑える場面も含まれてテンポよく見られるのだが、なんといっても主人公・路垚と喬楚生のキャラクターが魅力的だ。

路垚は、大学で数学と医学の学位を取得し、高いIQを持つものの、お金に目がない。警察の顧問という立場で探偵のように協力していくのも報奨金が目当てなのだが、医学はもちろん、美術品などにも精通する豊富な知識で、事件を解決に導く。演じているのは、2017年に中国で放送された『ツンデレ王子のシンデレラ』でブレークしたフー・イーティエン。頭の切れる変わり者の路垚を、コミカルかつキュートに見せている。

そんな路垚を相棒とする喬楚生は、白幼寧の父であるヤクザの親分の手下であり、親分の力で今の役職に就いた人物。親分に仁義を尽くしつつも、事件に対しては真摯(しんし)に取り組む。警察官になる前は裏社会で生きてきた“影”を感じさせるところもあり、鍛え上げられた体で武闘派な一面も見せる。『私のキライな翻訳官』(2016)などのチャン・ユンロンが、時に色気をにじませて扮(ふん)している。

変わり者の路垚に対してあきれつつも、その能力に信頼を寄せる喬楚生。面倒見が良く、頼れる喬楚生を慕う路垚。対照的である2人が協力して事件を解決するごとにリスペクトし合い、絆を深めていく。近年注目されている男性たちの熱い友情のことを意味する“ブロマンス”的要素を堪能することができる。世界的に有名なイギリスの推理小説、シャーロック・ホームズシリーズはブロマンスものともいわれており、ミステリーとブロマンスの相性は抜群だ。難事件を解決する日々の中で、助け合い、反発するときがあっても、どちらかが傷ついたらそっと寄り添う。バディを超えた関係性が出来上がっていくのは胸が熱くなる。

作中で繰り広げられる事件は、鏡張りの密室での殺人や路面バスが丸ごと行方不明になる事件などから、吸血鬼が登場する怪奇ものまで実にさまざま。トリックが明かされていく様子が面白さたっぷりだが、事件の裏には上海租界ならではの外国人やヤクザの利権争い、さらに路垚の身の上にまつわる展開もあり、最後まで引き込まれる。

中華民国期ということで、西洋建築が組み込まれた風景、豪華なインテリア、スーツやドレスといったトラディショナルなファッションも見どころで、レトロモダンでオシャレな雰囲気が漂う本作。ブロマンス系がお好きな人はもちろん、近代中国の歴史に興味がある人もお見逃しなく!

(文・神野栄子)

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