1. TOP
  2. ドラマ
  3. 中国・台湾・タイドラマ
  4. 『君、花海棠の紅にあらず』歐陽ママとお勉強ちゅう♡ #39

『君、花海棠の紅にあらず』歐陽ママとお勉強ちゅう♡ #39

『君、花海棠の紅にあらず』歐陽ママとお勉強ちゅう♡ #39
(C)2020 Huanyu Entertainment All Rights Reserved
中国語映画・ドラマの翻訳や、日本で開催されたアジアBLドラマイベントMCなどに携わり、アジアドラマをこよなく愛する歐陽ママが、注目するドラマの台詞をきりとり、読者の皆様に中国語の表現の面白さなどをお伝えする「歐陽ママとお勉強ちゅう♡」。
目次

前回のタイトルの話、ご覧いただいた方々にもいろんな自分の考える解釈を聞かせてもらうことができたわ。思ってた以上にいろんな考えがあって面白かった! こういう、言い方悪いけど「分かりづらい」、「伝わりづらい」タイトルもよくよく向き合って考えてみると言葉の面白さがあって素敵よ。だって昔の人って物語を文字だけで感じたのよ? 映像も画像もなくて、せいぜいあって挿絵でしょう? あたしらだって「想像力」負けてらんないわよね!

『君、花海棠の紅にあらず』× オープニングの言葉

先週のタイトルに引き続いて、今週も見る人聞く人によって受け止め方に幅があるであろう一言を取り上げるわ。あたしの解釈がそれで正解ということでもないし、みんなと一緒に味わうっていうスタンスは崩したくないから、「そういう考えもあるのね」というくらいに受け止めてもらえたら嬉しいわ。今週も、単語の背景にある典故を知っていると理解がぐっと深まるといういい例よ。ひょっとすると聞き流してしまうかもしれない一言にも、何か意味が込められているのね。さあさあ、はりきってお勉強!

作品紹介

君、花海棠の紅にあらず

382059

人の世は、美しい――。

時は1930年代、北平(ほくへい:現在の北京)。稀代の辣腕で台頭した豪商、程鳳台(チョン・フォンタイ)は、伝統に縛られない大胆な手法が地元の商人たちの反感を買っていた。しかし、彼の勢いを無視できない北平の商会の会長は、そんな程鳳台の機嫌をとろうと、彼を北平一の人気役者、商細蕊(シャン・シールイ)の舞台に招待する。確かな実力と妖艶な魅力を持った商細蕊に惹かれる程鳳台。芸は逸品だが、その強すぎるこだわりと荒い気性が仇となり商細蕊は、対立する地元の京劇界が仕込んだ客に難癖をつけられる。そこに居合わせた程鳳台が商細蕊を救ったことをきっかけに2人は心を通わせ、程鳳台は商細蕊の一座を全面的に支援するようになる。共に支え合い、歩み始めた程鳳台と商細蕊だったが、程鳳台の妻は役者に入れ込む夫を快く思ってはいなかった。そんな中、戦争の影が色濃くなると、自由に舞台を上演することができなくなり…。

出演:ホァン・シャオミン、イン・ジョン、タン・ジェンツー、カーメイン・シェー
監督:フイ・カイドン
脚本:シュイルーティエンアル

オープニングの印象的なセリフ

“你知道什麼是知音嗎” 訳:知音とは何ぞや

オープニングの奇麗な歌が流れて最後、印象的なセリフがあるのね。
“你(ㄋㄧˇ|nǐ)知(ㄓ|zhī)道(ㄉㄠˋ|dào)什(ㄕㄜˊ|shén)麼(˙ㄇㄜ|me)是(ㄕˋ|shì)知(ㄓ|zhī)音(ㄧㄣ|yīn)嗎(˙ㄇㄚ|ma)”、文法的にはなーんにも難しくない言葉。もう構文だと言ってもいいくらいだけど、“你知道什麼是A嗎”で「Aってなんだか知ってる?」という意味。では何が印象的なのかというと、“知音”ね。日本語でも「ちいん」と読んで意味もそのまま、「心をよく知っている友、親友」のこと。でも、「知音って何だか分かるかい?」と聞いておいて、その意味が「親友」であるほどこのドラマは簡単じゃないわよね。知音には典故があって、春秋戦国時代のこと、伯牙という琴の名手がいたのだけれど、彼には彼の音楽をよく理解してくれる鍾子期という親友がいた。やがてその鍾子期が亡くなると、伯牙は「もう私の音楽を理解してくれる者(知音)がいなくなってしまった」と言って弦を切り二度と演奏しなかったそうな。さあ、この典故が分かると「知音って何のことだか分かる?」の言葉の雰囲気が変わってくる。

“我知道,我一直在聽” 訳:友の歌声だ、今も聞こえる

そういうわけで“知音”にはただの親友でなくて「自分を分かってくれる唯一の存在」という意味が込められていることが分かったわね。商細蕊にとって程鳳台が知音なのか、はたまたその逆なのか、それも想像力を働かせて考えてみるのがいいと思う。
さて後半、“我(ㄨㄛˇ|wǒ)知道,我一(ㄧˋ|yī)直(ㄓˊ|zhí)在(ㄗㄞˋ|zài)聽(ㄊㄧㄥ|tīng)”
ここも受け答えとして詩的な響きがあるわ。まずは直訳してみると「分かっているさ。私はずっと聞いてきた」。どうして“聽”「聞く」なのか、それは“知音”に「音」の字が入っているからよ。“知音”は意義の上では「(自分を分かってくれる唯一の)親友」だけれども、文字の上では「音」だから。おっしゃれー。あたしもこんなふうにして返されたら恋に落ちちゃうねきっと。だから「聞く」は外せないんだろうけど、音でない解釈でとれば「分かっているさ。ずっと一緒にいたんだから」ともとることは可能でしょうね。二重に意味が乗せられているから、これも自由に解釈できる奥行きのある素敵なセリフね。

言葉はそこにとどまらない

「発せられた言葉はそこにとどまることはない。たとえそれが特定の誰かに向けられたものでなくても、どこかの誰かに向かって届こうとする力を持っている」というのはあたしが学生だったころに他学部の知りもしない先生の授業を気まぐれにとって、何回かしか出席しなかった講義でたまたま聞いて感動した言葉。はっと息を呑むような驚きがあったわ。こういうさ、裏にある意味っていうのに触れると毎回思い出す。20年経ったけど、あの名前も知らない先生の言葉は、たしかにあたしに届く強い力を持ってたわ。

執筆者情報

歐陽(オウヤン)ママ

早稲田大学大学院修了。論文のテーマは台湾の文化。
2012年から2013年にかけて台湾で生活、日本語の先生などしてふらふらする。
新宿二丁目では2021年10月15日に新しいお店「美麗島」をオープン!

Rakuten TVで視聴する

382059

歐陽ママ 中国ドラマ 中国語講座

関連記事

ツイート
シェア
送る
前の記事へ
次の記事へ
宝塚歌劇LIVE配信一覧

アクセスランキング

パリーグスペシャル
  • 月別アーカイブ