親同士が商売敵で不仲なのに、まるでロミオとジュリエットのように許されない恋に落ちていく2人を演じるのは、学園サスペンス『BLACKLIST』でも共演したNanonことナノン・コーラパットと、Ohmことオーム・パワット。俳優としてはNanonの方が2年ほど先輩だが、共に2000年生まれで同じ大学の別学部に通っていた2人は“リア友”。Nanonにとっては今作が初のBL作品となったが、記者会見で「相手役が親友のOhmだったから受けた」と告白し、放送前から多くのファンの注目を集める作品となった。
そのNanonが演じるのは、建築学部に所属する几帳面なパーン。そして、Ohmが演じるのは、工学部に所属する大ざっぱなパット。性格からして対照的な2人だが、幼少期から事あるごとにライバルとなり、成績でもモテ度でも常に競争してきた。祖父の代からという筋金入りの宿敵であるため、顔を合わせると条件反射的に張り合い、歪み合ってしまうが、幼なじみだけあって、互いの良いところも知っており、本心から歪み合っているわけではなかった。2人とも大学生となり寮生活をしているので、親の目を気にする必要もないのだが、今度はそれぞれが所属する大学の学部同士がライバル関係にあり、なかなか仲良くなれるきっかけを掴めずにいた。
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そんなある日、パーンとパットの友人たちが乱闘騒ぎを起こし、問題に発展してしまう。そこで、もうこれ以上ケンカしたくないパットとパーンは、互いの友人たちを校内や人気のカレー屋で遭遇させないためにタッグを組み、バディとなる。しかし、対立する友人たちの手前、長年のライバル関係に終止符を打ったことは公言できず、人前では常に歪み合う2人。例えば、みんなでケンカをすれば、アイコンタクトで蹴る場所を教え合うなど、その様子はまるでコント。仲良くなってからの“仲の悪いフリ”は、まるでトム&ジェリーのようにドタバタでかわいらしいので、ぜひチェックしてほしい。
そして、この“フリ”がいつの間にか別の意味に発展していくさまも面白い。2人だけの時はごく普通の仲良しだったのに、そこに“友達以上の感情”が加味されることで、また関係性が変化していく。互いが抱く感情は友達としての好意なのか、それとも、それ以上の好意なのか。育ってきた環境のために長らく友達になれなかった2人が、友達以上の関係になれるのか否かが、最大の見どころだ。
押しの強いパットからのアプローチを慎重なパーンがどう受け止め、どんなBuddyになっていくのか。大学でも、実家でも本当の気持ちを言えずにいるパットとパーンは、いつまで“不仲のフリ”をしていけばいいのか。2人の恋路は、最終回の第12話まで紆余曲折あるので、しっかりと見届けてほしい。
(文・及川静香)
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