口づけは本気の人とだけという、タイBL『Wandee Goodday』のワンディーとヨーヤックの恋の重要キーワード

最新タイBL『Wandee Goodday』の主人公は、有名医院で整形外科医をしているワンディー（Inn）と、大学に通いながらボクサーをしているヨーヤック（Great）の2人。最初は医者とわがままな患者として第一印象の悪かった2人だが、ワンディーにとって最悪の日に再会したことで2人の運命が大きく変わりだす。その日、ワンディーは8年間片思いをしてきた先輩に思い切って気持ちを打ち明けたのだが、「女性が好きだ。恋愛対象として君を見ていない。それにつまらなすぎる」と振られた上に、ワンディーも候補に上がっていた留学のための奨学金を自分に譲ってくれと頼んできたのだ。

「今まで自分にやさしくしてくれたのは、何だったんだ!?」と憤慨したワンディーは、勢い余って泥酔し、帰り道で偶然出会ったヨーヤックに悪絡みした挙句に道ばたで寝てしまう始末。普通なら見て見ぬ振りをしそうな場面だが、根がいいヤツであるヨーヤックはワンディーを彼のマンションまで送り届ける。そして、そこで見つめ合ってしまった2人は胸の高鳴りを抑えることができず、一夜の関係を持ってしまうのだった。

当初は一夜限りの関係だった2人だが、泥酔していたワンディーの心の傷に気付いたらしいヨーヤックはもう一度、彼の診察を受けることに。さらにワンディーがクラブで無頼漢に飲まされているところに現れて助けてくれた上に、またも家まで送り届けたことで2人の距離はぐっと近づいていく。こうして、精神的にも、肉体的にも関係を深めた2人は、一夜限りの関係から“セフレ”へと進展するのだった。

最初こそ、いちいち憎まれ口を叩き合っていた2人だが、いざ友達になってみると息ぴったりで、仲良くドラマを見たり、気づけば悩み事を打ち明け合ったり…。加えて時には体の関係にもなるが、“口づけ”だけは本当に好きな人としたいというワンディーの気持ちを尊重して、どんなにいいムードになってもキスだけは我慢していた。だが、互いがどんな人間かを知り、どんどん大切な関係になっていくに従って、キスの予感は次第に高まっていく。

ある日、ワンディーが奨学金の候補から降りないのは先輩医師に振られた腹いせだといううわさが広がったため、ワンディーがヨーヤックに期間限定でニセの恋人を演じてくれと依頼し、第3話でヨーヤックはこれを受け入れた。その際、花火を見ながらヨーヤックがワンディーの手を握るなど、どこから見ても仲睦まじいカップルなのだが、そう簡単に事は進展しなさそう。2人のターニングポイントは、“口づけ”にありそうだ。

（文・及川静）