美し過ぎる中国トップ女優・ディリラバ、アクションもロマコメもできる確かな演技力

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1992年生まれのディリラバは、中央アジアに近い中国北西部に位置する新疆ウイグル自治区出身。目鼻立ちがくっきりしていて、シャープなフェイスライン、艶やかな黒髪と、エキゾチックな美貌が際立つ。中国のSNS、微博（weibo）のフォロワー数は8113万人を超え、絶大な人気を誇る。

演劇系の名門大学である上海戯劇学院で演技を専攻し、在学中の2013年にテレビシリーズで本格的に俳優デビュー。2015年の現代劇ドラマ『ダイヤモンドの恋人』でのヒロインのライバル役で注目されたあと、2017年のファンタジーラブ史劇ドラマ『永遠の桃花～三生三世～』でブレイクした。

『永遠の桃花～三生三世～』でのディリラバの役どころは、ヤン・ミー演じるヒロインの姪・白鳳九。九尾狐族の末裔ということで狐のような動きが愛らしく、視聴者をくぎ付けに。たちまち人気キャラクターとなり、シリーズ第3弾となる『夢幻の桃花～三生三世枕上書～』（2020年）で主演に抜擢された。白鳳九はガオ・ウェイグァンが扮したクールな東華帝君を一途に愛し、今なお人気のカップルだ。

2018年は台湾の人気俳優ヴィック・チョウと共演した『如歌～百年の誓い～』も話題に。こちらではディリラバは、ヴィック演じる男性主人公に一途に思われるヒロイン役。美男美女が繰り広げる甘い恋の世界に多くの視聴者がうっとりとし、総視聴回数が82億超えという記録を達成した。

時代劇が続いた中、現代劇も。韓国ドラマのリメイク版『逆転のシンデレラ～彼女はキレイだった～』(2016年)で、見かけは美少女から残念女子に成長するも心はキレイな女性を、キュートかつはじけた演技で見せてロマコメの能力を開花させ、中国の歴史ある賞、中国電子金鷹奨の女優賞と観客賞をW受賞。その後の『ラブ・デザイナー ～恋のお仕立てはじめます～』（2020年）では婚約者に裏切られたどん底の状態から前向きにがんばるファッションデザイナー役、『プラチナの恋人たち』（2021年）は初恋の相手を思い続けるトップ女優の役で、ロマンスのドキドキと共に視聴者の共感を呼ぶキャラクターを見事に作り上げている。抜群のプロポーションで現代のファッションに身を包んだ姿も楽しみの一つだ。

数々のロマンス作品でときめかせてくれるディリラバだが、経験を積んだ演技でキャラクターの心情をより深く浮き彫りにする。日本の漫画誌「ウルトラジャンプ」でも連載されていた作品を原作にした『長歌行』（2021年）でディリラバが演じるのは、皇太子だった父の仇をとろうとする主人公・長歌。最初は男装して蹴鞠大会に紛れ込むようなおてんば娘だったのが、運命に翻弄されながらも成長していく変化、そして聡明で武術の才を備え、気高さをたたえた圧倒的存在感に目が離せなくなる。なお、偶然にも原作の主人公と同じ位置にホクロがあり、原作ファンの支持も得たという。

中国ドラマではおなじみの仙界を舞台に前後編でつづるファンタジー時代劇『馭鮫記』（2021年）では、掟を破った者を捕らえる役割を持つ御霊師の主人公・紀雲禾（きうんか）を演じる。同じく中国トップスターのアレン・レンが演じる、ある罪で捕らえられた鮫族の王子・長意（ちょうい）との禁断の愛が壮大に描かれる。紀雲禾の愛ゆえの決断は涙なくしては見られないが、その涙を誘うディリラバの心のこもった演技が見応えがある。

ゴン・ジュンと共演した『安楽伝』（2023年）では、ゴン・ジュンの役どころである皇太子の許嫁だったが、一族を殺され、女海賊となって復讐の炎を燃やすという二面性のあるキャラクターで魅せる。

ディリラバの美しさは確かに武器だ。その華やかさは一瞬で画面に集中させる魅力がある。そこに加わるのが、ロマコメではキュートで、おもしろさにも振り切ることができ、キャラクターの心の機微を丁寧に見せることで共感を呼びながら物語の世界に引き込み、さらにはアクションも華麗にこなすという総合的な演技力。トップスターというにふさわしい実力で、これからも楽しませてくれるだろう。

（文・神野栄子）

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