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ーー3本目は伊藤淳史さん主演の「セールストーク」。
「セールストーク」は「十年目のクリスマス」と近いサスペンス的な要素に加え、しっかりと人間が対峙する、ある意味で池井戸さんらしいシーンが見どころです。サラリーマン同士の対決というか、池井戸ドラマの醍醐味が味わえる作品だと思います。
ーー伊藤さんの演技はいかがでしたか。
伊藤さんは芝居の安定感がすごいですよね。視聴者として見ていても安心して作品に集中できる。今回の主演4人の中では1番年長者ですし、経験値もあるからキャラクターの背景がちゃんと見えてくる。

ーー印刷会社の社長役を演じる石黒賢さんも楽しみです。
石黒さんはスポーツマンで爽やかなイメージですが、実は幅広い役を演じていることもあり、今回の役もすごく面白がって演じていたと聞きました。最終的に見終わった後、1つのキーマンになるというか、ポイントになるキャラクターです。
ーー最後に今回のドラマのタイトルにもなっている「かばん屋の相続」です。
主演の藤原丈一郎さんはWOWOWドラマ初出演ですが、西浦(正記)監督がすごく褒めていました。以前、中井貴一さんと共演された舞台(『月とシネマ2023』)の経験も生かされてるように思います。見ていて頼もしかったです。なにわ男子としても活躍して忙しいなか、しっかりお芝居をされていましたので。
ーー普段の活動とはまた違った表情、芝居が見れそうですね。
池井戸潤ドラマで信用金庫の職員を演じる藤原さんの姿は、なにわ男子のファンの方にとっても新鮮に映るのではないでしょうか。
ーーその「かばん屋の相続」と先ほど紹介した「十年目のクリスマス」には、石丸幹二さんが謎の男役で出演しています。
石丸さんは池井戸さんからの信頼が厚い俳優の一人です。ドラマ版の『アキラとあきら』(2017年)では向井理さん演じる階堂彬の父親・一磨役で出演していただきましたが、その後に制作した映画版(2022年)でも同じ役で出演してもらっているんです。

ーー1人の俳優がドラマと映画で同じ役を演じるって、珍しいことではないですか?
そうですね。同じ作品でも基本的に作り手が変わると、同じ配役にすることはほとんどありません。
でも、自分がプロデュースしているからそれもありかなと思って(笑)。池井戸さんと配役について話していたときも、ぴったりだとおっしゃっていたので出演していただきました。
ーー改めて今回のスペシャルドラマのキービジュアルを見ると、主演の4人を囲むように上川さん、黒木さん、石黒さん、石丸さんの4人のベテランが配置されています。
これがある意味、このドラマを象徴していると言って良いかもしれません。若い4人をベテランがしっかりサポートすることで、池井戸ドラマのファンである視聴者のみなさんも安心して見れるのではないでしょうか。
ーー短編集ではありながら、まさに熟練の作り手によって制作された1本の池井戸ドラマと言えるのではないでしょうか。
1本1本にそれぞれ見ごたえがあります。今回、監督を担当した西浦さんとは『華麗なる一族』(2021年)、『フィクサー』(2023年)でもご一緒したのですが、その演出力をいかんなく発揮してもらいました。WOWOWドラマのファンの視聴者のみなさんも、しっかり満足してもらえるスペシャルドラマに仕上がったと思います。
連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」(WOWOW)