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物語の強さと楽曲の強さの“相乗効果”…作品を彩るテーマ曲の重要性

物語の強さと楽曲の強さの“相乗効果”…作品を彩るテーマ曲の重要性
(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工重力祭運営局

作品の魅力と楽曲の威力。引き込まれずにはいられないストーリーと現在・未来をつなげる刺激的なヒストリー。感情移入間違いなしのキャラクターと積み重なっていくファクター。“ああ、その気持ち分かる”的な明快な世界と予想もつかない展開など、つい韻を踏みたくなる組み合わせが揃うのが“シドニアの騎士”シリーズである。2021年6月には約6年ぶりの劇場版『シドニアの騎士 あいつむぐほし』が公開された。

原作は、2009年から2015年にかけて月刊アフタヌーンに連載された弐瓶勉のマンガ作品。太陽系は対話不能の異生物“奇居子”(ガウナ)によって破壊されてしまい、それでも生き残ったほんのわずかな人類が、どうにか安住の地を求めようと、播種船(巨大恒星間宇宙船)“シドニア”に乗って1000年ものあいだ宇宙を旅しているという、すさまじくスケールの大きな話である。アニメ版は第1期が2014年、第2期(『シドニアの騎士 第九惑星戦役』)が2015年に放送され、同年には映画化も実現(『劇場版 シドニアの騎士』)。そのシリーズ完結編 劇場版『シドニアの騎士 あいつむぐほし』は、約6年ぶりの上映となった。

『シドニアの騎士』シリーズは音楽面でも話題を集めてきた。第1期ではオープニングをangela、エンディングを喜多村英梨が、第2期では1期に引き続きオープニングをangela、エンディングをカスタマイZ(2016年解散)がそれぞれ担当。今回の『シドニアの騎士 あいつむぐほし』では、中田ヤスタカとこしじまとしこのユニット・CAPSULEが6年ぶりの新曲となる主題歌『ひかりのディスコ』と挿入歌『「うつせみ」映画ver.』の双方で内容を彩る。『シドニア』シリーズの主要なスタッフが再集結した『あいつむぐほし』の制作と歩調を合わせるように、CAPSULEもまた動き始めたのだ。

歌とセリフが直結するミュージカルはさておき、アニメでもドラマでもドキュメンタリーでも、優れた作品は映像自体でストーリーを語り切っているもの。そこにボーカルの入っている楽曲をどう織り込んでいくのか。歌詞でも原作のストーリーを綴ってしまえば物語の厚塗りになる可能性があり、かといってあまりにもかけ離れた楽曲を持ってきては溶け合わなくなる。語りすぎてはいけないが、語らなければ意味がない。それが主題歌の宿命といえるだろうか。

それにしても、主題歌と作品がしっかり“相乗効果”をあげたときの強さは格別だ。社会現象級のヒットになった『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の『炎』(LiSA)、さらに時間を巻き戻すと『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の『魂のルフラン』(高橋洋子)、ドラマでいえば『逃げるは恥だが役に立つ』の『恋』(星野源)など、楽曲をほんの少し聴いただけで作品の情景が浮かんでくる人も多いに違いない。物語の強さと楽曲の強さが結びつき、大衆の心を捉えたとき、その作品と音楽はエヴァーグリーンとなる。

本当はもちろん平和がいい。誰とも戦わないのがベストだ。シドニアの船員はそれぞれの日常を懸命に生きて、愛や友情を築いている。個人的には、“融合個体 つむぎ”や見た目が熊という謎のキャラクター“ヒ山ララァ”などがごく自然に人間たちと心を通じ合わせているところがいつも嬉しく、真のグローバルを見る思いがする。だが、小林艦長は、幸せな日々はそう長くは続かないと直感していた。侵略から逃れて10年が経ったといっても、やっぱり“奇居子”がいる限り、永遠の平穏を求めることは難しい。人類の存亡をかけて、最終決戦を決断する彼女の心によぎったものとは。「『うつせみ』映画ver.」は、劇中では小林艦長の歌唱ナンバーとして響き渡る。

(文・原田和典)

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コラム シドニアの騎士
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