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――タイトルからして衝撃的な作品ですが、脚本や原作を読んだ印象や感想を聞かせてください。
本当にタイトルが衝撃だったので「どんな話なんだろう?怖いのかな?」ってホラーの印象があったのですが、原作を読ませていただいたら、どちらかというと“怖い”という要素よりも人間の関係性とか“生い立ち”とか自分の置かれている環境、それと社会問題的な要素もたくさん含まれていて。どうしてもタイトルの衝撃が強いと思うのですが、夫が悪いわけでもなく、妻が悪いでもなく、いろんなものがねじれていったという“ミステリー”的な作品なのだなと思いました。
――謎な部分が多くて、話が展開するにつれて登場人物の印象が変わっていったりするので、まさにミステリー作品という感じですよね。
1話30分で全6話という短い尺ではありますが、敢えてそこを生かして、毎話毎話、観終わった後に登場人物の印象が変わっていくというところがすごく面白いなというのを感じました。
――山下さんから見た“茉菜”はどういう人物ですか?
正直、茉菜という役はご覧いただく方によって捉え方が全然異なる役柄だと思います。“かわいそう”と言われれば、かわいそうな女の子でもあるし、でもすごく強そうというか“生命力”があるようにも感じます。自分が演じている中で、監督にご指導いただいたのは「あまり感情を言葉に出さないでほしい」「映像を通して、喜怒哀楽をなるべく分からないようにしてほしい」ということでした。演じる側からすると「すごく怒っているシーンなのに、こんなに淡々としゃべっていて平気なのかな?」という不安もあったのですが、茉菜の幼少期から誰にも助けを求められなかったという背景を考えると、そういうふうに演じるほうがいいのだなと思いました。
――感情表現がうまくできなかったり。
そうです。幼少期の母親との関係性とかの影響で、感情をあまり表に出さないというか、抑えてしまうようになってしまっていたのだと思うんです。感情表現うまくできない子なので、初めて親友と言える女の子の友達ができたり、好きな人に対しても本当のことを言えない、全員に対して本音で話せない感じなので、いろんなことを感じてはいるけど、感覚がもう鈍ってしまっているんじゃないかって。
――確かに、演じる時の感情表現の加減が難しそうですね。
不幸であること、救われないということが“普通”の世界線で生きているっていうのは、今までに演じたことがなかったですし、たぶん私自身の周りにもそういう人はいないと思うので、想像しながら演じました。
連続ドラマW-30 「殺した夫が帰ってきました」(WOWOW)
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