ある雨の日、第一志望に落ちてしまったイエ・グアンは自分に絶望しながら、夜道を歩いていた。行き交う車も目に入らず、勢いに任せて歩いていたグアンの視界に現れたのは、雨に濡れながら泣き崩れているシュー・チージャンの姿。自分以上に辛そうな少年を見たグアンは、無言で彼に傘を渡した。この時、2人は何も言葉を交わさなかったが、互いに慰め合っていた。グアンは自分より悲しみに暮れている人間がいることに、そしてチージャンはそっと傘を差し出してくれたことに。その後、2人は高校で再会するが、成績優秀でイケメンのグアンは学校の人気者、チージャンは目立たないメガネキャラで接点はほぼナシ。だが、またもグアンが孤独に苦しんでいると、チージャンが彼の目の前に現れるのだった。
実はグアンとチージャンには、学校で見せるのとは別の顔があった。グアンは有名講師をしている父親からの重いプレッシャーに苦しみ、一方のチージャンはバンドのボーカルとして、年上の仲間たちと音楽活動を楽しんでいた。キラキラしているように見えるグアンは孤独を抱え、過去の辛さを受け入れたチージャンは精神的に充実した日々を送っていたのだ。偶然再会して以来、表層だけでは見えない何かを感じ取った2人は、互いに引かれ合っていく。
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一方、グアンの友達のRay(レイ)も新たな出会いをする。恋愛対象が同性で、女性の姿も美しいRayが恋をしていたのは、だらしないダメ男。ある日、その男にひどいことを言われたRayをチージャンのバンドメンバーのアージエン(阿健)が助けたことをきっかけに仲良くなる。こうして２組はそれぞれに関係を深めていくが、気持ちのすれ違いや家族との摩擦もあり、もどかしい時間が過ぎていく。
チージャンとグアン、Rayを演じるのは、2003年生まれの現在19歳で、今作が俳優デビュー作となる３人。チージャン役のジュン・シェン(沈駿)は、2020年にメジャーデビューした歌手でもあり、OP曲「Take It Away」とED曲の「Slow Motion」は実際に彼が歌っている。Z世代のクリエイターである77_KeZZが手がけた２曲は、イマドキのエモーショナルな楽曲に仕上がっているのでじっくり聞いてほしい。そして、劇中でピアノ演奏を披露しているグアン役のハオ・リー(李振浩)は、芸術＆スポーツ系の大学に通う学生。歌も上手く、第６話のラストではチージャンとグアンが2人で歌うシーンが少しだけ登場するが、ジュン・シェンのYouTube公式サイトでは台湾のヒット曲「做你的太陽」を2人でデュエット。こちらではたっぷり一曲分歌っている。
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そして、Rayを演じるティム・スー(徐碩廷)は185cmと高身長で、劇中でも披露している通り、美脚の持ち主。モデル活動もしているが、メークも似合う美形のため、ファッションモデルとしての需要も高そうだ。そのRayのパートナーとなるアージエンを演じるアンディ・ホアン(黃信赫)は、ほかの３人に比べると少しお兄さん。1996年生まれの26歳で、やはり今作でデビューしたが、出演映画『GAGA(哈勇家）」が11月に台湾にて公開予定で、俳優として３人よりも一足お先に本格始動している。
それぞれに異なる持ち味を持ちつつ、線が細く、可愛いタイプのイケメンである４人。第７話では付き合い始めたRayとアージエンが、それぞれの友達のチージャンとグアンに相手を紹介するシーンで４人が初めて集う。するとチージャンとグアンはまだカップルではないのに、なぜかRayとアージエンに張り合う…というかわいいシーンも登場。それぞれに思いを伝え合ってからラストに向かっては、胸キュンシーンのオンパレードで、どのシーンも画が美しい上にキュートなので、ぜひ癒されてほしい。
（文・及川静）
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