エンタメ大国・韓国が制作する傑作BLのおすすめ作品を年代ごとに紹介！

エンタメ大国の韓国らしく、人気のタイBLが持つポップさや台湾BLの繊細さなど各国の良さを踏襲した作品が、わずか2年の間に大量生産されている。韓国国内での注目度も高く、2022年７月に開催された「富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭」ではBL枠が組まれた。プラットフォームがWebドラマだったためか、最初は１話15程度と短かったが、人気が高まるのに比例して、最近では30分程度まで時間が拡大している。しかし、当初から脚本や主題歌などのクオリティが高く、キャスティングにもこだわっており、レベルの高い作品がそろっている。また、お国柄かキスシーン以上の過激なシーンを描いているものはほぼないので、BL初心者も安心して見られるものばかりだ。

韓国初のBLドラマは、2020年に配信された『君の視線が止まる先に』。繊細なストーリーと淡い色味が特徴的で、保護対象とボディガードのカップリングをBLに持ち込んだ先駆け的作品だ。財閥２世のテジュ(ハン・ギチャン)は女たらしのひどいヤツだが、ボディーガードのグク(チャン・ウィス)をバカにするやつは決して許さず、二人は固い絆で結ばれていた。ところがある日、グクを気に入る女子が現れたことで状況が一転。テジュは自分だけに向けられていた意識が他に向かうことにヤキモキする。そこから徐々に二人の関係性に変化が生じていくわけだが、空手の技を掛け合いながらの会話など、わずか10分程度の間に釣られてしまう萌えポイントが複数あり、全８話を一気見したくなる良作だ。

その翌年の2021年に配信された『To My Star』もしっとりとした穏やかな作品だが、多くの謎が秘められており、自ずとストーリーにも引き込まれる一作。メインのカップルは人気トップ俳優のカン・ソジュン(ソン・ウヒョン)と、シェフのハン・ジウ(キム・ガンミン)。暴力記事が世に出たために身を隠すことになったソジュンは、事務所社長が所有する家に住むジウと束の間の同居をすることになる。最初の出会いこそ最悪だった二人だが時間を重ねるうちに打ち解けていき、仲が深まると同時にソジュンの暴力事件の真相やジウの背景が明らかに。恋愛模様と謎解きがほどよく溶け合っているので、続きが気になること請け合いだ。

また、韓国ドラマではどんなキスシーンが描かれるかも大きな話題となるが、『To My Star』のキスシーンも鳥肌ものだ。酔ったソジュンが「キスしても(いい)？」と聞いたかと思うと、数字をカウントしながらジウに迫るのだが、カウント中は不思議と画面に引き込まれてしまうのだ。実に印象的なシーンなので、ぜひチェックしてほしい。今作はすぐに続編『To My Star2：僕たちの言えなかった話』が制作されており、人気の高さがうかがえる。

2021年の時代劇BL『リュソンビの婚礼式』は、キャスティングから注目の一作だ。『Mr.ハート』のイ・セジンが妹の代わりに嫁に行く妻(キワン)を演じる斬新なストーリーで、『Wish you～僕の心の中、君のメロディー』のカン・インスが結婚相手のホソンを、そして『君の視線が止まる先に』のチャン・ウィスが部下のキワンに恋をする上司役で出演している。妹のふりをしてお化粧をしているイ・セジンがとてもかわいらしく、カン・インス演じるホソンでなくとも、照れてしまうはずなので、ぜひ確認してほしい。

そして、2022年も人気作が多々登場。韓国BLは日本でも１ジャンルとして確立し、前世の記憶が蘇る『初恋だけ3度目』や、“クリームパンキス”が衝撃的な身長差カップルの『冬すぎて桜』、同居から恋が始まる『5番地シェアハウス』や『プンドク荘304号室の事情』など、作品世界はどんどん広がっている。ぜひお気に入りのカップルを見つけ、相手を思いやる優しいストーリーや美しいキスシーンに癒やされて。