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「Love By Chance」シリーズや『Until We Meet Again〜運命の赤い糸〜』などの人気タイBLを世に送り出しているStudio Wabi Sabiの最新作『Absolute Zero-絶対零度-』が、日タイ同時配信されている。
今作は赤い糸と輪廻転生がテーマだった『Until We Meet Again〜運命の赤い糸〜』や『Between Us〜縒り合わせる運命』のNewことシワット・サワットマニークン監督が手掛ける全12話のドラマで、仲睦まじいカップルが事故に遭ったことをきっかけに不思議な出来事に巻き込まれていくというファンタジー・ラブストーリー。切ない恋愛模様だけでなく、話数を進めるごとに振り返って見たくなるギミックもユニークな一作だ。
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主人公カップルは、映画館で出会った高校生のオンサー(TorことSupakorn Wuttinansurasit)とスアンスーン(MixことWanut Sangtianprapai)の2人。8年前に両親を亡くしたスアンスーンは公団のような小さなアパートで一人暮らしをし、人を寄せ付けずに1人でレンタルDVD店に通い、静かな日々を過ごしていた。一方、オンサーは腐れ縁の同級生3人とじゃれ合っている、ごくごく普通の高校生で、叔母が経営しているカフェに入り浸っている。そんな2人が映画館で隣同士の席になったことをきっかけに知り合い、映画を通して心を通わし、いつ日か、運命の相手となる。その日から10年――、2人は大人になっても変わらずに愛し合っていた。
しかし、10周年の記念日に突如、2人に不幸が訪れる。オンサー(ToeyことPuwanat Ruengves)が帰宅途中に事故に遭い、意識不明となってしまうのだ。スアンスーン(TengことKanist Piyapaphakornkoon)は付きっきりで看病するが、オンサーは一向に目を覚ます気配がない。彼の両親に一度帰宅するように促されたスアンスーンは帰路に付くが、その道すがら、時空の迷路に迷い込んでしまう。何とタクシーが着いたのは、10年前の街だったのだ。そこで自分と出会う前の高校生のオンサーと再会したスアンスーンは、確かなことが何も分からないまま、オンサーの叔母のカフェで暮らすことになる。
そうして、過去にタイムスリップしたスアンスーンは、カフェを手伝いながらオンサーと仲良くなり、ここでも両思いになる。もともとベストカップルだったのだから仲良くなるのは必然と言えるが、2人は高校生同士でも、社会人同士でも、そして高校生と社会人でも結ばれる運命らしい。しかし、スアンスーンは自分たちが出会わなければ、10年後のオンサーを救うことができるのではないかと思い始め、次第にオンサーを避けるように。一方のオンサーもスアンスーンが何らかの事情を抱えているらしいことを悟りながらも知りたいという気持ちが募っていく。そして、オンサーがスアンスーンの免許証で自分と同い年であることを知ったことをきっかけに、スアンスーンは事実を伝えるのだった。
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そうして互いに秘密を共有した第5、6話辺りから、この作品特有のギミックが動き出す。高校時代にオンサーがスアンスーンを連れて行った川沿いのレストランや、野外映画会でスアンスーンがオンサーからもらったブレスレットなどは、実は大人のスアンスーンが高校生のオンサーを連れて行ったり、あげたりした物であることが判明し、どちらが先なのか、分からなくなる。ドラマのオープニングで時計が2つに割れて縦にズレ、8の字のようになるが、その形の如く、無限ループ状態になるのだ。さらに第6話で大人のスアンスーンが「出会ってはいけない」と警告した大人のスアンスーンが、10年後の2018年に戻るのだが、残されたオンサーは愛しい気持ちを抑えきれず、高校生のスアンスーンに出会うべく、映画館へと向かう。そして、まるで初めてのように隣に座り、話しかけるのだ。第1話のシーンと全く同じように…。
思わず前に戻って、状況を確認したくなる面白さがあり、見事な構成にため息が出るが、忘れてはならない。まだ第6話で、折り返し地点に過ぎないのだ。果たして、後半はどんな展開が待ち受けているのか。そして、時空を超えて出会い、過去と未来をつなげてしまった高校生のオンサーと大人のスアンスーンを待ち受けるのは、どんな運命なのか。後半もNew監督の手腕に酔いしれたい。
(文・及川静)
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