台湾発の『VIP Only』は、恋ができず小説を書けなくなったBL作家の劉歴が家の階下の創作料理店のオーナーシェフ・古勁を小説のモデルにすることでスランプから脱しようとするBLドラマだ。
劉歴は昔の恋を題材にした1作目と2作目がヒットした人気作家だが、失恋後、書けなくなり、1年以上もの間、悩んでいた。そのため、家の階下の牛肉麺と創作料理の店「古宅(グージャイ)」に入り浸り、日々もんもんとする始末。そんな劉歴を見かねた友人の頼岱義(ライ・ダイイー/ホアン・ホンシュエン)が、古宅に恋人候補を連れてきたことからオーナー・古勁と劉歴の物語が動き出していく。
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もともと広告界のカリスマ的存在で企画力や分析力に長けた古勁の提案で、劉歴が彼から恋の手ほどきを受けることになり、第4・5話辺りから関係が親密になっていくのだが、それ以前から古勁は劉歴に甘く、店のアルバイトも首をひねるほど親切だった。店で酔っぱらってくだを巻いても嫌な顔一つせずにスープを作ったり、部屋まで送って介抱した上におじやを作ったり…。第4話で、誕生日の劉歴を水族館デートに連れて出して模擬恋愛させてくれと頼岱義から頼まれた際も、シートベルトを付けるそぶりをして接近するなど、リクエスト以上のドキドキを劉歴に与えた。
その後、劉歴から3作目の主人公のモデルになり、恋の手ほどきもしてほしいと言われてからは古勁の甘さが一段とアップ。「男性が歯を見せて笑うのは、好きな人と一緒にいる証拠」「相手に触れるのは、好意の印」など心理面のレクチャーから、「恋愛の最初の一歩は何か?」や「最初のデートはどこへ?」「2人でおうちご飯を食べるときはデリバリーよりもギョーザを食べるべし!」など実践的なことまで、丁寧に教えてくれるのだ。しかも、全て体験付きで。おまけに飲み会の罰ゲームのお酒を代わりに飲んでくれるなど、ナイトのように守ってもくれ、見ているこっちの古勁への信頼度も高まるばかり。
おかげで片思いの経験しかなかった劉歴は、運動以外で心臓が激しく鼓動することを初めて知ることになるのだが、コーチ役の古勁の方も劉歴の純真さやキュートさにやられている模様で、自宅に戻ると自分が撮った劉歴の写真を無言で見つめる始末。模擬恋愛のはずが、互いにどんどん深みにハマっていく。
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しかし、すんなりと結ばれないのがBLドラマの醍醐味(だいごみ)。ここからの波乱の展開も楽しみにしたい。また、毎話終盤に表示される「暮らしには味わいが必要」「おなかが満ちれば、心も満たされる」「淡白な味わいは聞くと共に長く続く」「運命の人はいつもスイート」など、“食×BLドラマ”らしい恋の格言も面白い。2人の間に恋のライバルや障害が立ちはだかる時には、果たして、どんな言葉が記されるのか。2人の関係とともにこちらも注目だ。
さらにもう一つ、ぜひチェックしてほしいポイントがある。主人公の劉歴と古勁を演じる2人は、実は恋をリードする古勁役のホアン・チョンバン(黄丞邦)の方が2歳年下なのだ(1997年4月生まれ)。そのため、髪を短くしてヒゲを生やし、年上感を演出した模様。一方、劉歴を演じた1995年4月生まれのチェン・シュエンユー(陳玹宇)は、もともと童顔だが前髪を作りまゆげを隠すことで幼さとピュアさも作り出している。特にホアン・チョンバンは普段とだいぶ顔が違うので、漢字で検索して2人の素顔も見てみて!
※黄丞邦の「黄」は旧字体が正式表記
(文・及川静)
https://news.tv.rakuten.co.jp/2024/04/bl-list.html BL関連記事一覧
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