中国トップ俳優ゴン・ジュンとは？時代劇も現代的でも放つ魅力に迫る

1992年11月29日生まれのゴン・ジュンは、身長が186cmのスラリとした長身の持ち主。古装(時代劇の衣装)はもちろん、スーツや白衣など現代劇のファッションもバッチリと決まる。その恵まれたスタイルも大きな魅力のひとつで、画面に現れるだけで視線がくぎ付けになる。

2016年に俳優デビューし、翌年に配信された時代劇ドラマ『酔麗花～エターナル・ラブ～』で注目を集めた。一人の巫女が、皇位継承争いの渦中にいる皇子たちの運命を変えていく物語で、ゴン・ジュンは主人公である巫女の恋の相手となる第4皇子を慕う、第11皇子の役に挑んだ。禁じられた愛と皇位継承の行方というハラハラドキドキな展開の中で、ゴン・ジュンの柔和な表情が活きた明るく心優しいキャラクターで癒しの存在にもなった。その人気から、後に制作された番外編では主人公に抜てきされたという。

盛勢 Advance Bravely

続いて出演したのが、『盛勢 Advance Bravely』(2017年)。ゴン・ジュンは、キックボクシングのチャンピオンになるほどの強さを誇る御曹司を演じた。ある事情から出会ったSP養成学校の校長を務める男性とムズキュンな展開が描かれる。中国ではBL作品に対する規制が厳しいため、男同士の熱い絆に寄ったブロマンスジャンルとなるのだろうが、のちにゴン・ジュンの出世作となるブロマンス作品の前にぜひ見ておきたい一作。まだ演技に初々しさが残りつつも、自分の気持ちに戸惑う役柄を丁寧に、かわいく演じている。

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絶世令嬢～お嬢様はイケメンがお好き!?～

ラブコメ＆タイムスリップ時代劇『絶世令嬢～お嬢様はイケメンがお好き!?～』（2019年）のあと、オレ様系の天才ワイン評論家を演じた『ユア♡フレーバー ～契約キスではじまる恋!?～』（2019年）、さらにイケメンで温厚、家族思いで家事もそつなくこなすパーフェクトな外科医役の『華麗なる契約結婚』（2020年）など、現代ロマンス作品でもファンを魅了していった。“天才”や“完璧”といったスパダリ（スーパーダーリン）的な雰囲気を漂わせつつ、恋には不器用だったり、心に何かを抱えたりと、感情の動きを見せるのがうまい。その感情の揺れにキュンとさせられ、視聴者を物語に引き込む力を秘めている。

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山河令

主演やヒロインの相手役として演技力を磨いてきたゴン・ジュンは、時代劇『山河令』（2020年）で大ブレークを果たす。物語は、一夜にして無敵になれるといわれる武庫の鍵「瑠璃甲」をめぐり、2人の男が壮大な争いに巻き込まれていくというもの。世界的にブームとなったブロマンス作品の代表格であり、日本でも「#山河令登山中」というハッシュタグとともに、視聴の感想をSNSに投稿する動きが話題を呼んだ。

チャン・ジャーハンが演じる余命三年の元暗殺組織の首領・周子舒（じょう・ずーしゅー）につきまとう謎の男・温客行（ウェン・コーシン）を演じたのがゴン・ジュン。穏やかな笑みを浮かべ、物腰柔らかで気品がある人物だが、出会った瞬間からなぜか周子舒に強い興味を持ち、行く先々についていくミステリアスなキャラクターだ。人懐っこいようでいて、どこかその裏に何かを隠していそうな感じ。その“裏”をにおわせる表現において、ゴン・ジュンの“目の演技”が光る。

知己（※深い絆で結ばれたかけがえのない友）となっていく周子舒との運命の一瞬一瞬を、そのまなざしで浮かび上がらせる。また、温客行は“蕭（しょう）”という笛の一種である楽器をたびたび吹くのだが、音を奏でるために穴をふさぐ指先、そして吹いている立ち姿の麗しさに思わずゾクッとしてしまう。こうした、にじみ出る美しさも大きな魅力だ。本作でゴン・ジュンは、俳優としての演技力や見た目の潜在能力を見事に開花させたといえるだろう。

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安楽伝

ブレーク後、引く手あまたで、『山河令』のゲイリー・シン監督と再びタッグを組み、トップ女優ディリラバと共演した『安楽伝』（2023年）などもぜひ堪能してほしい。胸をときめかせる笑顔や喜怒哀楽を的確に表すまなざしで、演じるキャラクターを引き立てるゴン・ジュンの今後の活躍にも期待が高まる。

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（文・神野栄子）

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