中国ドラマ『逆愛～Revenged Love～』の復讐なのになぜか和めるドキドキ作戦

『逆愛～Revenged Love～』は、呉其穹（ウー・チーチォン）が3年付き合った彼女の岳悦（ユエ・ユエ）に貧乏でダサいことを理由に振られるところから始まる。そこで開運を願って名前を呉所畏（ウー・スオウェイ）に変えた其穹は、痩せてかっこよくなり、起業して金持ちになってやると一念発起する。しかし、なぜかいつも金持ちの御曹司・池騁（チー・チョン）に邪魔されてしまう。しかもその池騁は岳悦の今カレであることが判明し、呉所畏は2人に復讐するため、イケメン医師の姜小師（ジアン・シャオシュワイ）に指南してもらうことにする。

まず、池騁を徹底的に調査した呉所畏と姜小師は、彼がかつて男性と付き合っていたことを知る。そこで呉所畏が池騁をその気にさせて捨てる作戦を立てるのだが、その1つ1つがかわいすぎるのだ。まず、池騁が週に一度バスケをしに行っていると聞けば、そこに呉所畏も出向いて、一緒にバスケをプレー。1 on 1で仲良く近距離でプレーしたかと思えば、数日顔を出さずに相手の気を引く作戦だ。

呉所畏は意地っ張りで強がりだが、実はガラスのハートの持ち主の子犬系男子。感情が顔に出やすく、嘘がつけないタイプだ。一方の池騁はまともに仕事もせず、愛するヘビと共に自堕落に暮らしているが、洞察力が高く、一筋縄ではいかないタイプ。呉所畏はその池騁を騙そうとするのだから、展開にも意外性が詰まっている。呉所畏は新規ビジネスで池騁を利用しようとするのだが、池騁はそれを承知の上で協力し、彼を儲けさせる。池騁の狙いや本心は掴めないが、知れば知るほどいいやつであることが判明していく。

おかげで女性としか付き合ったことのなかった呉所畏は、当初は手を繋ぐだけでも躊躇していたが、徐々に池騁に対して胸の高鳴りを感じ始める。そして第4話では、額にできた傷に痛み止めを塗った後にフーフーと息をかけられ、手の力が抜けてしまう。その光景は呉所畏の胸に深く刻まれ、その後も彼の心を揺さぶっていく。池騁は気に食わないやつには容赦しない怖い男であるが、好きになると一途でとことん尽くすタイプなのだ。

おまけに好きになるとグイグイ行くタイプらしく、呉所畏を訪ねてはキスを迫る。だが、恋人のいる状態でこれ以上の関係を築くのは嫌だという呉所畏の気持ちを尊重して、キス以上は我慢するのだ。第6話で呉所畏が池騁宅に泊まった際も、散々思わせぶりな態度を取った呉所畏にバチを与えるように少々手荒なマネもしたが、最終的には手を出さず、寝顔を見つめて微笑むだけ。池騁は呉所畏の気持ちを重視してくれたのだ。これはもう愛としか言いようがないだろう。

気付けば、復讐劇がほっこりドキドキラブラブ作戦に様変わり。池騁は呉所畏にとって、ヘビの養殖の良きアドバイザー的存在にもなり、2人の絆は深まっていく。ところが早く息子を結婚させたい池騁の両親が息子の大切なヘビを結んで隠し、その命と引き換えに池騁に結婚を迫るのだった。しかも金持ちと結婚したい岳悦もうまく池騁の母親に取り入り、結婚を確実なものにしようとする。

果たして、池騁と呉所畏の恋路はどうなってしまうのか。池騁を演じるティエン・シューニンと呉所畏役のズー・ユーの相性はどんどん良くなり、回を増すごとにラブシーンの美しさもマシマシ。さらに全24話もあるということで、思わぬ展開も見せてくれそうだ。じれったさとトキメキと作戦が入り混じる“リベンジ愛”の結末が楽しみだ。

（文・及川静）

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