恋愛禁止ルールが盛り上げる、タイBL『Deep Night -今夜は僕らだけ-』の恋愛事情

主人公のケムティット（Shogun）の母親が経営する「ディープナイト」は、接客だけでなく、エアリアルシルクなどのアクロバティックなショーも人気のホストクラブ。ケムティットはホストクラブには全く興味がなかったが、母親から稼業を継いでほしいと言われて見学に行った際、No.1ホスト・ウェラー（First）の華麗な舞と麗しさに魅了される。そのNo.1ホストが、大学の宿敵とも言える同級生とうり二つだったことから彼の日常は大きく変化していく。

No.1ホストのウェラーは同じ大学の地味なウェラーと同一人物なのか、ケムティットは思いを巡らせる。と同時に、もう一つの人間関係が彼を悩ませる。ケムティットの両親が離婚し、彼は母親を選んだのだが、父親が名家の人間のため、叔母がホストクラブを経営する母親と暮らすことをよく思わず、ホストクラブまで押しかけて、彼を取り戻そうとするのだ。この叔母には最後まで苦しめられるが、ケムティットはそれどころではないようだ。

ウェラーが気になるケムティットは経営者の息子であることを隠して、「ディープナイト」でバイトを始めることにする。店と大学のウェラーが同一人物であることはすぐに判明するが、なぜ真面目で優等生の彼がホストクラブで働いているのか気になったケムティットはことあるごとに彼に接近。いいムードになるも店には厳格なルールがあった。それが“店内恋愛禁止”だ。ケムティットはそれを知って肩を落とすも、このルールが2人だけでなく、従業員たちの恋模様を盛り上げていく。

ケムティットとウェラー以外のメンバーも実は気になる相手がいたのだ。キャストのケン（サヤーム・ピパットジャルーンウォン）は長い間、No.2のセイジ（ティーラパット・アンカニット）に思いを寄せていたが、新しく入ったホールのジャパン（プーリチョン・クムシリ）と仲良くなってしまい焦りを見せる。また、キャストのグレート（タナナット・ルートルンウィチアン）もDJジェームス（デーンアルン・ラームナロン）に思いを寄せている様子だが、ルールに則って、みんな表に出さないようにしていたのだ

だが、禁止されると募るのが恋心というもの。ウェラーは大学でケムティットと会ってもそっけないが、ケムティットは大学の課題をエサに店でウェラーに話し掛け、距離を縮めていく。その後、ケムティットはウェラーの実家に出入りするようになり、2人の仲は深まっていくが、これにキャストたちが気付かないわけがない。恋に飢えたケンがすぐに察知し、店内に恋愛ムードが伝染。あちこちで恋の駆け引きや恋の予感が高まっていく…。

ところが恋が成就してもいいことばかりではない。ウェラーがお客といちゃつく様子に悶々とするのは序の口で、付き合いが深くなればなるほど、嫉妬心を抑えきれずにウェラーと言い合いになる一幕も。だからこそ店内恋愛禁止なのだろうが、果たしてケムティットとウェラー、そしてキャストたちの恋の行方はどうなるのか。中には驚きの結果も待ち受けているのでお楽しみに。

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（文・及川静）