物語はバンコクのカジノで賭け事に興じていたティアンが倒れ、心臓移植によって一命を取り留めたところから始まる。その後、ティアンは見知らぬ女性と男性の夢を見るようになったことから心臓の提供者に興味を持ち始め、その相手がトーファンという女性で、パーパンダーオ村でボランティア教師をしていたことを知る。そして、トーファンの実家を訪れた際に彼女の日記を入手したティアンは、彼女の願いを叶えるために同じ村に教師として行くことを決意する。一方、トーファンの死を知ったプーパーは、彼女を轢いた人間がお金で解決したと聞き、その見知らぬ相手への怒りを募らせていた。
パーパンダーオ村はチェンマイから車でさらに北部に向かった山岳地帯にあり、バンコクとは全くの別世界。大抵の先生はすぐに音を上げて帰ってしまうが、トーファンは長く赴任し、子どもたちにも村人たちにも、そしてプーパーら森林警備隊のメンバーにも愛されていた。トーファンの死を知らない村人たちは、彼女の代わりにやってきたティアンをよく思わず、村長以外はなかなか受け入れてくれない。それはトーファンの思い人だったプーパーも同じで、世話係として面倒を見てくれるが、歓迎されていないことは一目瞭然だった。
ここからティアンの奮闘が始まる。まずは教師として認めてもらうために子どもたちの家を一軒ずつ周って家族も含めて親交を深め、授業の内容も工夫し、一歩ずつ仲良くなっていく。そして、プーパーとの仲も深めていくが、それは心臓を提供してくれたトーファンの気持ちなのか、自分自身の気持ちなのか、彼自身も判別できずにいた。
村の人々と仲良くなるにつれ、今度はトーファンが本当は死んでいること、そして、その心臓を自分が受け取ったことを言い出せないことにティアンは苦しんでいく。もちろん、プーパーにも本当のことを言えずにいるが、無理がたたって倒れた際に胸の傷を見られ、少しずつ気付かれていくのだった。仲良くなればなるほど、苦しみが増し、切なさも増幅。よりエモーショナルな展開を見せていく。
お坊ちゃま役が似合うキュート系のミックスと、隊長役がぴったりのアースは、実にお似合いのカップル。『2gether』のノッパナッ・チャウィモン氏が監督しているだけに、見事なキャスティングだ。ミックスも178cmと長身だが、アースはそれを上回る182cmで、ミックスが上目遣いで彼を見上げる表情はまるで子犬のよう。病気を抱えているのに無茶をするティアンを、細身マッチョのプーパーが守るシーンが目白押しで、まさにお姫様と王子様。このドラマをきっかけにSNSでは#EarthMixxのハッシュタグができ、YouTubeでは『E.M.S EARTH-MIX SPACE』という番組までできてしまうほど人気が高まり、最近では新たな共演作も放送されている。そんな組み合わせが生まれた『A Tale of Thousand Stars』。過激なシーンはないので、BL初心者にもおすすめの作品だ。
ちなみに『2gether』や『Tonhon Chonlatee』のカオタンも村長の息子役で中盤からレギュラー出演しているので、彼のファンの方もご覧あれ。
(文・及川静)
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