誰と誰がカップルなのかが最初から一目瞭然の韓国BL作品群の中にあって、主人公の心をつかんだ人物が誰なのか、最終話まで分からないストーリー展開でドキドキさせるのが『ひかり男子高生徒会』だ。
この展開、韓国ドラマファンならピンときたはず。大ヒット韓国ドラマ『応答せよ1997』を思い起こさせる。ヒロイン(チョン・ウンジ)が、幼なじみの誰と結婚したのかが最終回まで明かされず、話が進むにつれて、お相手探しが加熱して視聴率が上っていった作品だ。ドラマとしての脚本も秀逸で、時代を変えた同じ展開でシリーズ3作がすべてヒットしたという名作ドラマだ。
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そのセオリーを取り入れただけに、『ひかり男子高生徒会』も面白くないわけがない。4人の出会いはある男子高校。主人公のウ・テギョンは、「友だちはいらない」という自主的ボッチ。しかし友だちがいないことで学業に差し障りが生じるようになり、「このままではいけない」と一念発起して相談した先生に、生徒会入りを提案される。そこには、成績優秀で誰にでも優しい生徒会長のシン・ダオン(チェ・チャニ)、愛想が悪いために誤解されやすい副会長のノ・シヌ(カン・ユソク)、明るいムードメーカーのナムグン・シウン(コ・ウジン)の3人がいた。
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ダオンとシウンが歓迎してくれる中、ひとりテギョンの生徒会入り反対するシヌ。過去を引きずるシヌはやけにテギョンに厳しく当たるが、実はハッキリ自分の意見を言う強さがあるのに、弱い者には優しくできるクラスメイトのテギョンに関心を抱いていたのだ。
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生徒会長のダオンは名門の家庭に生まれ、周囲の期待を裏切らないように生きていた。そのためにはイヤな頼みも断れず、自分の本心にフタをしてきた。そんなダオンの武装を解いてくれたテギョンに、どんどん惹かれていくのだった。
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この2人がテギョンのお相手候補に上るのだが、果たしてテギョンの恋人はどちらなのかは、最終話までのお楽しみ。自主的ボッチが心を開き、自分の殻から抜け出せなかったダオンとシヌを変えていく。10分×8話という構成が多い韓国BL作品の中にあって、25分(平均)×16話という長尺で、主人公たちの恋、葛藤、バックグラウンド、そして前にむかって進んでいく姿まで、青春物語を丁寧に描き出す見応えのある作品に仕上がっている。人気恋愛シミュレーションゲームを原作にしているだけに、恋のライバルとなる女子高校生が登場したり、意外な急展開が起こったりと、ドキドキのストーリーに。
主人公、ウ・テギョンを演じるイ・セオンは、K-POP界のモンスターグループWanna Oneを輩出したオーディション番組「PRODUCE101 SEASON2」出身。生徒会長のシン・ダオン役のチェ・チャニは、10人組マルチエンターテイナー俳優グループTHE MAN BLKメンバーとして、アイドル活動も行っている。副会長のノ・シヌ役、カン・ユソクは『スタートアップ: 夢の扉』、『僕を溶かしてくれ』など多数の人気ドラマに出演。イケメン若手俳優たちの好演がまぶしい青春物語は、見終わったあとに、爽やかな気分になれるはずだ。
(文・坂本ゆかり)