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台湾クライムサスペンス『Kill for Love』を担う、名優モー・ズーイーとは?

台湾クライムサスペンス『Kill for Love』を担う、名優モー・ズーイーとは?
台湾の人気BL『We Best Love』シリーズのプロデューサーと、女性監督&脚本家によるクライムサスペンス『Kill for Love』。ある男の失踪から500日で不可解な事件の犯人を暴くストーリーでキモとなるのは、天才的な観察眼と記憶力を駆使して捜査を行う刑事グオ。そのグオを演じる主演のモー・ズーイーは、作品ごとに印象を変えるカメレオン俳優。仄暗さ漂う作品のなかでグオの顔になったモー・ズーイーが担った役割と、彼のキャリアをひも解く。

管轄内でトップの成績を誇る凄腕刑事グオ(モー・ズーイー)は、1年以上未解決のままになっていた不可解な事件の捜査に協力することになる。事件の被害者は、小さな料理店の主人で昆虫を撮影するのが趣味だった男。1人で公園や山に行くことが多かったため、他殺か、自殺か謎のままだったが、遺体が発見されたことで他殺であることが決定的となった。この大きな事実から、グオと後輩刑事のワンは一気に黒幕に迫ろうとする。

被害者の妻のリンは学生の弟の面倒を見ながら、ほそぼそと料理店を続けていた。新たな情報提供のないまま1年以上経っていたが、遺体発見後にリンが隠し戸棚を見つけ、中から夫の浮気の証拠が見つかる。このことから容疑者が増えていくが、プロファイリングに長けたグオは、その都度、相手の表情や肌の高揚感、服装などから冷静に見極め、そしてターゲットを絞っていく。

本作は1話30分前後の全4話構成なのだが、このわずかな時間にグオが目をつけた人物の背景がつまびらかにされていき、事件は思わぬ方向へと展開していく。常に鋭い眼差しで容疑者たちを追うグオ。しかし彼のカメラが捉えているのは、事件関係者だけではなかった。彼には別居している、正確には離婚を希望して行方をくらませている妻と子がおり、グオは事件と同時に妻子も追っていた。妻の選択は、夫が事件に執着するあまり、家族をないがしろにしてきた結果なのだが、子供を愛するグオは執拗に追い回す。そんなグオから逃げる妻と、被害者の妻のリンの姿が時折、重なって見えてくる。事件と家族、グオはいずれの問題も解決することができるのか? トータルで2時間に満たない物語だが、ミステリーとしても、ヒューマンドラマとしても見応え十分の作品だ。

物語が抱く闇をさらに色濃くしているのは、言うまでもなく、グオ役のモー・ズーイーだ。リンの店に足繁く通い、被害者家族を気遣っているようで、次の瞬間には冷たい眼差しでカメラを向ける。彼が放つ鋭さと重々しさが、そのまま物語のカラーを作り出していることは間違いないはずだ。今作でのグオは鋭い眼差しが特徴的だが、他の作品では全く異なる顔を見せている。例えば、若きデザイナーたちの群像劇を描いた映画『台北セブンラブ』では、元カノとヨリを戻したくて仕方ないデザイン会社勤務の男をチャラめに好演。さらに台湾アカデミー賞(金馬奨)3部門を受賞した映画『親愛なる君へ』では、亡くなった同性パートナーの母と子の面倒を見るピアノ講師の青年を演じ、多くの者の心を締め付けた。

18歳の時に映画でデビューしたモー・ズーイーは、それ以来、映画を中心にキャリアを重ね、2009年には6本もの出演映画が公開。うち4本に主要キャストとして出演し、同年の台湾映画祭でライジングスターに選ばれ、2014年には同映画祭の代表に。そして、2021年、40歳の時に先の『親愛なる君へ』で第57回金馬奨の最優秀主演男優賞を受賞した。

それぞれに髪型やメークを大きく変えているわけではないのに、今回取り上げた2014年の『台北セブンラブ』、同じ2020年の『Kill for Love』と『親愛なる君へ』の3本だけでも本当に表情が異なるので、ぜひ見比べて見てほしい。

(文・及川静)

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