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ハリウッドの名優たちが渋い魅力で競演! アメリカが舞台のマフィア映画

ハリウッドの名優たちが渋い魅力で競演! アメリカが舞台のマフィア映画
『ゴッドファーザー』(C) 1972 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
男たちの悪の美学が渦巻くマフィア映画は人気の高いジャンルとなっている。今回は、アメリカを舞台にした名作4つを紹介。それらでマフィアを演じるのは、マーロン・ブランドアル・パチーノロバート・デ・ニーロ。彼らが生む世界に痺れること間違いなし。

男たちの悪の美学が渦巻くマフィア映画は人気の高いジャンルとなっている。今回は、アメリカを舞台にした名作4つを紹介。それらでマフィアを演じるのは、マーロン・ブランドアル・パチーノロバート・デ・ニーロ。彼らが生む世界に痺れること間違いなし。

マフィアとは、イタリア・シチリア島を起源とする犯罪組織のこと。アメリカでは、19世紀末以降に移り住んだ者が、主にニューヨークやシカゴといった大都市圏で勢力を拡大したといわれる。いまでは大規模な犯罪組織に対して広義で使われるようになった。

マフィア映画の金字塔と称されるのが、フランシス・フォード・コッポラ監督による『ゴッドファーザー』だ。マリオ・プーゾのベストセラー小説を原作に、イタリア・シチリア島からアメリカに渡ったドン・ビト・コルレオーネ(マーロン・ブランド)が築いたマフィアファミリーを描く。“ファミリー”の一員であっても、イタリア人かそれ以外か、さらにはシチリア出身かも重視される様がみられ、まさにマフィアを捉えた一作。マフィアの残酷さのなかに、苦悩や切なさ、さらに家族愛を盛り込んだ深みのあるストーリーが魅力だ。マーロン・ブランドは、しゃがれ声で静かな語り口だが、恐ろしさの一方で尊敬もされる偉大な“ドン”のオーラを醸し出した。また、ビトの息子で跡を継ぐことになるマイケル役にアル・パチーノが扮し、『ゴッドファーザー2』と『ゴッドファーザー3』では主人公に。マフィアになろうとは思っていなかった若き日から、次世代のドンへ、そして60代までの盛衰を、スタイリッシュさと色気をまとわせて演じきった。

170215 『ゴッドファーザー2』(C)1974 Paramount Pictures Corp. All Rights Reserved. THE GODFATHER is a registered trademark of Paramount Pictures. All Rights Reserved. https://tv.rakuten.co.jp/content/170215/

ゴッドファーザー』が出世作となったアル・パチーノは、その後もいくつものマフィア映画に出演。『フェイク』では、落ち目の中年マフィアという役どころ。実話に基づく物語は、ジョニー・デップ演じるFBI捜査官・ジョーが、アル・パチーノ演じるレフティに近づき、摘発すべく組織に潜入するというもの。普通なら交わらない世界にいる2人の男が通わせる情を、若きジョニー・デップと、哀愁漂うアル・パチーノが魅せる。ラストで、あるせりふを切なく響かせるアル・パチーノがたまらなく渋い。

巨匠マーティン・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』は、マフィアに憧れていた若者・ヘンリー(レイ・リオッタ)が念願の仲間入りをし、頭角を現していくという展開で、実録小説が原作。本作でヘンリーの兄貴分ジミーを演じているのが、ロバート・デ・ニーロだ。29歳から老齢期までを演じるのだが、初登場時からピリッと画面を引き締め、狂気をにじませる。老いてからは、焦りや保身などが浮かび上がる変化も。ちなみに、先に紹介している『ゴッドファーザー2』では、ドン・ビト・コルレオーネの若き日を演じてアカデミー賞助演男優賞を獲得したロバート・デ・ニーロ。そこから第一線で活躍してきた力を遺憾なく発揮し、視線だけでゾクッとする凄みがある。

170222 『アンタッチャブル』(C)TM & Copyright (C)1987 by Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved. https://tv.rakuten.co.jp/content/170222/

ロバート・デ・ニーロ出演作では、『アンタッチャブル』も見逃せない。定義に沿ったマフィアではないが、シカゴの暗黒街に君臨した実在のボスであるアル・カポネを演じている。禁酒法が施行されていた1930年に財務省から派遣された特別捜査官エリオット・ネス(ケビン・コスナー)が、街を牛耳るアル・カポネの摘発に挑む。体重の増減も含めてリアルに役を作り上げる手法は、“デ・ニーロ・アプローチ”といわれているが、この役でも頭髪を抜いて姿を似せたという逸話が。本作で一躍注目されたケビン・コスナーと直接対峙する場面は多くないが、ロバート・デ・ニーロの存在感は圧倒的で、敵役として物語に緊張感を与えている。

(文・神野栄子)

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