一つは、『トップガン マーヴェリック』。トム・クルーズをトップスターに押し上げた1986年公開の名作『トップガン』から36年。トム・クルーズが温め続けてきた待望の続編が昨年公開され、世界的な大ヒットとなった。日本でもリピーターが多く、“追いトップガン”という言葉も生まれた。それほどまでに観た人を虜にさせる作品だった。
前作もアメリカ海軍が全面協力をして撮影が行われ、キャストは戦闘機F-14に乗り込んで飛行訓練を体験した。その訓練が映画本編にも生かされていて、リアルで迫力のある映像とサウンド、非日常的な世界に連れて行ってくれる“スカイ・アクション”が大きな魅力だった。「デンジャー・ゾーン」など、劇中で流れる音楽も大ヒットし、社会現象に。
その続編となる『トップガン マーヴェリック』は、前作の魅力だった“リアルさ”と“迫力”がさらにスケールアップした作品に仕上がっていた。30数年経てば、撮影・映像の技術も格段に進歩し、イメージした世界を具現化することが可能になった。しかし、トム・クルーズがこだわったのは「CGではなく本物を撮ること」だった。トム以外のキャストも全員で3カ月に及ぶ飛行訓練を受けて、飛行に関するメカニズムなどを学んだ。そして今作は“訓練”だけでなく、キャストたちが実際に戦闘機に乗り込んで撮影が行われた。この撮影を行うために戦闘機の中に搭載するIMAXカメラを開発するなど、この作品にかける想いの強さが感じられる。
実際に戦闘機に搭乗し、俳優自らが撮影も行うという新たな挑戦があり、その結果、観客がまるでコックピットに乗っているようなリアルな映像を作り上げることに成功。前作を踏まえた人間ドラマも深みがあり、アクションもストーリーも極上のものになっている。世界中を熱狂に巻き込んだ本作がオスカーを手にするか注目が集まっている。
そしてもう一つは『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』。こちらも大ヒットした作品の続編で、巨匠ジェームズ・キャメロン監督によるもの。2009年に公開された前作『アバター』はキャメロン監督の映像へのこだわりが詰まった作品になっており、独自に開発した3Dカメラを駆使し、映像技術、映像表現の水準をグッと高めた作品でもあった。
13年ぶりの続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、前作の10年後を描いた作品になっており、神秘の星パンドラに人類が再びやってきたことから、パンドラの森で平和に暮らしていた元海兵隊員と先住民の女性たちが海へと逃れていく…。タイトルにもあるように、前作の森から海へと舞台を移して、奥行きのある美しい映像と共に楽しませてくれる。前作『アバター』は「第82回アカデミー賞」で“撮影賞”“美術賞”“視覚効果賞”を受賞したが、作品賞は受賞できなかった。しかし、歴代興行収入1位という記録を持っている。キャメロン監督は『タイタニック』で作品賞を受賞しているので、1997年の「第70回」での『タイタニック』以来の受賞となるのか注目されている。その『タイタニック』も多くの人を魅了したヒット作だが、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は先日、『タイタニック』を抜いて歴代3位に浮上した。まだまだ伸びているという事で、受賞となればさらに弾みをつけることになりそうだ。
(文・田中隆信)
https://news.tv.rakuten.co.jp/2022/09/top-gun-maverick.html 『トップガン マーヴェリック』トム・クルーズの“本気”を感じる36年越しの待望の続編 https://news.tv.rakuten.co.jp/2022/12/james-cameron.html 『ターミネーター』『エイリアン2』『タイタニック』『アバター』…、ジェームズ・キャメロン監督が映画史に刻んだ名作へのこだわり
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