出張先で偶然出会ったフェイとシュエンユーは、かつて歳の離れた仲の良い友人だったが、最後に会ったのはフェイの大学の卒業式で、シュエンユーはまだ中学を卒業したばかり。そのため、フェイは全く気付かなかったが、彼女が初恋の人だったシュエンユーはひと目でフェイだと気付いた。しかし、なぜか正体を明かすことなく別れてしまうが、その後、スーツケースを取り違えたことから再会し、フェイもとてもかわいがっていた同級生の弟の“子豚ちゃん”だと気付く。こうして、2人の時間が12年ぶりに動き出したわけだが、恋愛関係にはなかなか発展しなかった。それはフェイにとって彼が弟的存在だったこともあるが、理由はそれ以外にもあった。
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フェイは結婚を機に渡米したが、幸せな時間は長く続かず、離婚して帰国。心に深傷を負ったことで恋愛感情を全く信用しなくなったことから、データを元に最高の相手を紹介する結婚相談所「恋愛科学」を立ち上げ、実業家として成功する。しかし、職業柄、バツイチでは説得力に欠けるため、社外では結婚していることにしており、それはシュエンユーに対しても同じだった。そのため、しばらく姉と弟のような関係が続いていくが、心から優しいシュエンユーの行動が少しずつフェイの心を溶かしていく。
アラサーともなると恋の経験は一つや二つあっても不思議ではなく、しかも敗れた恋は足枷になる。実は才色兼備で自信ありげに見えるフェイも、内心では自分はもう無用な人間だと思い込んでいたのだ。ところがシュエンユーに会ってからは心が楽になり、必需品だった薬を飲むことを忘れていたことに気付く。家まで送ってくれる時、髪を洗ってくれる時、どんな時も優しく寄り添ってくれるシュエンユーの存在感は、どんどんフェイの中で増していく。だが、そんな折、シュエンユーに彼女がいることが明らかになり、2人はまたも距離を縮めるタイミングを逃すのだった。
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前半終盤では、彼女のチンランを含めた三角関係が勃発。シュエンユーを好き過ぎるチンランが彼と一緒にフェイのいない土地で暮らそうと計画するも、結果的に身を引き、1人イタリアへと向かった。こうして、互いに思い合っていることを確信した2人だったが、今度はフェイが過去に立ち直れぬほど愛した元夫が台湾に戻ってくることになる。一難去ってまた一難だ。第15話以降の後半ではまだ恋人同士になり切っていない2人が、強敵の存在をどう乗り越えるかが見どころになりそうだ。
2人の恋に加えて、結婚相談所の会員のあるカップルにも注目してほしい。キャリアウーマンで元彼を見返すために会員になったジュオと物静かで不器用な農家のウーは、一見共通点がなさそうに見えるが、実は見ているだけでも癒される最高のカップルなのだ。自分の意見を押し付けずに相手を尊重する2人は、一緒にいると穏やかに時間が流れ、見ていてほっこりするカップルだ。それはフェイとシュエンユーもにも言えることで、そんな2組のやりとりを見ていると自然と癒やされてしまうから不思議だ。
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また、「恋愛科学」職員のオーウェンとシュエンユーの美容師仲間であるマークのカップルも見逃せない。2人は初対面こそ最悪だったが、相手のよさを知っていくうちに友達になっていく。と同時にゲイのオーウェンはマークに引かれていくが、だからこそマークの恋のキューピットになろうとするのだ。前半では自分の気持ちを押し殺していたオーウェンだが、果たしてどうなるのか? そこも後半の見どころになりそうだ。
結婚相談所に集う人々を通して台湾の結婚の実状や格差意識などをコミカルに見せつつ、ほろりとする瞬間も多数盛り込まれている。恋人や友人らのふとした言葉に心のヒダを震わせるフェイたちを見ながら、あなたも癒やされてみては?
(文・及川静)
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