作家のSammonは本業が医師なだけに、病院や医療現場を舞台にした作品が多く、『Make A Wish』の主人公も医師だ。この医師のプームは幼少期から霊が見える能力を持っており、現在も出勤するたびに霊に絡まれる毎日を送っていた。そのため、霊に見つからないように昼間でもサングラスをしているのだが、いい加減に耐えきれなくなったある日、謎のおじいさんから「菩提樹の天使にお願いしてみたら?」とアドバイスされる。そこで菩提樹の元にお願いに行くと現れたのが、天使のグリッドだった。
Flukeが演じるのがこのグリッドで、かなりのお調子者。堅物上司のチャーンを“オッパ”と呼んでからかうなど、天界でも浮いた存在だ。そんなある日、チャーンから天使登録課長が人間と恋愛したために消滅したので、成績の悪いグリッドがその役職に付いて、“徳ポイント”を稼げと命じられる。しかし、退屈な仕事はしたくないグリッドは本来の菩提樹の天使としての仕事を遂行して、なんとか役職に就くのを避けたいと思っていた。そんな矢先に現れたのが、プームだった。
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この出会いが二人の運命を変えていく。グリッドが、プームの霊が見える原因を究明するために意識のない人間の体に入って捜査すると言い出すのだ。そこで1カ月前から昏睡状態になっている研修医メートの体を借りることにするのだが、その代償としてメートが階段から落ちた原因も突き止めることになる。天使が人体に入るのは本来、規約違反だが、後輩思いのチャーンは6日間だけ目をつぶることにする。つまり、グリッドはプームの霊が見える原因とメートを突き落とした犯人を6日以内で突き止めなくてはならなくなるのだが、わずかな日数で何ができるのか。これが一つ目の見どころだ。
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さらにメートの体を借りたことで、厄介ごとが増える。実はメートがプームを好きだったため、彼の体に入ったグリッドもプームに対して急にドギマギしてしまうのだ。人を好きになることがわからない天使のグリッドは、胸の高鳴りの意味を理解できずにいたが、快気祝いのパーティで泥酔した夜、自然とプームにキスしてしまう。それを目の当たりにしたメートは、大激怒。メートとグリッドは取っ組み合いのケンカへと発展するのだった。こうしてみると三角関係のように見えるが、グリッドに甘々のチャーン先輩の存在も見逃せない。まるで保護者のようにグリッドを気に掛けていることから、もしかすると彼のことが好きなのかもしれない。とすると恋愛模様は、さらに複雑化しそうだ。
Flukeの相手役となる医者のプームを演じるのは、Judo(ユド)。2016年ごろからラブコメディやお仕事ドラマに出演し、2022年に『The Miracle of Teddy Bear』でBLドラマに初挑戦。今作がBL2作目となる。それはチャーン先輩役のNikeことニティドン・ボムスワンも一緒で、2013年以降、数々のドラマに出演するもBL作品は2022年の『180 Degree Longitude Passes Through Us -僕らを隔てる境界線-』が初。Judoとともに確かな演技力で、今まで以上に弾けた役に挑戦しているFlukeを支えている。そして、メートを演じるのは、ボーイズグループ「SUPER BOY」出身のPonことタナポン・イヤムガムチャイ。『The Moment』や『Gen Y』などのBL作品でも活躍している注目株で、Flukeのライバル役を好演している。
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関係性が複雑化しそうな恋愛模様と並行して、霊が見えるプームの能力の原因究明やメートの事故の犯人探しなどの謎解きが描かれるのは、Sammon作品の特徴。今回はこのてんこ盛りの内容が全6話で描かれるということで、物語の展開っぷりに期待したい。また、主要キャストの4人は初共演揃いなので、どんなケミストリーが生まれるのかにも注目したい。
(文・及川静)
https://news.tv.rakuten.co.jp/2024/04/bl-list.html BL関連記事一覧
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