祝25周年！『ほんとにあった！呪いのビデオ』で紹介された衝撃のエピソード＆シリーズの魅力解説

同シリーズといえば、衝撃映像の後に流れる「お分かりいただけただろうか…」という特徴的なナレーションでもおなじみ。第3作からこの声を務めるのは『残穢 -住んではいけない部屋-』(2016年)などの映画でメガホンをとり、本シリーズの企画立ち上げから携わる映画監督の中村義洋だ。本シリーズは中村監督のみならず、映画『フラッシュバックメモリーズ 3D』(2012年)の松江哲明監督や数々のホラー作品を手掛けてきた白石晃士監督らも演出・脚本を担うなど、歴代監督が豪華なことでも知られる。

あらためて、過去の衝撃的な映像について触れていく。まずは『ほんとにあった！呪いのビデオ BEST OF BEST』に収録の「証明写真」。合コン帰り、男性グループの一人がアルバイトの面接用に証明写真を撮るため、写真機に入ろうとしたところを友人が撮影したもの。全員ほろ酔いなのか、手持ちのカメラが不安定なため映像がブレるところも気味が悪いのだが、写真機のカーテン下にははっきりと制服を着た女性らしき人が映っており、中に既に人がいるため男性が入ることを拒もうとする姿が映し出される。しかし、カーテンを開けると中には誰もおらず、さらにパニックになった撮影者のカメラには写真機の上で恐ろしい表情をした女性のような顔が映り込んでしまう。

この投稿映像は約3分程度の作品であるが、その後スタッフによる現地調査などの「検証パート」が入ることに。後追い取材を行うのも同シリーズならでは。

彼らの調査によると、とある高校生が問題の証明写真機で撮影後、大学受験に失敗してしまい投身自殺をしたという悲しい事実があったようで、近隣住民が以前写真を撮ったところ、得体の知れないものが写ってしまったというエピソードも明かす。実際にその写真も紹介されるのだが、確かにはっきりとした何かが写っており、かなりの衝撃だ。

『ほんとにあった！呪いのビデオ80』収録の「散乱」は、「シリーズ監視カメラ」として紹介されたとあるスーパーの監視カメラ映像。ナレーションによると最近お菓子コーナー付近の床にお菓子がばら撒かれる悪質な行為が横行しているとのこと。映像は決して粗いものでもなく、むしろ日中のような明るさのためかえって不気味さが増す。すると一人の男の子が走りながらお菓子コーナーへと向かい、次々とジャケットの中にお菓子を詰め込む姿がくっきりと映し出された。

パンパンに詰め込んだお菓子を持って走り去ろうとしたとき、何かに弾かれたように姿が消え、お菓子だけが床にばら撒かれる。その音を聞いた店員が様子を見に来るが、現場にはお菓子しか残されておらず途方に暮れる姿も映っている。あまりにもリアルな映像で最初は男の子をただのお客さんかと思ってしまうほど、姿形が霊ではなく人間のそれだったためなんとも後味の悪い映像だ。

2019年には20周年記念のオールナイト上映イベントが開催され、チケットが即完するなど、目を覆いたくなるような恐怖映像が多いにもかかわらず全国には多くのファンが存在している。怖いもの見たさの心理だろうか。

そしてファン待望の新作となる『ほんとにあった！呪いのビデオ 107』『ほんとにあった！呪いのビデオ 108』が登場した。廃墟へ肝試しに向かう男女を追う霊や、楽しそうに「七五三」の撮影に臨む姉妹を映したほほ笑ましいホームビデオに映り込んでしまった女性とおぼしき霊など、今回もゾッとせずにはいられない怪奇映像の数々が収録されており、外に出るだけでつらい酷暑の夏に自宅でひんやりするのにもぴったりのコンテンツ…とでも言うのだろうか。

(文・suzuki)