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物語はホアン・ジュンジエ演じる凌久時(リン・ジウシー)が、謎のバーチャルゲーム「霊境」の世界に迷い込んだことから始まる。もともとゲーム会社に勤めていた久時は研究熱心で、中国では入手困難だった「霊境」に興味を持っていた。そんなある日、日常生活の中にゲームの扉が現れるようになる。そして、ついにゲーム世界に入り込んでしまった久時を助けてくれたのが、シア・ジーグアン演じる阮瀾燭(ルアン・ランジュー)だった。
この「霊境」はステージごとに隠された鍵と扉を見つけて脱出するゲームなのだが、その正体はプレイ中に死亡すると現実世界でも死んでしまうというデスゲーム。各ステージには“扉の神”という怪物がおり、扉(ステージ)ごとに異なるタブーを犯すとこの神に狩られるので慎重な行動が求められる。だが、現実世界と地続きでいきなり始まるため、大抵のプレイヤーは慌ててしまうのだ。
496527 「第2話 タブーと鍵」 https://tv.rakuten.co.jp/content/496525/
久時も例外ではなく、慌てふためいていたが、黒曜石(オブシディアン)というチームのリーダーである瀾燭が、彼をサポート。人並外れた聴力を持つ久時を気に入ったらしいのだが、ほかのプレイヤーを寄せ付けぬほど特別扱いする。たとえば、最初の扉では初対面と思えぬほど、どこに行くにもべったりで、井戸から上がる時も彼にだけ手を貸すほど、お姫様扱い。久時が扉の神や悪意を持った者に狙われた際には間一髪で現れ、王子様のごとく久時を救い出していく。
それはその先の扉でも変わらず、二つ目の扉「フィッチャーの鳥」(第4話〜)では、久時が神に与えられた卵を落として傷付けた際には、ためらいなく自分の卵と入れ替えた。卵を傷付けると神に狙われることがわかっているにも関わらず、だ。瀾燭は高圧的で一見冷たく感じるが、その気遣いはとても細やかで、就寝中に攻撃されたのが自分であることを久時に気付かせなかったり、その後もさりげなくベッドの位置を変わったりしている。
「人皮鼓(じんぴこ)」(第8話〜)の扉では、久時に近付く若い女性をあからさまに敵視。女性が甘えたように久時を「お兄さん」と呼んだり、怖い素振りを見せて彼の袖を掴んだりした時には、すかさず牙を向くので注視してほしい。また、ことあるごとに久時の寝顔を見つめているなど、意味深なシーンも数多く登場する。久時から見ると、偶然出会った瀾燭に腕を見込まれて黒曜石に誘われたに過ぎないが、瀾燭目線から見ると何か理由が隠されているように思えてならない。
496534 「第9話 幻想」 https://tv.rakuten.co.jp/content/496525/
その後の「路佐子(ルー・ズオズ)」(第12話〜)や「ウェイバリーヒルズ療養所」(第17話〜)といった各扉では、久時の過去とリンクする“何か”があることが明らかになった。ステージを進むごとに難易度が上がり、ほかのゲームチームとの対立も強まるなか、瀾燭と久時はいかにして最後の扉に辿りつくのか?そして、なぜ瀾燭は久時をパートナーに選んだのか?はたまたゲームと久時の関係とは?二人で謎を解いていくので、サスペンスファンにもおすすめの異世界中華ブロマンスだ。
(文・及川静)
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