近年注目度の高いディズニー実写化作品と物語を彩る豪華日本語吹替声優の魅力

ディズニー・アニメーション初の長編映画『白雪姫』が、2025年3月に実写ミュージカル版として劇場公開された。ディズニー作品では演技力はもちろん歌唱力も重視されるため、本作の日本語吹替キャスト陣にも大きな注目が集まった。Rakuten TVで実写版『白雪姫』の配信がスタートしたのを機に、ディズニー実写化作品の歴史を振り返りつつ、本作を彩る日本語吹替声優に着目する。

近年のディズニー作品といえばアニメーションのみならず実写映画も毎年のように公開され、その完成度の高さに多くのファンが魅了されている。中でもディズニープリンセスを主人公に据えた実写化作品は、ヒロイン役を演じるキャストをはじめ、脇役たちにもスポットライトが当てられ、製作決定のたびに大きな話題となっている。ここからは、いくつかの代表作を紹介していく。

シンデレラ

2015年に公開された実写化『シンデレラ』ではヒロインのシンデレラ役を『ベイビー・ドライバー』(2017年)などに出演したリリー・ジェームスが務めた。同作に登場するシンデレラ城といえばディズニー映画のオープニングに毎回登場するほどの、シンボル的な名作であり、実写化でも豪華絢爛な舞踏会や魔法がかけられるシーンなど、映像美が存分に表現されている。日本語吹替キャストとしては、シンデレラ役を高畑充希、王子様役を城田優というミュージカル経験も豊富で、歌唱力に定評がある役者が抜てきされた。

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美女と野獣

続いて2017年には「ハリー・ポッター」シリーズでおなじみのエマ・ワトソンがヒロイン・ベルを演じたことで大ヒットした『美女と野獣』が公開された。エマの演技力はもちろんだが、本作の世界観を忠実に再現していることで多くの人を魅了した。そして日本語吹替版ではベル役、野獣役を、ミュージカル界で活躍する昆夏美、山崎育三郎がそれぞれ演じ2人が見せた表現力の高い歌声も魅力の一つだろう。

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アラジン

2019年にはナオミ・スコットが社会の理不尽に立ち向かう勇敢な王女・ジャスミン役を務めた『アラジン』が公開され、ディズニー屈指の“名脇役”ランプの魔人・ジーニー(ウィル・スミス)の日本語吹替を声優の山寺宏一が担当。山寺はアニメーション映画版から続投でジーニーの声を務めており、ジーニーの愉快な性格を心躍る声で見事に表現している。

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白雪姫

そして2025年に公開された実写版『白雪姫』では、演技力と歌唱力を兼ね備えたキャストが数多く抜てきされた。レイチェル・ゼグラー演じる主人公・白雪姫の吹替キャストには吉柳咲良、白雪姫に嫉妬する女王(ガル・ガドット)役には元宝塚歌劇団月組トップスターの月城かなとがオーディションを経て起用された。

これが声優初挑戦となった月城は、2009年に宝塚歌劇団で初舞台を踏み、礼真琴、柚香光、愛希れいからを輩出してきた“華の95期”の1人。2021年に月組トップスターに就任し、2024年7月に退団するまで華やかなコスチュームものよりスーツものでの紳士や青年の役を得意とした。

劇中では美しさと権力に執着する“ヴィラン”としての邪悪な雰囲気をしっかりと表現。女王が歌唱するミュージカルナンバー「美しさがすべて」では、並外れたパフォーマンスを披露している。その歌声からは嫉妬深い女王のプライドや欲望がひしひしと伝わってくるような力強さを感じ取れる。2025年4月～6月期放送の日曜劇場『キャスター』(TBS系)でのクールビューティーなキャスターぶりも話題になっているが、声優としての才能も一流であることがうかがえる。

また、声優陣とキャラクターの親和性の高さにも注目したい。女王に語りかける魔法の鏡役にはベテラン声優・諏訪部順一、白雪姫の運命の人・ジョナサン役にはJO1の河野純喜、さらに7人のこびと役として、ダイアン・津田篤宏がおこりんぼ役、小島よしおがごきげん役を担当するなど、個性豊かなキャストが顔をそろえている。

物語についても、誰もが知る不朽の名作『白雪姫』が現代に沿って少しずつアップデートされており、新たなストーリーを織り交ぜながら、声優の細やかな演技を、ぜひ感じ取ってみてほしい。

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（文・suzuki）

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