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柚希礼音さん独占インタビュー!ミュージカル『ボディガード』出演

柚希礼音さん独占インタビュー!ミュージカル『ボディガード』出演
1992年にケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストン主演で世界中で大ヒットを遂げた映画『ボディガード』が、グラミー賞受賞曲「I Will Always Love You」をはじめ映画の楽曲をふんだんに使ってミュージカル化され、世界中で上演されている。日本では、2019年9月に本場英国キャストによる初の来日公演を果たし、2020年春に新演出にて日本キャスト版の初演を東京・大阪にて予定していたが、コロナ禍の影響で大阪公演5回のみの上演となった。殆どの公演回が中止になってしまったが、2022年1月より待望の再演が決定。
映画でホイットニーが演じた人気絶頂のポップシンガー、レイチェル・マロン役を、華やかなルックスと圧倒的なカリスマ性で多くの観客を魅了する柚希礼音が演じる(トリプルキャスト)。初演で感じたことや、再演で目指す思いなどを聞いた。
そして、Rakuten TVで配信している宝塚歌劇団の作品から、おすすめ4作品をセレクトしてもらい、それぞれのおすすめポイントや思い出を語ってもらった。
(写真・文:岩村美佳)

――初演の際はほとんどが公演中止になってしまいましたね。

大阪の全5公演で終わってしまいました。本当にコロナが大変なことになってきた時でしたので、初日もできるのかという状況でした。何とか上演しましたが、チケットを取ってくださった方々から、「行きたいけれど、家族がダメと言うからキャンセル……」という話ばかりでしたから、あの時は中止してよかったかなと思います。

――まだコロナについてよく分からない頃でしたね。

そうですね。自分だけの判断ではできない状況でしたから、仕方なかったですね。

――その中でも舞台が開きましたが、『ボディガード』に取り組んでどんなことを感じましたか?

「この曲を歌えるの!?」という名曲揃いで、歌が多くてとても大変な作品です。いつも歌っている曲とも違いますし、皆さんがあまりに知っている曲ばかりなので。でも改めてもう一回作り直していくのは、とてもありがたい場だなと思います。今回も大変なことがあっても自分の輝きを失くしてはいけないなと思います。
『マタ・ハリ』の再演の時にも、「初演を超えたい」とか「初演よりもよくならなければ」など、自分にすごくプレッシャーをかけていたんです。稽古中に演出の(石丸)さち子さんが、「何か光らないな」と頭を抱えていました。そんな状況の中、稽古を数日抜けて、『LUXE』というアイススケートショーに出演したんです。
正直稽古も佳境の中、休んで申し訳ないという気持ちを抱えていました。でも公演を終えて稽古場に帰ってきた時に「それだよ! スターが帰ってきた! 輝きが出た!」と言っていただいて。

――氷の上空での全身を使ったパフォーマンスや、氷上での黒エンビなど素晴らしかったです。

ありがとうございます。必死ながらも何とか輝こうとすることが、再演の『マタ・ハリ』ではより強くなりました。ちゃぴちゃん(愛希れいかさん)はいろんな男に染まれるマタ・ハリ、私は常に真ん中にいるスターで男が寄ってくるマタ・ハリという風に、さち子さんが作ってくださいました。
『ボディガード』もやらなければいけないことや、前回よりも、という自分への圧もたくさんありますが、一番大切なのは、“レイチェル・マロン”として輝くこと。レイチェルが、生き生きと喜ぶ姿をお見せしないと、意味がないと思います。それでいて、課題は克服しながらやっていきたいと思います。

――レイチェルは本当にスーパースターの役ですね。

スーパースターでも色んなスターがいますが、宝塚で言うところの「みんなへの心配りができるスター」というよりは、「ちょっと性格が悪いんじゃないか」というスターですね(笑)。多分さち子さんならば「全ての女に嫌われるつもりでやれ」と言うなと思います。「好かれようとする芝居はするな」と『マタ・ハリ』でも言われていましたので。すごくわがままで、台風の目で、周囲のみんなが大騒ぎして働く、人の気持ちなんて分からない、悪気もないけれどそんなこと言う?というのがスターだと思います。怖がらずに、思い切りやりたいと思っています。

――お話を伺っていると、初演後に出演された『LUXE[リュクス]』と『マタ・ハリ』を経てのレイチェル、と考えていると思うのですが、前回とは役の作り方も違いますか?

前回は「すごい作品に携わらせてもらうんだ、頑張らなきゃ、新妻聖子ちゃんと同じ曲を歌うなんて、えらいことだ!」というところにいたんです。実際に初演で演じさせていただき、『マタ・ハリ』再演を経て思うのは、初演に勝とうとか頭でっかちに考えるのではなく、「自分自身が心地よくいることで、どれだけ舞台上で輝くのか」と学びました。そして、『REON JACK 4』をやったことで、「人にはそれぞれに輝きがあるから、私の輝きをちゃんと出すんだ」というところに今はいます。稽古が始まれば、「みんなすごい!」という気持ちになると思いますが、まず自分のよさを出さなければ、レイチェル役が3人いる意味がない、と思うところに立ち返れたらいいなと思います。

――三者三様のレイチェルですね。前回、レイチェルという役を生きた時に、彼女の考え方や感性に、どんなことを思いましたか?

一番素敵だなと思うのは、ストーカーが客席にいるかもしれない状況で、観客が「レイチェル! レイチェル!」と熱狂して待っていて、「危険かもしれないけれど、私がステージに出るのをみんなが待っているんだから」と、ステージに出るところです。周囲のみんなが「帰れ、これはだめだ」と止めていてもステージに出る。わがままな人物ではありますが、歌とお客様にはすごく真剣に向き合っている人だから心に響くんだろうと思いますし、すごく共感しました。あとは、子供の時から姉と共に夢見てきた、アカデミー賞が獲れるところまで間もなくという時に、ストーカーがいる危険を冒しても授賞式に行くところ。本当に全てを賭けていて、仕事というよりも宿命というか、このために生きているんだろうなと。私たちも仕事というか、全てを賭けてこのために生きていますから、大好きなことを仕事にさせていただけるのは凄いことですし、共感する部分があります。ただ、初演の時は「ボディガードをいきなり好きになる」と腑に落ちないところがあったんです。なので、迷うことがあったら、さち子さんの言葉を思い出してながら、ジョシュア・ベルガッセさんの演出に従いながら作ります。

――石丸さんがアドバイザーみたいですね。

一見、「お姫様抱っこされて守られたら急に好きになった」ような場面になってしまうんですよね。自分が客席で女性として観ていたら、「このレイチェルは、守られたから好きになるって、なんかイヤだな」と思うだろうなと。最初からフランクが眼中にないのではなく、元々気になる存在ではあるんです。フランクは、いい意味で任務に忠実で、本当の意味で危険から守ってくれているんですが、周囲の人間のようにレイチェルのオフを大事にしてはくれない。私の生活を守って欲しいという、レイチェルの思いから考えると、フランクに苛立ったんだろうと思います。でも、彼の本当に仕事ができる面を見ていって、深く好きになっていくのだと思いますので、その辺を「守られたから好きになる」とはならないようにしたいです。

――レイチェルはシングルマザーで、息子がいることはいかがですか?

スターで、シングルマザーですが、どんな人と結婚して、子供を産んで、離婚したのか、結婚さえもしていないのか、と想像が膨らむのがまたいいんです。多分すごく情熱的に人を好きになる人で、だいたい上手くいかなそうな性格なんだろうなと思いますね。
そんな感じで自分の中でイメージを作っていくことが必要ですね。
フランクを好きになった時はすごく動揺するんだと思います。雇い主でもある子供のいるスターが、ボディガードを好きになってしまった時のたじろぎ加減というのは、久しぶりに心が動いたんだろうなと。子供がいる役は、『ビリー・エリオット』や、名古屋のドラマで少し演じたことがありますが、実生活で子供がいないので、変に子供を可愛がりそうになります。でも、本当の親子は、ビシっと言う時は言うので、その「本当の親子」感を追求していきたいですね。

――割と近い期間での再演で、皆さんが揃うのはすごいですね。

皆さまとの絆の再演ということで、ほぼメンバーが一緒というのも、すごく嬉しいです。
初演が終わってすぐにみんなに声をかけてくれて叶ったことだと思います。また改めて絆をたくさん作ってやっていきたいです。


柚希さんおすすめの作品はこれだ!

柚希さんおすすめ4作品は、
『ロミオとジュリエット(’10年星組・梅田芸術劇場)』
『激情-ホセとカルメン-(’10年星組・全国・千秋楽)』
『ノバ・ボサ・ノバ-盗まれたカルナバル-(’11年星組・中日・千秋楽)』
『愛するには短すぎる(11年星組・中日)』。


ーーRakuten TVで配信している宝塚歌劇団の作品から、おすすめ4作品をセレクトしていただきました。膨大なリストのなかから選んでいただいた4作品ですが、何を基準に選びましたか?

私が出演した好きな作品についてお話しするときに、『眠らない男・ナポレオン-愛と栄光の涯(はて)に-』『太陽王~ル・ロワ・ソレイユ~』『オーシャンズ11』などをよく挙げているんですが、そうではないところを選んでみました。基本的には今までに話してきた作品とは違う作品を選ばせていただきました。

ーーだからこの時期の作品が集まっているんですね。

そうなんです。自分ではすごく好きな作品ですが、トップになって間もない頃ですし、そんなに詳しくご覧いただいていないんじゃないかと思ったんです。

ーーマニアックなところを選んでくださったなと思いました。

そうでしょ(笑)? 「こっちも観てよ! こっちもいいよ!」という思いです!


ロミオとジュリエット(’10年星組・梅田芸術劇場)

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ーー完成された“星組トップスター柚希礼音”ではなく、そこにいく過程の作品ですね。『ロミオとジュリエット(’10年星組・梅田芸術劇場)』は初演ですね。

初演が忘れられなくて。稽古中からこれはすごいと思っていましたが、全国ツアーのようなスケジュールで、『ロミオとジュリエット』を作るには短すぎる稽古時間でした。宝塚では様々な公演の稽古が同時進行しているので、宝塚大劇場の稽古場が空いていなくて、ドラマシティの地下にある稽古場でやっていました。途中で、ドラマシティが空いたからと劇場を使って稽古させて頂いたんですが、それが良かったんです。舞台で稽古すると鏡もないですし、客席を見てもっとエネルギーを出さないと耐えられないなと。そういう稽古をして迎えた初日でしたから、私達の熱量がすごかったんです。袖から舞台を見ていてもすごかったですね。初日に冒頭の「ヴェローナ」がはじまると、お客様の熱狂の拍手がすごくて。ロミオはまだ出ていなかったので、綿を持ちながら震えるほどでした。大劇場で再演したときは、初演がすごかったことがあって改めて臨んでいましたが、初演は何もわからないまま、思いだけで挑みました。キャストも凄くて、ティボルトの凰稀かなめさん、ベンヴォーリオの涼紫央さん、マーキューシオの紅ゆずるさん、そして死と愛は、現トップの真風涼帆さんと礼真琴さんですから!

ーー伝説の初演を観ていただきたいですね。

自分でも震えた梅田芸術劇場の舞台を観ていただけたらと思います。


激情-ホセとカルメン-(’10年星組・全国・千秋楽)

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ーー『激情-ホセとカルメン-(’10年星組・全国・千秋楽)』はいかがでしょうか?

ホセ役がものすごく好きなんです。好きな女のためにどんどん堕ちて行き、こんなに愛されたら迷惑というくらいですが、何かわかるんです。ここまで好きになったら、「カルメンをどうにかしてあげようよ」と思うくらいにのめり込んでいてすごいので。(夢咲)ねねも、カルメンのような役をするのは珍しいですね。

ーー『ロミオとジュリエット』とは全然違う役ですね。

『激情-ホセとカルメン-』の後に『ロミオとジュリエット』でしたから、私たちも戸惑いました。この順番に観ていただいたらいいかもしれませんね。


ノバ・ボサ・ノバ-盗まれたカルナバル-(’11年星組・中日・千秋楽)

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ーー『愛するには短すぎる(11年星組・中日)』と、『ノバ・ボサ・ノバ-盗まれたカルナバル-(’11年星組・中日・千秋楽)』についてはいかがですか?

『ノバ・ボサ・ノバ-盗まれたカルナバル-』は、宝塚大劇場、東京宝塚劇場を経て、博多座、中日劇場と続きましたが、中日劇場の頃には肩の力が抜けていいと思います。私は初舞台も『ノバ・ボサ・ノバ-盗まれたカルナバル-』で、すごくやりたかった作品でした。思い入れが強過ぎるときは、自分にプレッシャーをかけ過ぎるので、宝塚・東京ではいま思い出すと、ちょっと硬かったかもしれません。博多座・中日劇場では楽しめるようになってきました。ストーリー性があって、素晴らしいショーですね。初演を考えると、当時この作品を作られた鴨川清作さんは本当にすごいと思います。


愛するには短すぎる(11年星組・中日)

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『愛するには短すぎる(11年星組・中日)』も再演作品ですが、初演は湖月わたるさんのサヨナラ公演で、私も出演させていただいた大好きな作品でした。改めて、凰稀さんと一緒に自分達でやってみると、とても勉強になりました。作・演出の正塚(晴彦)先生に芝居を見ていただきましたが、芝居として面白いのではないかと思います。

ーーおふたりの芝居が見どころですね。

さらに、この作品までは、ねねが「柚希さんの相手役」という感じで硬かったですが、正塚先生に「きみはお客さんに良く見られたがっているだろう。もっと開放しなさい」と言われて、ねねの芝居がぐんと良くなりました。私もねねと一緒に芝居をしていて、感動していたので、そのあたりも観てもらえたらいいなと思います。

ーーこれらの作品を経て、柚希さんの黄金期に向かっていくんですね。

まだまだ青っ子の、私とねねを観てください!

ーーありがとうございました!

【関連記事】
夢咲ねねさん独占インタビュー!ミュージカル『October Sky-遠い空の向こうに-』出演

作品情報

ミュージカル『ボディガード』

姉のニッキー・マロン<AKANE LIV>と共にオスカー賞を目指す、歌手であり女優でもあるレイチェル・マロン<柚希礼音・新妻聖子・May J.(トリプルキャスト)>は、ストーカー<入野自由>に付きまとわれ、不審な出来事が続いていた。
マネージャーのビル<内場勝則>の薦めで、ボディガード業を営んでいるフランク・ファーマー<大谷亮平>に身辺警護を依頼するが、彼を邪魔者扱いし、忠告を聞こうとしないレイチェルの態度に、フランクは依頼を断ろうとする。しかし、レイチェルの身勝手な行動から危険な目にあったところをフランクに救われたことで、彼女は彼に信頼を置くようになるのだった。急速に距離を縮める二人だが、フランクは依頼人と深い仲になることに躊躇し、レイチェルを突き放す。そんな二人の関係には亀裂が生じ、警護に支障をきたすようになってしまう。
スターとして走り続けるレイチェル。任務遂行に身を捧げるフランク。狂気を増していくストーカー。
家族が、仲間たちが、愛情、友情、恐怖、嫉妬、欲望がうずまく複雑な感情に揺り動かされていく―

●原作:
ローレンス・カスダン作 ワーナー・ブラザース映画『ボディガード』
●脚本:
アレクサンダー・ディネラリス
●演出・振付:
ジョシュア・ベルガッセ
●出演:
柚希礼音・新妻聖子・MayJ.(トリプルキャスト)、大谷亮平
AKANE LIV、入野自由、猪塚健太、大山真志/内場勝則
青山航士
飯田一徳 小山銀次郎 宮垣祐也 加賀谷真聡 鹿糠友和 落合佑介
杉浦小百合 吉元美里衣 橋本由希子 HitoMin 杉原由梨乃 原田真絢 斎藤葉月

【大阪公演】
2022 年1 月21 日(金)~1 月31 日(月)梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】
2022 年2 月 8 日(火)~2 月19 日(土) 東京国際フォーラム ホールC


ヘアメイク:田中エミ
スタイリスト:後藤則子

Rakuten TVで視聴する

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インタビュー 宝塚歌劇団 柚希礼音
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