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――公演を終えて半年が経って、『紅鬼物語』を思い出すと何が残っていますか?
やはりすごい物語だったなと思います。紅子というひとりの女性を思っても、殿に出会えて良かったねという思いがありつつ、彼女の弱さや過ちが、今も胸にズーンと、愛しさとともに切なさが残ります。作品に対して温かく愛おしい思いと、大切だなという思いがすごく残っています。出会いに本当に感謝しています。『紅鬼物語』と聞くだけで、ちょっとジーンとくるようなものがあります。
――これまでたくさんの物語に出会って、役として生きていくなかで、紅子はどんな感じで残っていらっしゃるんでしょうか。
うーん……「今どうしているかな?」って思う時はちょっとあります(微笑)。今までもそういうふうに思う役はありましたが、特に紅子は、物語の幕が下りているはずなのに、不思議な感覚が残っているんです。

――紅子たちの物語がもう1回《ゲキ×シネ》で観られるお気持ちはいかがでしょうか?
嬉しいですね。久しぶりに『紅鬼物語』の映像を見返したりすると、改めて時が経って、心に刺さる言葉、この時のこの人物の思いなんかが、当時やっていた時とまた違って感じられたりするのが、すごく印象的です。同時に、なぜ紅子は殿のことを信じきれなかったんだろうという切なさも改めて湧いてきます。
公演中は、紅子として日々を生きているので、そう思いながらも、必死に「殿と生きたい」という思いで生きている印象が強かったんですが、今ちょっと時間をおいて、『紅鬼物語』に触れると、なぜ殿を信じて、自分の気持ちを打ち明けられなかったんだろうかとか、どうして殿の愛を信じられなかったのかと、やはりすごく切なく思うんです。
そして、「生きよ」と言われたその約束を守れなかった彼女が、最後にああいう道を選んでしまったことの切なさは、今強く感じます。「あぁ……どうして……」と。彼女は一生懸命生きましたが、切ないし、悲しいなと。今はそういう気持ちになりますね。
――《ゲキ×シネ》はアップで見られたり、迫力がすごいですが、演じていた時の視界と比べて、映像の見え方はどう感じますか?
全然違いますよね。「こんな顔していたんだ」と改めて思うこともありますし、あとはスクリーンならではの息づかい。舞台上で対面している時に肉眼で見る表情と、本当に細部まで映るスクリーンの表情とは、また違ったものがあったり。あらゆるものが、もっとクリアで鮮明です。そういう意味では、スクリーンでの作品は、同じものを映しているはずなのにまた違う作品としてできあがるというか。劇団☆新感線ってすごいなって思います。

――ちょっとドキュメンタリーみたいですね。
そう! 舞台とも違うし、映画でもなくて、ライブ感はすごくあって、でもライブ以上に鮮明に細部まで映ってという、特別なものがあるなと思います。
――お客様にここだけは見逃さないで見ていただきたいというところはありますか?
皆さんもご存じだと思いますが、《ゲキ×シネ》のスイッチングの巧みさは、やはりすごいですよね。どこから映すか、なにをピックアップして、クローズアップするか。それによってまた物語の筋がすごく鮮明になるというか。台本の意図や、いのうえ(ひでのり)さんの演出の巧みさを、カメラワークでナビゲートしてもらえるみたいな。改めて「わぁ、こういうふうに進むんだ」と教えてもらう感覚もあります。お客様も感動されるんじゃないかなと思います。
ゲキ×シネ『紅鬼物語』
2026.3.20(金・祝)全国公開
530288,530289,530290