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『私のボスはネコ!?』歐陽ママとお勉強ちゅう♡ #35

『私のボスはネコ!?』歐陽ママとお勉強ちゅう♡ #35
中国語映画・ドラマの翻訳や、日本で開催されたアジアBLドラマイベントMCなどに携わり、アジアドラマをこよなく愛する歐陽ママが、注目するドラマの台詞をきりとり、読者の皆様に中国語の表現の面白さなどをお伝えする「歐陽ママとお勉強ちゅう♡」。
目次

今週はわんわんにゃんにゃんの『私のボスはネコ!?』からお勉強。猫や犬の“妖(ㄧㄠ|yāo)”「あやかし」がでてきて、人間の世界で普通に生活してるんだけど、っていうか生活どころか自分で会社まで経営してるんだけどね。その妖が昔少女に救われた恩返しをしようと、最初はそういうはずだったんだけど途中から二人の関係は「会社のボスと従業員」でもなければ「猫の妖と人間」でもなくなるっていく。長くても一話20分程度の本作、全7話のコンパクトさで関係の大きな変化がどう描かれるのか!

『私のボスはネコ!?』× “老闆”と部下の秘密の関係⁉

中国語にあって日本語にない言い方や、概念ってもういっぱいあるのよね。“老闆”もその一つ。そういう考え方を日本語ではしないから、あたしらには分かりづらいことがあるの。例えば英語のbrotherは年の上下を分けない(つまり分ける概念がない)けど、日本語は「兄弟」と言って誰が上で下なのかをはっきりと分ける。言葉のうちでも名詞っていうのは、その言葉を操る人たちがどうやって世界を切り取っているのかが分かる、とっても面白い部分よ。今週のポイントは“老闆”!

作品紹介

私のボスはネコ!?

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猫が化けた妖人間と巻き起こす胸キュン・ラブストーリー!

蔣可淇の働く会社のボス雷昊楊は、絵に描いたようなツンデレのワガママ社長。しかし昊楊にはどの「人間」にも言えない秘密がある。なんとその正体は猫の“妖”なのだ! 可淇は子供のころに猫を救ったことがあり、その恩に報いるため昊楊は自分の会社の後継者にしようとしていたのだが、結婚適齢期の可淇の世話を焼くうちに二人の距離は縮まって……。あってはならないはずの“妖”と人間の恋の行方は!?

出演:レイ・チャン(ブライアン・チャン/張睿家)、ヴェラ・イェン、リー・チー、ソニア・ユエン、ゲイリー・タン
監督:ジャン・ルイジー
脚本:リン・ペイユー

タイトルと第一話、社長と部下のキス?シーン

“我的老闆是隻貓⁉” 訳:「私のボスはネコ⁉」

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我(ㄨㄛˇ|wǒ)的(˙ㄉㄜ|de)老(ㄌㄠˇ|lǎo)闆(ㄅㄢˇ|bǎn)是(ㄕˋ|shì)隻(ㄓ|zhī)貓(ㄇㄠ|māo)”
“我的”はもうみんな分かるわよね、「私の」。問題は“老闆”よ。社員が何千人もいる会社の社長も“老闆”、あたしも自分の店では“老闆”、台北の道端にある名前もないような屋台(“路(ㄌㄨˋ|lù)邊(ㄅㄧㄢ|biān)攤(ㄊㄢ|tān)”っていう)の親父さんも“老闆”、公共機関の長もそこで働いている人にとっては“老闆”。どう? 分かってきたかしら。抽象的な言い方をすると「その組織のトップ」を“老闆”というの。だから「上司」と訳せることもあるんだけど、日本語の「上司」はそのままイコールで組織のトップではないから使えないことのほうが多いのね。日本語も「社長!」って半ば冗談みたいに呼びかけることあるけど、その感覚も一緒で中国語でもお客さんに“老闆!”って呼びかけることもあるわ。「今日は何にしますか?」みたいなね。“是隻貓”のところ、“隻”は小さな動物を数える量詞なんだけど、普段は“一隻”「一匹」と“一”が付くんだけどこれは省略することができる。それで「私のボスは一匹のネコ⁉」ということになるのでした。

“請繼續”、“我就知道” 訳:「ごゆっくり」、「思った通りだわ」

第一話、社長室に可淇が「ボス」を呼びに行くんだけど、部屋に入ってみるとそこでボスと犬の妖の部下(手下)が顔を近づけていた……。
その光景を見た可淇の発言。“請(ㄑㄧㄥˇ|qǐng)繼(ㄐㄧˋ|jì)續(ㄒㄩˋ|xù)”、“請”は英語のpleaseと同じ働き。「~してください」や「どうぞ~」という感じね。“繼續”は日本の漢字だと「継続」で、「続ける」の意味。だから「どうぞそのまま続けてください」よ。そして部屋を出てドアを閉め、廊下で可淇がこう言う。“我就(ㄐㄧㄡˋ|jiù)知(ㄓ|zhī)道(ㄉㄠˋ|dào)”、“就”はこれまで何度も出てきておなじみだけど、いままでは基本の意味として「前後の関係を順接でつなぐ接続詞」として説明してきた。だけどここは強調の意味のほうが強いわね。ニュアンスとしては「だから言ったじゃない! あたし知ってたんだから!」みたいな感じ。二人が顔を近づけていたのを見てこういう発言をしてるから、可淇はなんとなくでも「そうなんじゃないか」って疑ってた雰囲気が醸し出されてるってわけ。

世界の切り取り方

さっきは名詞が、その言語を操る人たちの世界の切り取り方が見える面白いものと言ったけど、名付けるってそういうことよね。他のものと区別するから名前が付くんだもの。たとえば日本語では区別しないものを中国語では「別のもの」として区別して名前が付いていたり。
でも一方でシェイクスピアはジュリエットに「私たちがバラと呼ぶものは、たとえ別の名で呼ばれようと同じように甘く香るわ」と言わせている。名前はただの名前であって、本質じゃないのかもしれないわね。

執筆者情報

歐陽(オウヤン)ママ

早稲田大学大学院修了。論文のテーマは台湾の文化。
2012年から2013年にかけて台湾で生活、日本語の先生などしてふらふらする。
新宿二丁目では2021年10月から新しいお店「美麗島」をオープン予定。

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