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近年、台湾の映画界ではホラーがブームになっている。日本にも続々と上陸しており、Rakuten TVでは、ブームの火付け役といわれる『紅い服の少女 第一章 神隠し』(2015年)、その続編『紅い服の少女 第二章 真実』(2017年)、日本でも人気の女優ビビアン・スーが主演した『人面魚 THE DEVIL FISH』(2018年)、ウイルスの突然変異で混乱する世界を描いた『哭悲/THE SADNESS』(2021年)が配信中だ。
そんな台湾から到着した『恐怖都市』は、人々が恐怖と向き合う姿を映し出したスリラードラマ。1話3~10分のショートドラマ全34話を6話にまとめて構成している。
507834 第1話 逃げられない https://tv.rakuten.co.jp/content/507833/
「逃げられない」と題された第1話は、残業ばかりの女性がタクシーを利用するのだが、心配した運転手がアパートの階数を確認して無事に部屋に着いたかを確認していることを知る物語からスタート。単に優しいだけなのか、企みが潜んでいるのか、きっと女性であれば考えることはあるだろう展開に鳥肌が立つ。ほか、バスに乗車している自分では良いことをしていると思っている若い女性の行動が悲劇を生んだり、バスから地下鉄の最終電車に乗り換えようとしている女性が取り間違えたスーツケースの中身に驚がくしたり、眠りから目が覚めた男性がトンネル内に停車したバスに1人取り残されていたりと、車やバスに関連したストーリーで、主人公やその周りの人々が逃げられないという状態に、心臓がキュッとする。
第2話「夜のお楽しみ」では、夜の屋台でおいしさに夢中になってしまうほどの臭豆腐にあった秘密、男女4人組の夜の肝試し、売れない俳優が恋人にそそのかされて殺人鬼の演技をして予想外の展開を迎えるなど、夜の街で楽しんでいたことから一転する様に震える展開が待っている。
第3話は「居住空間」、第4話は「オフィスでの出来事」とサブタイトル通りに自宅やオフィスでの物語。第5話は「向こう側の世界」なのだが、これはサブタイトルだけでは想像ができないことを見せつけられる。洋服店の試着室で露出の多い服装に着替え、写真を撮って楽しむ女子高生2人組や、路上に置かれた人の顔をとらえた絵画に引き付けられた女性、ショッピングモールの警備員の男性たちが向かえる結末は予想だにしない、でも確かに“向こう側”があるのだと感じる不気味な展開に。
507870 第6話(最終話) 泊まっただけで… https://tv.rakuten.co.jp/content/507833/
そして最終話の第6話「泊まっただけで…」は、ホテルに泊まった3人家族、ユースホステルに宿泊する男性、ペット同伴可のホテルを利用する女性などが体験する恐ろしい一夜が描かれる。
都市に暮らす中で触れることになる人々の悪意、好奇心やエゴが生む顛末、ちょっとしたことで陥る落とし穴。さらに霊現象とまではいえなくても、現代においても説明がつかないような不可思議な出来事もあったりする。どの話も私たちの日常で起こりうる、または似たことを経験したことがあるかもしれない、これから経験するかもしれないと想像できることばかり。そんな“恐れ”に次々と縮み上がる。短編集なのでテンポよく進んでいくこともあり、恐怖に震えながらも、次は何が起きるのだろうと見ることが止められなくなる中毒性も潜んでいる。
「紅い服の少女」シリーズにも出演しているアン・シューをはじめ、リン・ボーホン、ジェシー・タン、フー・モンボーら総勢78人の俳優陣が集結。中華圏最大の映画賞である金馬奨やテレビ賞の金鐘奨で受賞したことのある実力派たちの演技が恐ろしさを高める。
(文・神野栄子)
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