主人公のテジュ(ハン・ギチャン)は、財閥御曹司。同じ学校に通うグク(チャン・ウィス)はテジュの父に拾われ、15年間、影のように彼と行動を共にしながらボディガードを務めてきた。親友ではあるが、グクはテジュに逆らえない主従関係でもある。財閥御曹司との身分違いの恋は、韓国ドラマの“テッパン設定”だ。
とはいえ、二人はすぐ恋に落ちるわけではない。華があり女の子にモテモテのテジュと、女の子に興味ナシという硬派なグク。親友という関係からお互いを意識しあうきっかけになるのが、二人の前に現れた転校生ヘミ(チェ・ギュリ)の存在だ。彼女はグクに一目ぼれし、積極的にアプローチを仕掛ける。心の中で大きくなっていくテジュの存在を忘れるためにヘミの誘いに乗るグクに恋愛指南を買って出るテジュだったが、心のモヤモヤが大きくなり、自分の中にあるグクへの想いに気付くこととなる。
テジュを演じるのは、この作品がデビュー作となるハン・ギチャン。大ブームとなっているサバイバルオーデイション番組の火付け役として、I.O.I、Wanna One、IZ*ONEなどのK-POPモンスターグループを誕生させてきた『PRODUCE 101』シリーズ。日本でも『PRODUCE 101 JAPAN』が制作され、JO1やINIをなどJ-POP界を牽引する人気グループを輩出した。その本国シーズン4、X1が誕生した『PRODUCE X 101』(2019年)に練習生として出演していたのが、彼だ。
デビューメンバーに選ばれなくても、グローバルスターへの登竜門となる『PRODUCE 101』シリーズ。番組では最終順位57位という結果だったが、「顔の天才」と称されるチャ・ウヌ(ASTRO)やWanna Oneのオン・ソンウと同じ事務所、ファンタジオ所属だけにルックスは抜群だ。
グクを演じたチャン・ウィスはモデル出身。同じくモデルから俳優に転身したナム・ジュヒョクといったそうそうたるスターたちと同時期にモデル活動をしていたが、ドラマは端役からスタートという下積み派。本作が彼の出世作となった。
そんな二人のビジュアルが並んだ美しさは格別だ。飲食店を営むヘミの母親が「運命の二人だわ!」と目を輝かせたのも無理はない。
また、この作品をきっかけに続々制作されている韓国BLドラマには、K-POPアイドルが出演しているのも見逃せないポイントだ。『Mr.ハート』『リュソンビの婚礼式』にはハン・ギチャンと同じく『PRODUCE X 101』出身のイ・セジン、『Wish you~僕の心の中、君のメロディー』には日本でも活動をしていたMYNAMEのインス、そして『カラーラッシュ』にはTHE BOYZ出身のホ・ヒョンジュン、『カラーラッシュ シーズン2』にはVIXXのヒョギなどトップアイドルの出演作品も多い。
『君の視線が止まる先に』を制作したW-STORYの最新BLドラマ『冬すぎて桜』にも、大人気バラエティー番組から誕生したトロットアイドルグループ、タソッジャン(PENTAGONのフイ、ASTROのMJなど有名K-POPアイドルも所属) メンバーのオク・ジヌクが出演。韓国BLドラマは、K-POPファンのBL入門編としてもおススメだ。
(文・坂本ゆかり)