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ーー企画・制作のきっかけをお聞かせください。
まず、WOWOWの視聴者のみなさんには池井戸さん原作のドラマがすごく支持されているんです。加入してドラマを見続けてくださってる方々にとっても、数年に1回、池井戸さんのドラマが放送されるというのがWOWOWの1つの大きなブランドになっていると思います。これまで池井戸作品の映像化をたくさん手がけてきましたが、今回はいつもと違い、短編を映像化することで多様性のある物語が描けるのではないかと思いました。
ーー長編とは違う難しさもあると思いますが、青木さんとしては『空飛ぶタイヤ』(2009年)でどこよりも先に池井戸潤原作の連続ドラマをつくった自負があるのでは?
そう言われるとおこがましいですが、視聴者のことを意識しながら原作者である池井戸さんにも納得してもらうためにはどうつくっていけばいいか、ということは常に考えてきたつもりです。その意味で池井戸ドラマの経験は豊富だと思います。
ーー1話づつ見どころをお聞きします。まずは町田啓太さん主演の「十年目のクリスマス」。
最初の1本目は今回のスペシャルドラマ全体の世界観を決めるという意味でも非常に大事で、町田さんは『フィクサー』(2023年)というドラマでご一緒しましたが、大事な役をお任せできてよかったと思っています。町田さんと対峙する役の上川隆也さんとは『沈まぬ太陽』(2016年)をはじめ、さまざまなドラマをつくってきましたが、本作では第一話ということもあり、どうしても出てもらいたい、と思って出演をお願いしました。

ーー台本を読む限り、サスペンスというかミステリーというか、そういう風味もあって、導入としてはぴったりな印象を受けました。
実際、出来上がった映像を見てもすごくよかったです。「十年目のクリスマス」というタイトルも12月の放送にふさわしいですし、ストーリーの見どころを話すとネタバレになってしまうので詳しいことは話せないのですが(笑)、先の展開が気になる、見ごたえのある作品になりました。
ーー2本目は菅生新樹さん主演の「芥(あくた)のごとく」。
菅生さんと黒木瞳さんの出演シーンがとても多い作品です。こちらはサスペンスというよりヒューマンドラマ寄りで、特に後半は原作にないオリジナルな部分も加えています。
ーーWOWOWドラマ初主演の菅生さんもさることながら、黒木さんが町工場の社長を演じることが新鮮に感じられました。
私も同じです。原作を読むと、もっと年齢を重ねた人を想像されるかもしれませんが、こういう役をあまりやったことがない黒木さんがチャレンジしてくれたところも見どころの一つです。

ーー菅生さんのお芝居を見て感じたことは?
自分にしっかりキャラクターを飲み込ませて、自然体で演技ができる人だと思いました。役を身近に感じられるような親近感というか、実際にこういう新人社員がいそうな、いい意味で飾らない良さがありましたね。
連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」(WOWOW)