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テレビドラマシリーズと劇場版を通して見る“科捜研の女”長寿の理由

テレビドラマシリーズと劇場版を通して見る“科捜研の女”長寿の理由
沢口靖子主演のドラマ『科捜研の女』がスタートしたのは199910月。テレビドラマシリーズはSeason21まで放送されていて、現行テレビドラマの中では最も長寿のシリーズとなっている。タイトル通り、沢口が演じる主人公・榊マリコは京都府警科学捜査研究所、通称“科捜研”の法医学研究員。「科学は私を裏切らない」と、信念とプライドを持って科学で事件の真相を解明していく。科捜研をメインにした作品は放送開始当時珍しく、新鮮だった。

長寿ドラマで最も重要なのは、登場するキャラクターが個性的で魅力的であること。主人公・マリコは科学捜査官としての腕前は超一流だが、頑固で自分がこれだと思ったことを貫き通し、空気が読めずに周囲とぶつかることも多い。離婚歴があり、元夫が京都府警の刑事部長(現職は警察庁の刑事指導連絡室長)・倉橋拓也(渡辺いっけい)ということもSeason1で明かされている。Season4までのマリコはコミカルに描かれることも多々あったが、“刑事の勘”で勝負する捜査一課の刑事・木場俊介(小林稔侍)と対立しながらも次第に互いを認め合うようになり、マリコの成長していく様子も見られた。

Season5は、タイトルが「新・科捜研の女」(Season9から再び「科捜研の女」に)になり、ここが大きな転機になっている。捜査一課の刑事・土門薫(内藤剛志)が登場し、木場刑事同様、最初はぶつかり合うこともあったが、その後最新シリーズまでバディ的な関係が続いていく。“どんな理由があろうと犯罪は許さない”という信念を持ち、“真っすぐさ”と“正義感の強さ”に関してはマリコと共通している。行動を共にする部下も入れ替わりがあるが、現在はクールだが熱い一面を持つ蒲原勇樹(石井一彰)が相棒だ。

科捜研のメンバーも個性的。マリコの父親が所長として登場するなど、長いシリーズだけにこちらも研究員の入れ替わりも多いが、Season5から登場した日野和正(斉藤暁)は、一研究員から所長に昇進しながらも、長きにわたってマリコを支えている。日野が筆跡などを識別する“文書鑑定”担当で、橋口呂太(渡部秀)は銃器鑑定や交通事故分析などを行う“物理”担当、元国立航空科学研究所の技官の宇佐見裕也(風間トオル)は“化学”担当、デジタルスキルの高い涌田亜美(山本ひかる)は“映像データ”担当、というふうにそれぞれが専門分野を持つ。他に、洛北医科大学の法医学教授・風丘早月(若村麻由美)も科捜研のメンバーからの信頼も厚く、欠かせない存在となっている。

そしてもう一つ、このシリーズの大きな魅力となっているのが、科捜研による研究内容。毛髪や血液型、声紋、筆跡などの鑑定、ウソ発見器などがあるが、技術の進化と共に新しいものも増え、途中からNシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)などを利用したり、映像における解析技術が格段に向上している。

Season20の後に劇場公開された初の映画化作品『科捜研の女劇場版』。“世界同時多発不審死事件”に挑む本作は、シリーズ史上最強の敵といえる微生物学教授・加賀野亘(佐々木蔵之介)が登場し、「こんな捜査方法があるのか!」と科捜研ファンの予想をも上回るスケールの作品に。マリコの元夫・倉橋が約20年ぶりに登場する他、歴代レギュラーも多数出演しており、科捜研ファンにとってうれしい要素も盛りだくさん。

劇場版後に放送されたSeason21はシリーズ“集大成”と銘打ち、“AI”を相手に困難な捜査に挑むなど、ここでも新しいものを見せてくれた。クライマックス感があり、視聴者への感謝の気持ちが伝わってくるシーズンとなったが、“次はどんな方法を?”と期待している視聴者も多いと思うので、また新たな展開があると信じて次回作を楽しみに待ちたい。

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