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『About Youth』歐陽(オウヤン)ママの注目作品紹介

『About Youth』歐陽(オウヤン)ママの注目作品紹介
「そうくるか、分かってるよねー」という感じ。何がって新しいBL作品『About Youth』ですよ。この作品はあたしにとっちゃ一生忘れられない作品になるでしょうね。台湾と同時配信のかなった出来立てほやほやの本作をご紹介。

作品紹介

About Youth

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爽やか高校ラブストーリー

大ヒット台湾BLドラマ『HIStory』シリーズ全8作のプロデューサー張庭翡(ジャン・ティンフェイ)と、『HIStory2 越界』『HIStory3 那一天 あの日』の蔡宓潔(ツァイ・ミージェ)監督が再び組んで制作。全編を彩る美しい音楽と共に描かれる、友情と家族、そして恋に揺れる高校生4人の物語。
父を亡くし、母と二人暮らしの徐啓章(シュー・チージャン)は、高校では全く目立たない存在だった。ある日、学校で人気の葉広とRay(レイ)の登校時に、葉広(イエ・グアン)の誕生日を祝うサプライズのプラカードを強制的に持たされ、彼と再会する。以前、徐啓章が人生最悪の日に助けてくれたのが、葉広だった。葉広はまた、厳格な父の期待と愛情はあるがあまり家にいない母との間で、孤独を抱えていた…。一方Rayは、恋人・林翔(リン・シアン)の好みに合わせて自分の姿を変えて頑張っても、裏切られてばかり。林翔と喧嘩したカフェの店員阿健(アージエン)に助けられ、阿健もまたRayに惹かれていき…。
台湾が映画やドラマで得意とする、高校を舞台にした青春の物語を、瑞々しい映像と音楽で描いた爽やかなラブストーリー。

出演:ジュン・シェン、ハオ・リー、ティム・スー、アンディ・ホアン
監督:ツァイ・ミージェ

現状(第4話まで配信済み)文句の一つもない作品に仕上がっている

「主人公たちがいじらしい」と思ったけど本作とあたし

主人公たちの話をしようと思ったんだけど、冒頭に「あたしにとっちゃ一生忘れられない作品」って書いた。いままでたくさん翻訳関係でもお手伝いさせてもらう機会をいただいてきたあたし。大部分は監修っていうやつで人様が一所懸命になって考えた訳に「はい、間違えてます」の「はい、こっちのほうがいいです」のと好き放題(ではない)言う、これまた大事な役割だった(翻訳は原文にとらわれて日本語としてどう表現するかの感覚を失いがち)のだけれど、本作は頭から尻まであたくしで担当いたしました。だからあたしこの日本で相当早い段階で内容を知るAbout Youth的重要人物ってことだ…。あたしがポロっとしゃべっちゃったりしたらみんなの楽しみが、ぎゃー。そんなわけであたしにとっても非常に記念碑的な作品になったのでした。

『HIStory』という存在はこの台湾沼(台湾のBLを本拠地?とする人々の住処)のあたしたちにとってはただの愛情だけじゃない、いろんな言いたいこと、思ってることのあるシリーズになってるんじゃないかと思うわけ。どう? 文句ある? ただ単にかわいいイケメン俳優を見てキュンキュンしていたあたしたちの目は、シリーズを重ねる毎に「そんなことあっていいわけ?」、「ねえそれって犯罪じゃない?」と視聴者の側も実は見つめる視線を変えていったのだと思う。まあ『HIStory』の話はまた次作があるのを期待してとっておきましょ。
なんで『HIStory』の話から始まったかというと、上の紹介にもあったようにあたしらの馴染みある『HIStory』シリーズの主要監督、蔡宓潔が本作でも監督で『HIStory』全8作のプロデューサー張庭翡が本作でもプロデューサーだから。だから『HIStory』と同じになるのかっていうと必ずしもそういうことじゃないんだけど、持ってる個性って「どんなに押し殺そうとしてもなお出てきてしまうもの」だからねえ。どうなりますか。

もうね、4人とも100点!

主人公たち4人がそれぞれ100点

メインだサブだ、攻めだ受けだタチだネコだ、そんなのどうでもいいよ。正直言ってね、いままではその、あの、「え? あんたなの? 大丈夫かしら」と思った人いたんですよ、それなりの割合で。まあ当然みんなタイプやら好みやらあるからね、あたしが「えええ?」って思ってた人を他の人が好きだって言い出すと内心「うそでしょ!? まあでも二丁目も捨てるごみなしっていうしな」とか思ってたんです。不遜にも。ただ今回のこの作品は違いますよ。メインの徐啓章、葉広、サブのRayに阿健がその4人なんだけどね、まずサブから話そうかな。葉広と同じ高校に通うRay、お顔がセクシー! あたし好み。4人100点っていうことは順位をつけるのをあきらめたの。もう「みんな1位でそれでいい」状態。好みなんだけど、この4人のうち誰が画面に映っているかでその人に心を奪われます。阿健は徐啓章にとってバンドでもお兄さん的存在。だから少し年上なんだけどね、この人まっすぐで不器用なのね。もうあたしみたい! あたしも台湾に住んでた頃相手の家の前で何時間か待ったことあったもん(ストーカーじゃないです)。いじらしいけど、かわいいなと思わされるシーンでした。

メインの二人はギャップCP

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メインの二人は、葉広と徐啓章、特に徐啓章ははっきり言って今までのBLドラマだったらサブの雰囲気だね。ぱっと見のあの小動物みたいな雰囲気あって、眼鏡掛けてるしね。役どころもぱっとしないわけ。学校じゃ目立たないし、葉広から「同じ学校なの?」と聞かれる始末。それが徐啓章役の沈駿の演技でもう見事な昇華を遂げているんですよ! 徐啓章はバンドを組んでいるんですね。それが普段の気の弱そうな眼鏡ちゃんのときとバンドでボーカルのときとものすごいギャップがあるのよね。みなさん、これは見ものですよ。そして普段の眼鏡ちゃんのときも、芯のある目をするときがある。ドキッとしますよ。あたしつぶさに見たから気づいたってわけではないと思うのよね。みんなにも見てもらいたい。
その徐啓章と仲良しになるのは葉広。まあこの両親のイライラすること。教育者なんだけどね、子供に対する態度じゃないだろって。それでよくあんないい子が育つもんだ。高校生の内からフランス語まで勉強させられたりして、将来国連ででも働くのかしら。まあね、なんていうか高校生らしい子よ。学校を代表するイケメンっていう触れ込みだけど、そこまでかなあとも思ったり。笑った顔がかわいいのであたしは容易に恋に落ちるかもね。前に付き合ってた台湾人彼氏の面影を感じたわ。

バンドの演奏 素晴らしい楽曲

第2話の最後のシーン、バンドの演奏があるの。眼鏡ちゃんこと徐啓章がボーカルね。演奏される曲は「Takee It Away」、ドラマのために作られたであろうことは間違いないんだけどこれがクオリティの高いこと。初めてこんなに真面目に楽曲の歌詞に向き合ったわ。ふだんは歌詞なんてそんなに気にしないのよね。まあ今回は歌詞を訳したっていうのが大きな理由だけれども。そうすると結構おしゃれな歌詞だっていうことに気づいたわ。詳しいことは今後「お勉強ちゅう」でも取り上げたいと思っているけど、少しだけ紹介。このドラマ、中国語のサブタイトルは“默默的我,不默默的我們”、これどういうことかっていうと、日本語でいう「黙々と」だね。黙っていること。直訳は「黙っている僕、黙っていない僕たち」バイの関係になるとき押し黙って何も語らぬ僕が変化するというような意味合いが込められているのでしょう。この“默默”というのもキーワードなんだけど歌詞にも出てくるんだよね。“默默陪你 回家的心情”、「君が家に帰るそのときの気持ちに、僕は黙って寄り添うよ」。ここ好き。何も語らずにいいの。黙って隣にいてくれればね。歌詞もメロディーも素敵な主題歌、ぜひ聞いてみてほしい。

素晴らしいBL作品

いまはまだ第4話までしか配信されてないから、どんなエンディングを迎えるのか…謎! キュンキュンしたい勢のみなさん、ご心配でしょうね。あたしもまだどんなふうになるのか想像もできないわ。でも今のところ素晴らしい作品になっています。というか前半4話だけでもこの作品が「素晴らしい」ことは認定できる。それくらい自信をもっておすすめできる。自分にもやわらかい心があって、それがある瞬間に動くことがあるんだっていうことを思い出させてくれるよう。『About Youth』――若さについて。若さを語るには薹が立ってるし、かといって人生の壮大さを語るには青いビミョーなお年頃のあたし、ああそうだそうだ、若さというのはまっすぐに自分の心のあたたかくやわらかいことに向き合う時期なのだと、遠い過去を思い出しました。

執筆者情報

歐陽(オウヤン)ママ

早稲田大学大学院修了。論文のテーマは台湾の文化。
2012年から2013年にかけて台湾で生活、日本語の先生などしてふらふらする。
新宿二丁目では2021年10月から新しいお店「美麗島」をオープン!

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