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https://news.tv.rakuten.co.jp/2023/04/asumirio02.html 【後編】明日海りおさんインタビュー:『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』出演
――今回の作品の企画を聞いたときはどんな印象でしたか? また、作品全体についての印象や、脚本を読んだ感想をお聞かせください。
恥ずかしながら、お話を伺うまでは観たことがありませんでした。動画でどんな舞台だろうと観させていただいた時に、本当に新しいミュージカルで、お化粧品を扱っている作品ということもあって、舞台セットや美術などもとても凝っていて、視覚的にもおしゃれな舞台だなと思いました。また、エリザベス・アーデンとヘレナ・ルビンスタインを演じるふたりの女優さんがとてもパワフルに、素敵に演じられているミュージカルだなと思いました。
ようやく歌稽古が最近始まり、その稽古の前に脚本を読み返しました。ふたりは最後の最後まで顔を合わせませんが、本当に同じような運命を辿っていくんです。結構早い展開で、ドタバタと争い合ったり、貶め合ったりと、ふたりがリンクして出来事が起こっていくのが、すごく面白くて。ここまでライバル心をむき出しにしているのは、日本人ではあまりない感覚かもしれませんが、それがとても気持ちが良いというか。ここまで意地張ってくれると、可愛くも見えてくるし、同じ女性として「ああ本当に格好良いな、こういう生き方は素敵だな」と思えるので、とても面白いお話だと思っています。
――明日海さんが演じるエリザベス・アーデンはどんな印象ですか?
物語が始まる時には、もう事業に成功していて、一番乗りに乗った華やかなところから始まります。彼女もヘレナと一緒で、もともとは田舎の出身で、そこからきっと苦労して、いろいろと勇気を振り絞って、自分の事業を立ち上げてきた、苦労をしてきた人だと思います。プラス、今よりもずっと男女格差があった時代なので、信念やプライド、美意識のような、人生を生きる上での美学みたいなものは、自分の中に確固たるものがある人だろうと感じております。
――その女性像に対しては、共感しますか?
ものすごく好きです。最初は旦那様がビジネスパートナーとしているのですが、彼を宥めながら、うまく転がしながらも、ちゃんと抑え込んでいくところなど、「ああ上手だな」と思いますし(笑)、すごく素敵な女性だなと思います。ここまで喜怒哀楽がはっきり出せるのも、羨ましいなと思ったり。今はまだ、お芝居の方は全然稽古していませんが、そういう部分がチャーミングでもあるなと思います。
――歌の印象や、レッスンの様子などを伺えればと思います。
とても難しいです。バラードっぽいものや、ザ・ミュージカルだなとわくわくする華やかなナンバーなど、バラエティに富んでいるのですが、音型が、いわゆるクラシックのミュージカルにある流れというよりは、ちょっとそこにおしゃれを効かせてあるんです。変拍子といって、4拍子が連なっていくのではなく、想像もしないタイミングで5拍子が入ってきたり、聞き慣れない和音が入ってきたり。それで心情のちょっと不安なところを表していたり、しゃれた雰囲気を醸し出していたりするのだと思いますが、ふんだんに使われているので、すごく難しいなと思って取り組んでいます。「難しそうに歌っているな」じゃなくて「おしゃれだわ」って聞いていただけるように、今は練習に励んでおります。
――台本を読む中で、面白いと感じたシーンや、歌っていて楽しいと思われる歌などはいかがですか?
登場シーンでは、エリザベスが営業しているサロンが出てくるのですが、次々とお化粧品の説明をしたり、すごくウキウキする、アップテンポなナンバーになっています。自分以外のところでは、エリザベスとヘレナのパートナーたちが、「あの女たちは恐竜だ」と歌うナンバーがあります。コミカルですし、パートナーふたりがだいぶ激しいので、「ああ、わかる、わかる!」って共感を呼ぶ場面になるんじゃないかなと思います。
さらに、対峙していない別空間でエリザベスとヘレナが歌い上げる1幕ラストや、長年の戦いの末に顔を合わせる2幕の場面も素敵な楽曲があります。お互いがものすごく「vs.」なのですが、認め合うからこその「vs.」であったり、その意識があるからこそ、とても近くにお互いを感じているんだなということが、象徴的なナンバーになっていて、すごく好きです。
――化粧品業界で成功しているエリザベスということで、ぜひ明日海さんのメイクのこだわりをお聞かせください。
お化粧は自分を切り換えてくれるというか、本当に大事なポイントの1つです。年齢を重ねていくと、見え方というか、自分の肌も変わってきますし、どう見せたいかも変わってくるのですが、なるべく薄くして、欠点を上手に隠せるようなメイクができたらなと、研究をしています。
――普段からご自身でお化粧するのがお好きですか?
好きですね。舞台では自分でメイクをすることが多いですし、春のコスメやクリスマスコフレが出たら、今こういうのが流行りなんだ、今度のパッケージ可愛いな、お化粧品の名前が可愛いな、などと思うので大好きです。
――この春に興味を持っているものはなにかありますか?
そうですね、クッションファンデとか。ファンデーションが、春に向けてUVカットのものや、崩れにくいものなど、軽やかな質感のものに変わるじゃないですか。そのタイミングで、新しく肌に合うものを見つけたいなと思っています。あとは、薄づきだけど、ヨレない、みたいなコンシーラー。やはり肌の見た目、清潔感や艶感はすごく大事だなと思うので、チェックしていきたいなと思っています。
――もしエリザベスのように化粧品を作るとしたら、どんな化粧品を作りたいですか?
そうですね…、なんでも作れるならば、20歳若く見えるよ、みたいなファンデーションとかを開発したいですね。すべてのあらを隠せるのに、厚塗りに見えないみたいな。でも、きっと皆さんがそれを目指して作ってらっしゃるから、良いものが生まれてくるんだと思います。エリザベスさんは、すごくパッケージにこだわっていて、中身より高くつくんじゃないかみたいなものがあります。私もパッケージにすごく惹かれるので、並べて飾るとテンションが上がったり、ポーチに入れているとイイ女感が漂うような、パッケージや色味をこだわってデザインできたら楽しそうだなあと思っています。
――エリザベスは進化を追い求めると思いますが、新しいものを生み出していくパワーを、どう感じていますか?
本当に格好良いなと思います。でも、新しいもの、より売れるものを追求していくのではなく、彼女自身の確固たる美的センスがあり、商売だけに振れてしまわない。女性のために、自分が今まで苦労してきた想いだったり、自分より若い子を見て「上昇志向があってすごい」と見抜いたり。人を見る目があり、女性の心をちゃんと理解している人だから、本当に格好良いなと思っています。
――ライバル関係になる、ヘレナ・ルビンスタイン役の戸田恵子さんの印象や、共演で楽しみにされていることをお聞かせください。
私は特にドラマ『ショムニ』が好きでずっと見ていたので、そのイメージが強いです。だから、意思が強い感じの印象がありました。もちろん意思はお強いと思いますが、すごく柔らかな方で、優しくて、そのギャップに驚きました。
――お会いした時は、どんなお話をされたんですか?
ポスター撮影をさせていただいた時期が、すごくコロナが増えてきた時期で、戸田さんもたくさんお仕事をされているので、なにかあってはいけないと思って、なるべくお話しないようにしていました。でも連絡先だけは交換して、ときどき連絡したりしています。戸田さんはすごくおしゃれなんです。私服がカラフルで。お話できる余裕ができてきたら、「どこで買っているんですか?」と聞いてみたいです。
――トミー・ルイス役の上原理生さんと、ハリー・フレミング役の吉野圭吾さんには、お会いになられましたか?
上原さんは、コンサートのゲストに出演されていたのを観に行った時にご挨拶させていただきました。歌声がすごくパワフルで、ワイルドですが、中身はすごく温かい方なんだろうなと思ったので、お稽古するのが楽しみです。吉野さんは、一方的にいろいろなミュージカルを観させていただいてきたので、まだお会いしたことはありませんが、どんな方なのか楽しみです。
――吉野さんを、舞台でご覧になった印象はいかがですか?
キャラクターを、良い塩梅で作るのが上手というか。結構色のあるキャラクターでも、自在に作っていかれるイメージがあるので、今回のハリー・フレミングはどんな感じになるのか、私も楽しみですし、負けないようにと。
――男性ふたりも、なかなか強烈ですよね。
みんな強烈ですよね。その中では、私が演じるエリザベスは一番ノーマルというか…消えてなくならないように頑張ります(笑)。
――今回の作品で、一番楽しみにしていることは、どんなことになりますか?
やはり、戸田さんとのお芝居です。映像や吹き替え等、いろいろな分野を経験されていて、ずっと続けてらして、各方面から信頼の厚い方なので、実際お芝居をした時にどんな感覚になるんだろうと、すごく楽しみです。お芝居って、やはり上手な人とやっていくことで、一番身についていくものだと思うので。
――こういう風にやってみたいなど、何かイメージしていることはあったりしますか?
まずはプランなしでと思っています。どういう感じの温度感、ボリューム感なのかとか、受け取ってみてですね。あとは、演出のG2さんとは初めてご一緒するので、本当に立ってみなければわからないなと。それも舞台のありがたいところかなと思います。ドラマのようにその日に「はい、今から撮るよ!」ではない、足し算引き算して修正できるのが、良いところだと思うので、皆さんとバランスを見ながらも、ちゃんと素直に、心情が集中して出せるようなところまでいけるように、稽古したいと思います。
――宝塚をご卒業されてから、映像作品もたくさんご出演されていますが、改めて感じる舞台の魅力はありますか?
映像作品に関わらせていただく数がちょっとずつ増えて、やはり舞台も映像も、変わらず総合芸術なんだなと感じています。いろいろなセクションの人たちが、こだわりや情熱を注いで、それが形になっていくのは変わらないとわかってきて、すごく楽しいです。一番違うのは、受け取ってくださる方が同じ空間にいることで、劇場に行って席に座って、観劇を味わっていただく特別感、その日その回にしかない、お芝居や歌などをダイレクトに感じていただけるのは、舞台の一番の魅力かなと思います。やっているほうとしても、やはり受け取り手の方のお顔が見えるというか、その日の空気を感じられるのは、一番の醍醐味ですね。
――舞台上と客席が一体になる、みたいな感じがするものですか?
そうですね、その日によって全然違います。すごく緊張感のある、硬めな雰囲気の時もありますし、その公演が昼なのか夜なのかでも違ってきます。コメディだと反応もわかりやすいですし、逆にシリアスだと、緊迫感みたいなものを、役者さん同士で繋いで、作っていって、パキッと生まれている時もあります。
映像はシーンごとに抜いて撮ったりするのですが、舞台は、最初から終わりまで通して感情をお届けできるので、そういう意味では、よりリアルに近いものがお届けできているんじゃないかなと思います。
――お客様にメッセージをお願いします。
題材からして女性はもちろん観て楽しんでいただけると思います。男性にも、「ああ、こんな女性たちって素敵だな」とか、「可愛らしいな」とか、「ああ怖いな」とか(笑)、いろいろ思って観ていただける、いろいろな年代の方に観ていただける楽しい作品だと思うので、このおしゃれな世界観をぜひ楽しんでいただきたいと思います。
https://news.tv.rakuten.co.jp/2023/04/asumirio02.html 【後編】明日海りおさんインタビュー:『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』出演
ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』
20世紀前半の化粧品業界に革命を起こしたエリザベス・アーデンとヘレナ・ルビンスタイン。二人の創業者は共に貧しい家に生まれるも、独自の発想と行動力でそれぞれのブランドを全米屈指の地位へと押し上げた。アーデンは可愛らしいピンクのパッケージでヒットを連発、ルビンスタインは科学的アプローチを売りにした商品が絶大な支持を得る。順調に売り上げを伸ばす二人だったが、互いをライバル視するあまり、相手の会社を貶めるべく卑劣な罠を仕掛ける。しかし、そのことが却ってお互いを窮地に追い込むこととなる。さらに第二次世界大戦、新興ブランドの台頭、女性の価値観の変容…、抗い難い時代の流れが彼女たちの事業と誇りの前に立ちはだかる…。
●脚本
ダグ・ライト
●音楽
スコット・フランケル
●歌詞
マイケル・コリー
●翻訳 / 訳詞 / 演出
G2
●出演
明日海りお 戸田恵子 上原理生 吉野圭吾 朝隈濯朗 後藤晋彦 俵和也 井上珠美 河合篤子 罍陽子 小林由佳 原広実 彩花まり 美麗 吉井乃歌
【東京公演】
2023年5月7日(日)〜17日(水) 日生劇場
【大阪公演】
5月27日(土)〜29日(月) 森ノ宮ピロティホール
【名古屋公演】
6月2日(金)〜4日(日) 御園座
【京都公演】
6月8日(木)〜13日(火) 京都劇場
201561,263319,310110