今作は孤独を愛する漫画家トゥムテムの前に、人間に変身することができる猫のミャウがやってきたことから始まるハートフル・ラブストーリーで、トゥムテムと生活するうちに徐々にいろんなことを覚えていくミャウの成長っぷりが見もの。そこでトゥムテムとミャウが過ごす素敵な日々と、ミャウの成長記録をお届けします。
心やさしい漫画家のトゥムテム(GapことKittichat Tachahuasing)が、公園でいたずらっこにいじめられていた猫を保護したことから始まる『ほら、耳がみえてるよ!』。最初は飼い主が見つかるまで一緒に暮らすつもりだったが、翌朝起きると猫が猫耳付きの少年ミャウ(JamesことPrapatthorn Chakkhucham)に変身していたことから事態が急変。あまりの愛らしさにハートを撃ち抜かれたトゥムテムは、徐々にミャウに引かれていき、ついにはなくてはならない存在へと変化していくのだった。
しかし、人間に変身して、言葉を話せても、中身はやはり猫。当初は虫を捕まえようとして、部屋中をぐちゃぐちゃにした上に、完成したトゥムテムの漫画データを消してしまう始末で、トゥムテムはもちろん、見ているこちらまで不安になる状態だった。言葉を話せても、意味や道理までは理解できないため、野菜をシャンプーで洗ってしまうような失敗も!加えて、猫だけに本質が自由気ままで、締め切りがあるのに自転車やスワンボートに乗りたいなどとわがままを言って、トゥムテムを困らせることもしょっちゅうだった。
だが、本物の猫と同じように顔だけでなく、仕草や表情など全てがかわい過ぎるため、つい許してしまうトゥムテム。そんな彼のやさしさが伝わったのか、ミャウは徐々に成長していく。例えば、料理を手伝おうとしたり(指を切る)、市場への買い物に着いて行ったり(迷子になる)、失敗を繰り返しながらいろんなことを覚えていく。それと同時にトゥムテムへの思いも強くなり、バンコクではトゥムテムの財布を盗んだスリを捕まえるという活躍も見せる。また、熱を出したトゥムテムのためにお使いに行ったり、洗濯物を畳むお手伝いまでこなすようになる。
成長するのは、生活スキルだけでない。例えば、賞品付きのゲームにトゥムテムと参加した際には、惜しくも決勝で負けてしまったが、優勝した親子を心から祝福してあげたりするのだ。やさしい心を持つことは生活スキルを上げることよりも難しいはずだが、トゥムテムを始め、親切な人々の真心が伝染したのかもしれない。こうして、ミャウは素敵な少年猫に成長していくのだった。だが、変化したのはミャウだけはなかった。ミャウと一緒にいることで過去の黒い記憶から解き放たれたトゥムテムは、以前よりも明るくなり、それが作品にも表れていく。互いにいい影響を与え合う姿を見ていると、見ているこっちまで気持ちが穏やかになるから不思議だ。
素敵なカップルは、この2人だけではない。ミャウの兄のファイエン(BrightことThanapon Apisuttimaitree)と大学講師のイヴァン(Bodo Schaefer)、そして編集者のジン(KrisことZenthelyn Tanwitu)とアシスタントのマニー(PoことWichada Atiwesangkun)カップルもほほえましく、見ていて癒される。タイは常夏の国のためか、のんびりとした作品が多いが、この『ほら、耳がみえてるよ! MEOW~EARS UP! 』はそのなかでも特にの〜んびりとした最強の“ほっこりドラマ”。疲れを癒したい休日に見てみては?
(文・及川静)
https://news.tv.rakuten.co.jp/2024/04/bl-list.html BL関連記事一覧
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