1940年代から活躍していた伝説の写真家ソール・ライター。
過去2回のソール・ライター展は2023年4月から休館中のBunkamura ザ・ミュージアムで行われていたが、3回目の今回は渋谷ヒカリエホールで8/23まで開催中。
カラー写真の先駆者であり、絵画のように豊かな表現力でニューヨークの街の姿をカラフルに撮影、街の姿だけでなく、雑誌「ハーパーズ バザー」や「ヴォーグ」など、有名ファッション誌の表紙をかざるなど、その活躍ぶりは目を見張るものがあった。しかし、突然、彼は表舞台から姿を消す。
「人生で大切なことは、何を手に入れるかじゃない。何を捨てるかということだ。」
「幸福は人生の要じゃない、それ以外のすべてが人生なんだ。」
商業化されたファッション写真に落胆し、1981年に惜しまれながら、ニューヨーク5番街にあった商業写真用のスタジオを閉鎖。晩年は表舞台に出ることが少なくなった。このドキュメンタリーは2012年にトーマス・リーチ監督によって、彼の晩年の姿を映す、貴重な映像作品となっている。
作品詳細
写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと
成功や名声を望まない風変わりな性格だったソールは、個人的な作品を一切発表せず、晩年近くまで一部の批評家だけが知る存在。ところが2006年、写真集で定評のあるドイツのシュタイデル社から初の作品集が出版されると、80歳を超えた老写真家の再発見は世界中で熱狂的に迎えられ、パリのアンリ・カルティエ=ブレッソン財団では初の個展も開かれた。
本作は、そんなソール・ライターの晩年に密着したドキュメンタリー。脚光を浴びることが苦手で、イーストビレッジでの静かな暮らしを愛した写真家に、30代の若き英国人ディレクターがたずねた「急がない人生で見つけた13のこと」とは?