主演を務めるのは、細身な体に端正な顔立ち、ほのかに色気漂うかっこよさで人気のレオ・ロー。Rakuten TVではひと足早く配信された2021年製作の現代劇『嘘つきな恋人~Lie to Love~』も好評だが、その前年製作の本作で彼が演じたのはハイスペックだがオレ様な男性、袁帥(ユエン・シュワイ)。ヒロインの江君(ジャン・ジュン)を演じるバイ・ルーとオフィスラブを繰り広げる。
袁帥と江君は幼なじみ。江君は重度の涙アレルギーを患っていて、泣いてしまうと命にかかわる事態にもなってしまうほど。小学生の袁帥は、そんな江君を守ってくれるよう江君の父に頼まれたのだが、それにはお小遣い稼ぎの面も。そして高校のときには袁帥のある行動がきっかけで泣いてしまい、病院に運ばれてしまった。学校に居づらくなった江君は転校し、袁帥は両親と暮らす海外に渡航と、離れ離れに。
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そんな2人が、MH証券投資銀行部門の面接で再会する。面接に挑んだ江君はその優秀さで最終まで進んだが、投資銀行部門で不敗神話を誇る活躍をしていた袁帥は業界の厳しさに涙アレルギーを持つ江君は耐えられないと不採用を言い渡した。だが、ある事情からどうしても入社したい江君は大胆な作戦で入社を勝ち取る。
実は江君のことを会えない間も含めて10年に渡って思い続けていた袁帥。学生時代のときの守り方も少々難あり、クセありな方法だったのだが、大人になっても心配な気持ちを表に出さない、“ツンデレ”でいうツンツンなやり方ばかり。仕事を辞めさせるためあえて厳しく接したりするのだが、自分の隣に住まわせるために画策するなど“デレ”につながる部分が見え隠れ。そんな具合にどんどん引き込まれていく。
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ハイスペック男子のストレートなかっこよさ、恋が始まる前のアクシデントキス、陰の部分に引き付けられる恋敵の存在、恋が始まってからの見ているこちらが照れるほどの甘々さなど、胸キュンなポイントをおさえた中国現代ドラマのあるある的展開がたっぷり。特に“デレ”が全開となる第20話以降の袁帥の溺愛っぷりが見どころだ。10年抱えていた好きな気持ちをおさえられない様子がかわいく、コミカルさを絶妙な加減で見せるレオ・ローのうまいところで、袁帥をさらに魅力的にしている。
その一方で第20話以降は物語に波乱も。江君が投資銀行部門に入社したかった理由が大きなうねりとなる。オフィスを舞台にしたストーリーの面白さがグッと深まりつつ、そこでも袁帥の“愛”は顕在で、覚悟を決めて突き進む姿も格別なのである。
このレオ・ローとバイ・ルー。今年2023年春に中国の大手動画配信サービス「優酷(YOUKU)」で配信されたファンタジー時代劇『長月燼明』で再び共演して話題になり、本作も改めて注目されていた。愛の力は偉大だけれども、その方向が間違ってしまったり、心に痛みをもたらしたり、思いが届かなかったり、一方通行だったりも。そんなたくさんのスイートでちょっとビターな愛の姿をレオ・ローとバイ・ルーが、江君の親友役のシャオ・イエン、袁帥のライバルで江君の“師匠”役のガオ・ハンユー、袁帥のいとこ役のライリー・ワンらとつむいでいく。そして、その先にはロマンティックコメディとして最高のエンディングが待っている。
(文・神野栄子)
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