第1話でのイットとデイは、互いを思いやる仲のいいカップルだ。イットは大学卒業後、親が経営する自動車整備工場で整備を担当。愛嬌のある性格でみんなから可愛がられているが、デイにだけはわがまま全開で周囲に呆れられている。そのわがままっぷりは実の親も呆れるほどで、デイがケーキを食べに連れていってくれないだけでくだを巻く始末。デイが動けない理由などはお構いなしに駄々をこねる、子供っぽいタイプだ。
一方のデイは、イットの実家が営む自動車整備工場の経営補佐をしているほか、地元で美容室を経営したり、サーキット場を友人と共同経営していたりなど、かなりのやり手。腕っぷしも強く、クールでスマートな男性。デイでなければ、おそらくイットの面倒を見ることは難しいだろうと感じさせるほど、懐の大きいタイプだ。恋人を甘やかすことを楽しんでいるように見えるが、実はデイはイットが自分に甘えるように仕向けているらしい。そうすればイットはデイなしでは生きていくことができなくなり、自分だけのものになるからだと語る。少々怖い考え方だが、今作の奇天烈っぷりはまだ始まったばかりだ。
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そんなある日、デイがイットの父親と仕事で地方へ向かい、当日中の帰宅が困難になる。それを聞いたイットは激怒し、前日から言い続けている“ケーキ屋に連れていけ。ダメなら一生帰ってくるな”と電話口で叫ぶのだった。それを聞いたデイは眠い目をこすりながらバンコクに戻ることにするが、帰り道で事故に遭い、重体に。この事故が原因で、デイは過去3年間の記憶を失った上に、マフィアだった頃の性分があらわになり、暴力的になってしまう。イットや親代わりだったイットの両親のことも忘れてしまい、彼らを激しく拒絶するのだった。
デイはまるで別人になってしまうが、責任を感じたイットは何をされても彼の面倒を見ると誓う。“果たしてイットはデイの記憶を取り戻すことができるのか?”が大きなテーマとなるが、記憶の中には思い出してほしくないものもあった。
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YoeNimの作品はドラマ化が問われるほど激しい内容のものが多く、今作も含めて、タブーな関係性の中から本物の愛は生まれるのか?と問うているようなものが多い。そのため、結末はBL特有のハッピーエンドへ向かっていくが、後半になるにつれてショッキングな展開にもなっていくので、心して見てほしい。
(文・及川静)
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