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――次に『ハリウッド・ゴシップ』をセレクトしてくださった理由をお聞かせください。
当時だからできたお役だと思います。物語の最後って、大成功を収めたり、勝利したりするハッピーエンドが多いじゃないですか。その中で、大成功していくわけではない物語というのが、今見ても珍しいタイプの作品だと思います。映画、映画スター、エキストラの話ですが、最後に大スターになるわけではなく、普通の結末を選ぶところが、この作品の面白さだと思います。
505841 (C)宝塚歌劇団 https://live.tv.rakuten.co.jp/content/505841/
当時はすごく色濃い役が多かった中で、久しぶりに普通の男の子役をいただいて、すごく悩んでしまい、演出の田渕(大輔)先生ともたくさんお話をして作った作品です。だんだんと時を経て「あの時の気持ちはこうだったんだ」とわかっていく作品だったなって思いますね。
ストーリーもすごくわかりやすい作品ですし、ダンスナンバー、歌のナンバーもたくさんあって、どれも全部好きです。映画スターの話なので、現実とは感じにくいかもしれませんが、身近に感じるような気持ちを描いているので、すごく好きなんですよね。
ダイナーで潤花ちゃんと普通に喋っているところとか、最後にふたりで歌う曲のタイトルも「当たり前の結末」なんですよね。結末ですが「ここから始まっていくんだ」という感じで終わりますし。
共演者の方々はすごく個性的なキャラクターで、彩凪さんや、当時専科だった梨花ますみさん、夏美ようさん。個性のぶつかり合いみたいな、本当にこういうスターやプロデューサーがいたんじゃないかなというところも感じていただけます。
あとは、私はフィナーレナンバーがすごく好きです。KAORIalive先生のフィナーレナンバーですが、劇中の楽曲で構成されていて、タンゴがあり、男役のがっつりしたダンスがあり、娘役さんとの華やかなダンスがあり。そして、ちょっとフレッド・アステアを意識した映画の話なのですが、潤花ちゃんとのデュエットダンスは、私も本当に大好きなダンスのひとつで、今でも思い出に残りますね。途中にふたりの掛け合いがあったり、お芝居チックになっているところもすごく好きで。舞台の使い方も、斜めに使ってまっすぐふたりで歩いてくるとか、最後までその世界観の中で楽しめる作品かなと思います。
彩風咲奈 1st Concert 『no man’s land』