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――『ホリデイ・イン』へのご出演を最初に聞いたときの思いをお聞かせください。
柚希:最初に台本と映像を見させていただいて、王道のハッピーミュージカルで、心が温まり、すごく良いなと思いました。自分がリンダ(・メーソン)役が務まるかはまだまだ不安ですが、ねねがライラ(・ディクソン)役で、とても楽しみだなと思いました。
夢咲:私も台本を頂いて、読ませていただきましたが、1940年代のアメリカンで、曲もハッピーですし、すごく楽しい作品だろうなと思いました。そして、やはり私も、ちえさん(柚希)さんがリンダを演じられるって、すごいことだなぁと思って!
柚希:ねえ~!
夢咲:まさか、退団して10年目なので。
柚希:ようやく共演だね。
夢咲:ご一緒できるのが嬉しいと、素直に思いました。
――共演になるといつ知ったんですか?
夢咲:私がお話を頂いた時には、ちえさんとはお聞きしたんですが。
柚希:私が決まってちょっとしたら「夢咲ねねさんで行こうと思います」と伺って、「ええ~! ねねで~!?」となりました。
――今回はブロードウェイ版のレプリカではなくて、振付や演出が全く新しいということですが、そこに対する印象や、楽しみにしていることをお聞かせください。
柚希:レプリカでももちろん素晴らしい作品ですが、私たちバージョンで作り直してくださるのがすごく楽しみです。振付・演出のビル・ディーマーさんにお会いしたのですが、「あなたはすごく踊れるらしいから、いっぱい踊らせようと思う」とおっしゃっていて、すごく楽しみです。一から振付もつけ直してくださって、自分たちに合うようにしてくださいますし、キーも自分たち用に合わせてくださるということで、本当に素晴らしい環境でさせていただけるなと思います。
夢咲:私もビル・ディーマーさんにお会いしたのですが、「なんかちょっと踊ってみよう」と、ビルさんに振りを頂いて、ちょっと踊ってみることになって。途中からビルさんも一緒に踊ってくださって、ふたりで「イエーイ!」みたいな、すごく楽しい雰囲気でした。ビルさんもすごく明るくて、いろいろと経験されてきた大先輩の方なので、いろいろ教えていただけるのは、すごく刺激になりますし、光栄なことだなと思います。
――ブロードウェイの映像をご覧になっての印象はいかがでしょうか?
柚希:すごく面白くて、何回も観ちゃいます。本当にほっこりで、最高なんですよ!クリスマスシーズンの前ぐらいに公演ができたら、もっと最高かもというぐらい。もう1回クリスマスが来てほしいような気持ちになります。
夢咲:ショー場面が結構多くて、私も多いですが、リンダさんもすごく多いですよね。
曲ごとに色も全然違っていて、クラシカルなものや、いろんな明るいバージョンの曲があるので、見ていて飽きないというか。誰も悪い人もいないですしね。ただただ、ハッピーミュージカル!
柚希:ライラも本当に面白くて可愛いよね?
夢咲:ただただハッピーな人ですよね。
柚希:だからライラにもすごく親しみを感じるだろうし、ある年齢を超えた、夢を1回諦めた女性たちは、リンダに共感するところがたくさんあると思います。でもハッピーなんですよね。だから、ハッピーミュージカルであり、共感するところもある作品ですね。
夢咲:いろんな人の、いろんな種類のハッピーが詰まっている感じですよね。
柚希:そうそう。自分でも、これから何が幸せかを、考えさせられるような時もあったり。どこに住んで、何が一番良いんだろう、仕事なのかとか、考えさせられます。
――おふたりが演じる役について、役のイメージや、魅力的な部分はどんなふうに考えていますか?
柚希:リンダはブロードウェイで舞台に立つことを夢見ていたのですが、家庭の事情で田舎に帰らなければいけなくなって、学校の先生をしています。夢についてはもう一切考えていなかったのに、坂本さんが演じるジム(・ハーディ)が引っ越してきてくれたおかげで、ちょっとずつ、もう一度好きだったことに触れて、花開いていきます。そこがすごく好きなところです。夢を遠ざけていたのですが、やはり好きだったんだなって思っていくところに共感します。
――そこが共感するところでもあり、やはり魅力的だなと思うところでもありますか?
柚希:そうですね。魅力的だなと思うのは、自立した素敵な女性になろうとしていますが、なりきれてないところなど、すごく可愛らしい面があります。(完璧じゃないところが)素敵だなと思います。
夢咲:ライラはすごく野心に溢れているというか。自分の夢のためなら何も厭わないみたいなところがすごくかっこいいなと。ある意味、すごくポジティブですし、自分のマイナスさえもポジティブに変えていくというか。こういう女性が友達にいたら面白いだろうって。リンダさんとは真逆のような魅力の女性かなと思います。
柚希:本当だよね。
――自分と演じる役の似ている部分はありますか?
柚希:ねねは違うだろうね(笑)。
夢咲:そうですね(笑)。
柚希:一見、あっけらかんとした役は観たことがありますが、本当のねねとはすごく違う。
夢咲:だから、ちょっと挑戦になるなとはすごく思いました。
柚希:私もリンダを演じるのは、多分、挑戦になるよね。全然違うよね。
夢咲:でも、リンダさんの波長と、ちえさんの波長は、すごく合うんじゃないかなと思って、台本は読ませていただきました。
柚希:そうなんだ!あんまり演じたことのないようなタイプだから、リンダを通して、新たな発見があるようになっていきたいなと思います。
――柚希さんご自身は、むしろ夢を実現したほうじゃないですか?
柚希:実現しようと今も必死にしています。リンダは家庭のことで諦めましたからね。
――そうすると、そこは新しい思考が入ってくる感じでしょうか。
柚希:そうですね。
――夢咲さんもライラを通して新しい思考が入ってきますか?
夢咲:考え方など、すごく刺激的です。舞台以外の時間なんていらない!みたいな女性なので。でも確かに、宝塚に入団したばかりの若い時は、そういう勢いでいたので、本当に舞台が大好きみたいなところは、私が持っているところもあるのかなと、今考えて思いました。
――アーヴィング・バーリンの曲も見どころだと思いますが、曲を聞いたり、歌っていていかがですか?
柚希:すごく良い曲ばっかりで、すごいよね。
夢咲:つい口ずさんじゃう。
柚希:そう!家でもずっと口ずさんじゃう。
夢咲:そうですよね!わかります!
――お気に入りの曲はありますか?
柚希:『White Christmas』は、やはり素敵な曲だなと。
夢咲:お~!と思いますよね。
柚希:みんなが知っている曲が、この作品のもとになっている映画のためだったなんてすごいですね。どの曲も良いんですよ。歌稽古していて、これも知っている!みたいな。
――この作品の曲とは知らずに聞いていましたか?
柚希・夢咲:そうですね。
柚希:歌いこなせるかはわかりませんが、贅沢です。
夢咲:私は個人的に『Heat Wave』がすごく好きです。舞台以外の時間テッドとライラの曲ですが、同じ曲を歌っていくショーナンバーで、ずっと同じことを言っているんです。ずっと同じメロディーですが、映像で観た時は、その都度いろんな感じに変わって、場所と時がどんどん変わっていって。ライラが夢に向かって成功していくみたいな。夢にちょっとずつ近づいていくライラとテッド(・ハノーバー)で、ノリノリの曲で、すごく好きです。
――『REON JACK』や『RUNWAY』でご共演はありましたが、宝塚退団から10周年で、お芝居では初共演、しかも女性同士の役ですが、どこが楽しみとか、わくわくするところはありますか?
柚希:多分私がすごく恥ずかしいと思います。辞めてからねねと関わる時は、同じ「柚希礼音」でもショーとかでしたから。「なんとかだわよ」とか言われたら、ねえ。
夢咲:だわよ(笑)。
柚希:新しいよね?
夢咲:新しいです。ただ、そんなに絡むことはないんですよね。前半部分で私がバーってかき回して。
柚希:最後のほうに、ほんのちょっとだけ絡むね。
夢咲:そこがすごく楽しみです。
――稽古場で、坂本さんと柚希さんがお芝居されているところを、夢咲さんが前で見ていることになりそうですね?
柚希:ほんとだ!それはちょっと恥ずかしいですね!
夢咲:楽しみです!
柚希:私が男役の時に、女性役でショーをやっているのを見てもらうだけでも恥ずかしかったですから、恥ずかしいでしょうね……。どういう気持ちで、壮一帆さんとあゆっち(愛加あゆ)はできたんだろう?
夢咲:確かに(笑)。
――壮さんと愛加さんも退団後に共演されていますね。『RUNWAY』でご一緒されていた時に、『ホリデイ・イン』について何かお話されたりはされたんですか?
柚希:『REON JACK』から半年間一緒で、3作品一緒なんだよね。
夢咲:はい!
柚希:だから、ずっと一緒だ~みたいな。
夢咲:公式発表になる前日とかに「明日発表だね」みたいなことをやりとりしました。
柚希:「ポスター撮影いつするの」とかも話したね。
――おふたりの共演に対して、反響はありますか?
柚希:すごく喜んでくださって、嬉しかったです。
夢咲:私も嬉しいです。
――退団されてから10年の間、お互いの活躍をどんなふうにご覧になっていましたか?
柚希:毎公演は観れてませんが、近い存在で、ずっと観ていました。
夢咲:私は男役さんの姿を6年間ずっと見させていただいていましたが、退団してから数々の女性を演じるちえさんを観せていただいて、こんな表情もされるんだなとか、感慨深く観させていただきました。
柚希:ええ~!私も例えば、宝塚時代にこの音が苦手だったのに、それを克服していってるな、すごいなと思ったり。とらわれていたものがなくなって、楽しそうにやっている姿に感動していました。
夢咲:ちえさんが宝塚で舞台に立たれている時も、自然体で男役女役にとらわれずに存在されていました。よく「ちえさんの女役を観てショック受けた?」など聞かれるのですが、全くなくて。ちえさんが舞台で生きてらっしゃる姿を観させていただくみたいな感じで、すごく素敵です。
柚希:だから一番の応援者みたいになっていますね。退団後は、「あの鬘良いと思います」とか。「女性」がわからないから、いろいろと教えてもらっていました。
夢咲:いえいえ。
――今応援者という言葉が出ましたが、夢咲さんにとってはどんな存在ですか?
夢咲:何て言うんですか。本当に不思議ですが、上級生とか、家族とか、すごく身近な存在だと私は勝手に思わせていただいていて、「お姉ちゃん」みたいな。
柚希:確かに(笑)。
夢咲:それぐらい近しい方だなと、私もすごく頼らせていただいています。『RUNWAY』もめちゃくちゃ甘えさせていただいてました。
柚希:本当に『RUNWAY』も楽しかったです。
夢咲:ずっとくっついていました。
柚希:いつもそばにいて。
夢咲:「うざくないですか~」とか言うと、「大丈夫やで」って。
柚希:大丈夫やで(笑)。
――相手役となられる、坂本さん、増田さんとはこれからお会いになられるとのことですが、それぞれミュージカルにご出演されているおふたりですが、これまでご覧になったことはありますか?
柚希:私はないんです。お噂は伺っているんですが、舞台は拝見していないんですよ。
夢咲:増田さんは『20世紀号に乗って』を拝見しました。たまきち(珠城りょう)が出ていて、観させていただきましたが、たまきちもすごく綺麗でしたね。『20世紀号に乗って』もコメディだったんですよね。宝塚でも上演されたと伺いました。すごく面白い方というか、コメディもされて、歌も歌えて、踊りもできて、すごい方だなと思いました。まさか共演させていただくとは思いがけずです。
――坂本さん演じるジムと、増田さん演じるテッドは、おふたりからするとどんな人物だと、今の時点では思われますか?
柚希:お二人ともぴったりだなと思います。
夢咲:本当に。
柚希:お二人に置き換えて台本を読んでいます。坂本さんの誠実な、素朴な、真面目で可愛らしい部分が、すごくジムに出てくるんだろうなと思いますし、テッドの増田さんも、本当にそういう感じなんじゃないかと、勝手に思っています(笑)。本当の増田さんは全然知りませんが、イメージする増田さんにぴったり。すごく面白くテッドを演じられるんだろうなと想像しています。
夢咲:そうですね。
柚希:二人が揃ったら面白すぎない?
夢咲:面白いと思います。
柚希:テッドとライラ。
夢咲:テッドとライラ!?どうなるか楽しみです。坂本さんは撮影の時に前後だったので、ご挨拶だけさせていただいたんですが、その時からもう優しい、何でも包み込まれるみたいな雰囲気を感じて、本当にジムにぴったりだなとすごく思いました。
――増田さんと、夢咲さんは誕生日が同じで、7月4日だと……。
夢咲:えっ! そうなんですか!? すごい!
柚希:すごい!
――アメリカの独立記念日ですね。
夢咲:そうなんですよ! じゃあ、同じ星を持ったとか言ったら失礼すぎますね……(笑)。なかなか珍しいことかも知れません。
柚希:同じ誕生日なんてね。
夢咲:ちょっと話しかけてみようと思います……。
――改めて、この公演を楽しみにしている方に向けてメッセージをお願いします。
柚希:ショー要素もたっぷりあって、見応えがあります。音楽も良く、振付もきっと素晴らしく、そしてストーリーもすごく可愛らしくて、最高だと思いますので、ご覧いただきたいです。
夢咲:私はオーバーチュアが大好きなんです。そこでその作品の世界に入れますよね。プロローグもめちゃくちゃノリノリの曲なので、そこでガッと『ホリデイ・イン』の世界に引き込まれると思います。ショーナンバーが続いたり、キャラクターが濃くて、ひとりひとりにストーリーがあって、その人生について描かれていて。その歩み方を観ていて、この役のこの気持ちわかるとか、この女性はこう進んでいくんだとか、いろんなドラマが見れてすごく楽しめると思います。終始ハッピーな作品になるので、本当にハッピーを感じたい方はぜひぜひ何度でも劇場にお越しいただけたら嬉しいなと思います。
――4月1日開幕で、ハッピーな作品で、春の新年度スタートですね。
夢咲:確かに! 新生活で大変だとしても、観ていただいたら、明日を頑張れるエネルギーが絶対にもらえると思います。
柚希:そうですね。
――宝塚時代からおふたりを知っているファンの方に向けてのメッセージも、ぜひ頂けますでしょうか。
柚希:宝塚時代のコンビを知っている方から見たら、そう絡むか!となるんじゃないかなと。まず、一緒にミュージカルに出演していることがすごく新鮮で、喜んでいただけると思います。私たち自身も新鮮です。
夢咲:はい。
柚希:すごく楽しんでやっていると思うので、ぜひその姿を観ていただきたいです。
――退団されても、新しい形でおふたりを拝見できるのは熱いですね。
柚希:女役同士でね。
夢咲:はい。組ませていただいてから、ずっとちえさんの舞台を観させていただいていますが、リンダって新しいキャラクターだと思うんです。
柚希:ねえ! 新しすぎるんだけど(笑)!
夢咲:新しいちえさんがまた誕生するんだなと思いますし、私もライラみたいな役は、多分退団してから演じたことがないと思うので、また新しい形で共演させていただけるのがすごく嬉しいですし、お客様にも喜んでいただけるんじゃないかと楽しみにしております。
ミュージカル『ホリデイ・イン』
●あらすじ
ジム・ハーディ、テッド・ハノーバーとライラ・ディクソンの3人組は、ニューヨークのショーで活躍するステージ・パフォーマー。ジムはショービジネスの世界にすっかり幻滅してしまっていたことから、引退してコネチカットの田舎で農場を経営することを決意する。ジムの恋人であるライラは彼から結婚を申し込まれるが、ショービジネスの世界でもっと活躍することへの夢を諦めきれず、ジムと別れてテッドと共にショーを続けることにする。
ライラを失ったジムは、農場経営もうまく行かず、歌もダンスもない退屈な生活にすっかり落胆していたのだが、あるとき、農場の管理人のルイーズと祝日限定でショーを上演するホテル「ホリデイ・イン」として営業することを思いつく。コネチカットで出会った才能豊かな学校教師のリンダ・メーソンや仲間と共に華麗なショーを繰り広げ、ホリデイ・インは大成功。ジムとリンダの2人は、いつしか互いに惹かれ合うようになっていく。
一方、一緒にショービジネスを続けることになったテッドとライラの2人はハリウッド映画進出のチャンスを掴むが、ライラにはあっという間に別の恋人ができてテッドの元を去ってしまう。ライラを失い傷心のテッドは、ハリウッド進出のためのダンス・パートナーを探しにホリデイ・インにやってくる。テッドはリンダに目をつけるが、ジムはライラの時と同様に、自分の恋人が再びテッドに取られてしまうかもしれないという不安から、リンダの存在をテッドに隠し通そうとするが……。
ジム、リンダ、テッド、ライラ、この4人の愛と夢が交錯する物語の行方はいかに!?●スタッフ
音楽:アーヴィング・バーリン
脚本:ゴードン・グリーンバーグ、チャド・ホッジ
演出・振付:ビル・ディーマー
振付補:アシュリー・グラハム
翻訳・訳詞:高橋亜子
●キャスト
坂本昌行 増田貴久 柚希礼音 夢咲ねね 保坂知寿
武藤寛 斎藤准一郎 藍実成 石川里奈 鯨井未呼斗 小島亜莉沙 鈴木万祐子 根岸みゆ
春口凌芽 MAOTO 森内翔大 吉田彩美 米島史子
岩下貴史 皆川梨奈(スウィング)●公演情報
【東京公演】東急シアターオーブ
2025年4月1日(火)~16日(水)
【大阪公演】SkyシアターMBS
2025年4月22日(火)~5月1日(木)
<柚希礼音>
スタイリスト:間山雄紀(M0)
ヘアメイク:佐藤エイコ(ilumini.)
<夢咲ねね>
ヘアメイク:山本絵里子