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343964 (C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED https://tv.rakuten.co.jp/content/343964/
ポン・ジュノ監督によるアカデミー賞作品賞受賞作『パラサイト 半地下の家族』(2019年)は、雨水が流れ込む半地下で暮らす貧しいキム一家が、豪邸で暮らす裕福なパク一家に巧みに取り入り、寄生するように生活を浸食していくブラックコメディ&サスペンス。社会格差を痛烈に描きつつ、緻密な伏線と衝撃の展開で見る者を引き込む。
本作で話題になった料理が「チャパグリ」だ。インスタントジャージャー麺「チャパゲティ」と、もちもちした麺とピリッとした味が特徴のインスタントラーメン「ノグリ」を掛け合わせて作るB級グルメ。映画の影響で日本でもブームになり、新大久保ではチャパゲティとノグリの袋麺が「チャパグリセット」として販売されていたほどだ。B級グルメといえどお金持ちのパク家のチャパグリには高級な「韓牛サーロイン」が入っていて、庶民的なジャンクフードが、映画のテーマである「格差」を象徴する料理となっていたのもポン・ジュノ監督らしい。
338730 (C)2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED https://tv.rakuten.co.jp/content/338730/
アクション・コメディ『エクストリーム・ジョブ』(2019年)は、公開当時、韓国で歴代興行収入1位を記録し、観客動員数は歴代2位となる1,626万人を突破した大ヒット映画。麻薬組織のアジトを24時間監視するために、アジト前にあるチキン店を偽装営業しながら潜入捜査することになった麻薬捜査班の刑事たち。しかし試行錯誤して作り上げたチキンが評判を呼び名店として名を馳せるようになり、本業そっちのけで大忙しになる。笑いと痛快なアクションが詰まった作品。
韓国で「チキン」といえば、「フライドチキン」のこと。ビール(韓国語でメクチュ)のおともとして欠かせない存在で、チキンとメクチュを合わせた「チメク」という造語も一般的。「チメクしない?」というように使われている。韓国のフライドチキンは、日本の唐揚げとは異なり、衣がサクサクで、ヤンニョム(甘辛ソース)やガーリック醤油などの味付きが基本。作中に登場するのは、秘伝のタレを使った「麻薬チキン」とも呼ばれるものだ。本作を見る前に、「チメク」を準備しておくことをおススメする。
436037 (C) 2021 CJ ENM Co., Ltd., TWELVE JOURNEY ALL RIGHTS RESERVED https://tv.rakuten.co.jp/content/436037/
『恋愛の抜けたロマンス』(2021年)は、恋愛を放棄したアラサー男女のラブストーリー。手痛い失恋から「恋愛引退」を決意したが寂しさには耐えられない29歳のジャヨン(チョン・ジョンソ)と、仕事も恋愛もカモにされる33歳のウリ(ソン・ソック)がデートアプリで出会い、恋愛抜きの関係からロマンスを育んでいく。
韓国の定番麺料理「冷麺」。作中には、牛骨スープのあっさりとした味わいに、歯ごたえのあるそば粉の麺が特徴の「ピョンヤン冷麺」が登場する。名前も目的も本音もすべてを隠してアプリで出会ったふたりが、冷麺をすすりながら何気ない会話を重ねることで次第に距離が縮まり、その関係値が変わっていく。酸味のある酢や辛子を加えて、自分好みの味を作り上げていく冷麺のように、味気ないジャヨンとウリにふたりだけの味が加わっていくような、大人の恋模様と軽妙なやりとりが魅力的だ。
(文・坂本ゆかり)
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