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――最初にオファーを受けた時の気持ちを聞かせてください
木村:私自身、サバイバルものがすごく好きで、日本でこういう作品に携われるとは思ってなかったので、まずは一旦一視聴者の立ち位置でプロットとその時にあった台本を読ませてもらいました。そうしたら「もう終わっちゃった!」と思うくらい夢中になってしまって、まだ返事もしてなかったんですけど、やる気でいました。
――プロットと初期段階の台本を読んで、一気に世界観にハマってしまったんですね。
木村:はい。「こういう感じです」っていうリファレンス作品として挙げていただいていた作品が『クワイエット・プレイス』と『バード・ボックス』という、いずれも女性のヒロインが生きるために大事なものを守って戦って生きていく作品で、個人的にすごく好きで何回も繰り返してみていたので、「やらない」という選択肢はなかったです。
――田中さんはオファーを受けた時どうでしたか?
田中:ゾンビものがすごく好きで、マネージャーから「こういう作品の出演依頼が来たよ」と言われて、すごく興味を持ったんですけど、ちょっと怖いなと思ったのが、“ゾンビ”をラジオで散々ネタにしていたので、チープな感じだと面白くなっちゃうんじゃないかって。でも、監督の話を聞いたり、作品のプロットやストーリーを教えてもらった時に、自分がゾンビものが好きとか置いといて「見てみたいな」って思ったんです。そう思える作品に出られるのはいいなと思ったので、早い段階で「やります」と言いました。
――ゾンビ作品にはいつか出たいなと思っていたんですか?
田中:そうですね。でも、ゾンビを題材にした作品は日本では多くないし、さっきも言ったようにラジオとかで面白おかしく喋ってネタにしていたので、どうなんだろうなと思っていました。でも、「こういうふうに作りたい」みたいな短いパイロット版映像があって、それがすごくかっこよくて手が込んでいたんです。こういうものまで用意してもらったんだなと思ったら、「これはやらなきゃ」って。
――最初のプロットの時から「時代劇」という要素もあったんですよね?
木村:ありました。それが私は不思議としっくり来た感じがあって、逆に、現代が舞台の方がゾンビと合わないんじゃないかって思ったんです。昔の方が風習的に、火葬ではなかったと思うので生き返ってもおかしくないんじゃないかなって。
――確かに、言われてみればそうですね。
木村:洋服がボロボロというのはたくさんみたけど、着物がボロボロで引きずっていて、髪の毛がブワーってなっているのってみたことなかったのでワクワクしちゃう感じがありました。
田中:そうそう!話を聞いて「面白そう」って思うと同時に、そういうのを見たことがないなって思いました。
――今回、お二人は初共演ということですが、共演してみての印象を聞かせてください。
木村:実は、二人が演じる役の物語が並行して進んでいく感じなので、共演シーンは多くないんです。でも、印象的だったのは“殺陣”ですね。田中さんと山本耕史さんの壮絶な殺陣のシーンがあるんですけど、その時の関係者とかスタッフの観客数が他のシーンの2倍くらいだったんです。しかもちょっと夜遅めの撮影だったんですけど、「え?こんなに人がいたんだ!?」ってくらい集まっていました。でも、実際に見てみたいって思えるくらいのかっこいい殺陣だったんです。殺陣の経験はほぼないんですよね?
田中:そうですね。殺陣の経験はなかったです。
木村:それなのに、あの手練れの山本耕史さんとバチバチにやり合っていて、その身体のどこにあんなエネルギーをしまっていたんだろう?って思いました。一日だけ一緒に練習する日があって、私は別の殺陣のシーンの練習をしていたんですけど、殺陣指導の先生がテンションあがっちゃってて、「あぁ、かっこいい!」って言ってました(笑)。日頃鍛錬されているのは殺陣ではないですけど、五感を使うことをたくさんやられているから、すぐに対応できていたのかなって。
田中:“士郎”は刀の作法を基礎から習っている人物ではなくて、地下牢にずっと閉じ込められていて、そこで独学で勝手に刀を振っていたという役柄なので、「刀はこう振らなければいけない」「こう持たなければいけない」という決まりみたいなものがないんです。だから構え方も独特で、ダランと下げている時もあったりとか、そういう設定にだいぶ助けられました(笑)。
――殺陣のシーンの撮影は、思っていたよりも大変じゃなかった感じですか?
田中:いや、大変でした。殺陣のシーンの撮影をした2日間はハードな日で、日が沈んでから朝日が昇るまで、みたいな。とにかく寒いんですよ。僕の衣装が白で、着流しみたいな薄着なのでサポーターとか着けられなくて。
――殺陣が大変だったというよりは、寒さがつらかったんですね。
田中:はい(笑)。殺陣に関しては、山本さんが「カメラがこっちから撮るみたいだから、ここでこう振るから、そこにいて。そうしたら本当に斬りに行ってるように見えるから」みたいなことをカットごとにアドバイスしてくださって、全体的にリードしてもらえたので助かりました。
――“殺陣”に興味が湧いたり?
田中:いやぁ、結構大変だなと思いましたね。今回、基礎がちゃんとしていない役でも大変だったのに、たとえば本物の“武士”をやるとなったらもっと大変なんだろうなって思いましたから。
――田中さんは、木村さんと共演してみてどういう印象を?
田中:さっき木村さんが言ってたとおり、共演シーンは多くなくて、そんなに話をしてなかったんですけど…。(木村に向かって小声で)人見知りですか?
木村:はい、人見知りです(笑)。
田中:やっぱり! 俺もそうだから。撮影の時も物語が後半に進むにつれて打ち解けて和気あいあいとなっていったワケでもなく、裏でもそういう距離感でした。というのは、人見知りの人にだけ分かる距離感っていうのがあるんです。「ここはお互いに入らないほうが居心地いい」みたいな。木村さんも同じように感じていたんだと思うんです。
『連続ドラマW I, KILL』(WOWOW)