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――俳優としての木村さんの印象は?
田中:お芝居に関しては、すごく合わせていただいてるなっていうのを感じました。自分のセリフが出る時に違和感を覚える瞬間が全くなくて、そういうのも含めて、何かを引き出していただいたんだろうなって。「こう来るか!?」「ちょっと言いづらいな」みたいな感じが一個もなくて。それは人見知りだから、ではないけど(笑)、相手に合わせるのがすごく上手なんだろうなと思いました。
――先ほど田中さんに殺陣のシーンについてお話をしていただきましたが、木村さんもアグレッシブな殺陣をされていますが、どうでしたか?
木村:事前に“二刀流”にするかもしれないって言われていたので練習していたんですけど、いざ撮影に入ってみたら、その場でどんどん変わっていくから追いつくのに大変でした。ただ今回、救われたなって思ったのが、相手がとてもクラシックなゾンビで、素早く走ったり、学習能力を備えていて賢くなっていくとか、そういうのがないタイプだったので焦らず戦うことができました(笑)。
――そういう特徴があるんですね。
木村:ただ、クラシックなタイプが逆に嫌なところは、ゆっくり来るから見ちゃうんですよね。今回、ゾンビコーディネーターの方がいらっしゃって、現場でもベタ付きでアドバイスしていただいたんですけど、設定上、ゾンビって臭いんです。なので、近づいてくるとまず臭いで気づいて、ゾンビが近づいてくる怖さだけじゃなく、不安感も出てくるみたいなんです。そういう細かいリアクションの方が大変でした。「皮膚はこんな触感です」「こういう臭いです」「今の腐敗具合は何%くらいです」って。
――改めて、お二人が演じた役について、そして役作りについて聞かせてください。
木村:私が演じた“お凛”は、血のつながらない娘トキを守るために群凶と立ち向かう元忍びです。時代劇ではありますが、言葉遣いや所作に重きを置く感じではなかったので、結構自由に動けてよかったなと思いました。観てくださる方も“時代劇”と聞くと硬そうな感じがするかもしれないんですけど、全然そんなことはなくて、やってることはそれぞれの“親子喧嘩”なんです。人が人としてそこにいる限り、絶対に人から生まれてて、そこには死んでも切れない縁があって、そこに対して抗っているというか。「親との決別について深く描いている作品で、女性が主人公で、という作品はあまりないんです」というのを監督が仰っていて、確かにそうだなって。
また、田牧そらちゃんが、思春期の“構いたい親”と“離れたい子ども”の子ども側のお芝居をしっかりと伝えてくれたから、物語を通して、お凛として成長して子離れできました。なので、“お凛”の私の中のテーマは“母親”というのがずっとありました。
――親と子の関係性、つながりというのを強く意識したからこそ、そういう表現ができたと。
木村:はい。ずっとトキちゃんに同情していました。「そうだよね。嫌だよねぇ」って(笑)。
――田中さんの“士郎”はどうでしたか?
田中:士郎は、人としての意識を保ちながら“群凶”になってしまっている男ということで、初期設定からすごく難しくていろいろ考えました。殺すために噛んでいるのか、衝動的に人肉を口に入れたくて噛んでいるのか、痛みは感じるのか、果たして士郎の心臓は動いているのか。監督との細かいすり合わせは撮影が始まる前だけではなくて撮影中もずっとしていた記憶がありますね。あとは、幼少期の時には人を噛んでしまっていたけど大人になってからは我慢できているのはどうしてだろう?とか。半分“群凶”だけど半分人間だから、人間らしい習慣もあるだろうし。片方の目から涙が流れて、もう片方の目からは血の涙が流れたり。そんなふうに役についてたくさん考えて臨みました。
――“時代劇”や“サバイバルスリラー”など、いろんな要素がある作品ですが、撮影を終えてみて感じた作品のテーマと視聴者の方に伝えたいメッセージを教えてください。
木村:ゾンビコーディネーターの川松さんが仰っていた言葉で印象的だったのが「人間が人間である瞬間とは“諦める”とき」でした。群凶にされそうになって諦めそうになるお凛がいて、その時にすごく“人間”を感じると仰っていて、生きるって諦めないことなんだなって思いました。この作品も「生きること」がテーマにあって、諦めないだけでちゃんと人間をやっている。それぞれ生活があると思うけど、窮地に追い込まれた時、迎撃したいと思っても、逃げたいと思っても、それがちゃんと人間として生きていることだということを、まさかのゾンビコーディネーターさんに教えていただきました。
田中:この作品は時代ものであり、ゾンビも登場するので、なかなか自分を投影することができないシチュエーションだと思うのですが、いろんな境遇の人がいろんな結末に陥っていく人間ドラマが描かれているので、どう生きるかということに対して教訓的に見てもらうのもいいのかなと思います。教訓とまでは言わなくても、人として共感できる瞬間があるのでそういうところに面白みを感じてもらえたらいいなと思います。
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