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2人の関係は、ムンファーの両親が経営するレストランバーから始まる。学長の息子で横暴なオー先輩が後輩のティーラックを酔わせ無理やりキスしようとしているのを目撃したムンファーが、ティーラックを助けるために自分の彼氏だとうそをついたため、その後も“偽の恋人”を演じることになるのだ。
ほぼ初対面のティーラックとムンファーは、どう振る舞えばカップルに見えるか相談し合うのだが、互いに恋愛慣れしていないため、その行動のどれもこれもがかわいくほっこりする。例えば、第2話では誰にも聞かれないためにスワンボートに乗って湖の真ん中で話し合うのだが、そのシチュエーション自体がロマンチック。まず、それ自体がデートでは?と突っ込みたくなるが、初心者マークの2人は気付きもせずに“任務”を遂行する。そして、その湖の真ん中で手を重ね合う“カップル写真”を撮り、同時刻にSNSにアップする。こんな甘すぎるシーンが毎話連投されていくのだから、キュン死必至だ。
503369 『EP2 偽カップル』 https://tv.rakuten.co.jp/content/503367/
2人をよく知るティーラックの親友でムンファーの弟のリーには偽装だとすぐにばれ、ムンファーの同級生であるティーラックの姉には偽装であることをすぐに告白するが、ほかの人たちは全く気付かずに2人の甘い関係に酔いしれるばかり。そんな中でティーラックはムンファーの包容力とやさしさに、ムンファーはティーラックの純粋さとかわいらしさに、自然と引かれていくのだった。
そうして、第6話では、車中でムンファーがティーラックにイヤホンで音楽を聞かせ、その歌詞で気持ちを伝えようとするシーンが。その状況にティーラックは容量オーバーでダウンしてしまうが、甘い歌詞を聞かされながら、あの顔で見つめられては無理もないだろう。こんなかわいい主人公カップルに当てられたのか、周囲の友人たちも色めき立つ。ムンファーの親友のリアルとヒア、ティーラックの親友のリーにも気になる人がいるようで、主人公カップルに負けず劣らずの不器用さで距離を縮めていくのだが、その様が尊く、みんなを応援したくなる一作だ。
503373 『EP6 秘めた思い』 https://tv.rakuten.co.jp/content/503367/
ムンファーを演じるThomasことティートゥット・チュンマニラットは、すっきりとした眼差しの韓国系イケメン。『Bed Friend』で陽気な後輩役を演じていたが、ふとした瞬間に笑顔を見せるムンファー先輩役は当たり役となったようだ。ティーラックを演じる、Thomasより3歳年下のKongことゴンポップ・ジロモントリは、序盤こそ役が掴みにくかったのか動きがぎこちなかったが、すぐに馴染んで名前の意味通り、愛されるキャラクターになり、見ているこっちも幸せになる素敵なカップルに成長していく。
しかし、それだけで終わらないのが、タイBL。偽装カップルから本物のカップルへの変貌や、『2gether』のMikeが演じたヴィラン的存在の登場、海への団体旅行など、今作にはタイBLの王道要素が数多く散りばめられているだけに、お約束の山あり谷あり展開も待ち受けているはずだ。『Cutie Pie』や『Naughty Babe』を手掛けるプロデューサーのAoftionことKittipat Jampaは、どんな展開を仕掛けてくるのか。主人公カップルの幸せを祈りながら、最後の第12話まで見守りたくなる物語だ。
(文・及川静)
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