禁断の愛を描く、Boun & Prem主演のタイBL『REVAMP THE UNDEAD STORY』の勢力図

主人公は、絵画の中に封印されていた純血ヴァンパイアのラーミン（Boun）と、骨董品店を営む美術修復師のパン(Prem)。以前から夢の中でラーミンと出会っていたパンは、絵を修復する際になぜかラーミンの封印を解いてしまい、戸惑いながらも彼に引かれていく。ラーミンは100年以上封印されていたことであらゆる力を失っていたため、パンは彼を支えるようになるが、ヴァンパイアとヴァンパイア・ハンターらのはざまで禁断の愛に苦しむようになる。

この主人公カップルの周囲を固めるのは、いずれもイケメンばかり。ヴァンパイア勢の1人目は、絵の持ち主でラーミンの復活を心待ちにしていたメータット。演じるのは、『Cherry Magic』のMarkことジランタニン・トライラッタナヨン。血への興奮を抑えつつ医師をしているメーキンは、『Enchanté』のAunことナパット・パッチャラチャワリット。ラーミンに反抗的な現在のヴァンパイア界のリーダー・キーアー役は、『KinnPorsche The Series』のBarcodeことトリンナシット・イッサラポンポーンが演じる。

一方、人間のハンター側も役者揃いで、吸血鬼をとことん憎むハンターのリーダー・ジェート役は、フォロワー154万人の人気YouTuberでもあるKayことケイ・ルートシッティチャイ。ケンカばかりしているポールとキャスターは、実の双子で『My Golden Blood』にも出演していたAJことチャヤポン・ジュターマーと『2gether』のJJことチャヤコーン・ジュターマー。そして、パンの弟でヴァンパイアのことは何も知らないポックポンは、若手のStampことパナットコーン・ルークシリアーリーが熱演。経験豊かなキャストが多く、本格アクションにも挑戦していて見どころの一つになっている。

二大勢力がぶつかり合う中、運命的な出会いをしたラーミンとパンの2人はゆっくりと仲を深めていく。序盤は力を失ったラーミンをパンが支える姿が多く見られたが、力を取り戻すごとに逆転し、その様子に萌えるファンも多し。また、ストーリーのベースはシリアスだが、ラーミン役のBounの演技がコミカルで第１話から要所要所でおふざけムード全開。だが、付き合いの長いPremがそんなBounの芝居をシリアスな雰囲気でキャッチしているおかげでコメディに寄り過ぎず、ダークファンタジーとしてきれいにまとまっている。

監督は『Until We Meet Again〜運命の赤い糸〜』や『Between Us～縒り合わせる運命～』も手掛けているNewことシワット・サワットマニークン。2人を熟知しているだけあって、むずキュンのラブシーンを大量生産。登場人物はそれぞれに事情を抱えているが、ラーミンとパンには中でもやるせない背景があり、それが萌え要素に。特に第４話でパンの過去が明らかになってからは、切なさが倍増。冷静だったラーミンを見つめるパンのまなざしに哀愁が入り混じっていくので、じっくりと観察してほしい。カップル歴の長さを感じさせる息の合った演技を味わいつつ、徐々に解かれていく謎も楽しめる見どころ満載のBLドラマだ。

（文・及川静）

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