RECCOMENDイチオシ
SERVICE関連サービス
ーー最初に脚本を読んだとき、今回演じた役柄についてどんな印象を持ちましたか。
すごく人間臭い性格を持った人物でした。完璧になんでもできる人間というより、どこか人間として欠点があるというか、そういう人間臭さがある人物が僕は好きなので。自分が演じる以上、その人物に共感できるところにはアプローチしていきたいと心がけながら演じました。
相手や出来事に対して、自分のなかにバイアスがかかってしまう、ということがこの作品のテーマの1つでもあるのですが、それが藤嶋にも実はあって、そこが1番難しかったですね。
後半に進むにつれて、藤嶋が事件に対して自分から積極的に関わっていく、真相を突き詰めていく、というところは大事にしたい変化だったので、そこの機微は慎重に(松本優作)監督と話し合いながら人物像を決めていきました。
ーー今作では、実在する冤罪救済支援プロジェクトがモデルの「チーム・ゼロ」が出てきますが、このようなプロジェクトはご存知でしたか?
以前、弁護士の役をやったことがあるので、そういう存在があるのは聞いたことがあります。弁護士ドラマやリーガルサスペンスといった種類のドラマもエンタメの中ではたくさんありますが、無罪判決を勝ち取るということがどれだけ難しいかは、自分なりにわかっているつもりです。
今回は特に再審請求に挑む話なので、実際にそういう方がいらっしゃって、台本の中に書かれてるようなことが行われているんだと考えると、やはり重く受け止めてしまうというか。
苦しんでる方々がいて、そのなかでも全員救えるわけではないという、どうしようもない葛藤というんですか、そういうところをエンタメを通して見せていけたらいいなと。その意味で、リアルさを持って書かれている脚本だと思います。

ーー先ほど「バイアス」という言葉を口にされましたが、犯罪に限らず、思い込みとか先入観を持つことの危うさについて、中島さんはどう考えていますか。
今、ネット社会で、誰もが簡単に好きなことを書けるような時代のなか、じゃあ、どこまでキチンとリテラシーを持って、1つ1つのことに対して、自分でちゃんと調べた答えを出せるか。とても難しいですよね。
情報過多になっている社会だからこそ、自分でちゃんと見極めていかなければいけない。情報の取捨選択をしなければいけない、というところが今、非常に求められるのではないかと思います。
このドラマはある種、そういうところにも斬り込んでいるというか、そんなメッセージ性を持っている作品です。固定観念だったり、ステレオタイプだったり、バイアスだったり、自分もちょっとそういうものを持って人や物事を見ていたのではないか、と気づかせてくれるような仕組みにもなっています。
ーーでは、自分のなかで知らず知らずのうちにバイアスをかけることを防ぐためには、どういうしたらいいのでしょうか?
脚本を読んでいて、最初は「いや、これは絶対に犯人だろう」とか、そういうことを考えながら読んでいた自分がいました。でも、同時に「それ(思い込んでしまうこと)が人間なんだな」と思ったりもして。
ただ、司法もそうですし、科学捜査や指紋鑑定とか、間違いようがないのでは?と思うことですら、人のバイアスによって変わってしまう恐ろしさ、危険性をはらんでいる。ある種の警鐘にこのドラマはなっていると思うんです。だからこそ、ちゃんと見極めていきたい。バイアスを持つことを完全に防ぐことは難しいですけど。
連連続ドラマW シリウスの反証(WOWOW)